ボコられ風俗のスピンオフ作品になります。

現役JKカナタ様の物語です。彼女がサディストに目覚めたきっかけと、その後の成長が描かれます。この作品だけで独立して読めると思います。



ーーーーーーーーーーーーーーーーー



 わたしには秘密がある。

 それは誰にも打ち明けてはいけない秘密……のはずだった。

 けれど違う。

 秘密になんてしなくていい。

 我慢なんてしなくてもいい。

 それを教えてくれた【ボコられ風俗】には本当に感謝している。

 今日もわたしは自分の本能を解放する。

 それはとってもステキなことだった。



 *



 その秘密が生まれたのは私が小学生の時だ。

 当時、わたしにはよく遊んでいた幼馴染の男の子がいた。

 家が近所で親の仲もよかったので、自然と遊ぶようになったのだ。

 なぜか同学年の女の子たちと遊んでいるよりも、彼と一緒にいるほうが楽しかった。

 付き合っていたわけではないけれど、それに近い関係であったことは間違いないだろう。

 おそらくもう少し一緒に年を重ねていれば、自然と男女の関係になっていたはずだ。彼氏彼女の関係になって、ごく普通のカップルとして交際を重ね、もしかしたら結婚までしていたかもしれない。



 *



 きっかけは幼馴染の男の子がボクシングを習い始めたことだった。

 ちょうど小学生の高学年―――強さにあこがれる時期だったのだろう。

 男の子は真面目に練習に通った。

 一緒に下校することもめっきり減った。

 彼と会うのは朝の登校の時くらいだった。

 そんなある日、待ち合わせ場所に現れた男の子は、目を紫色に腫らしていた。

「ど、どうしたの、それ」

 突然の出来事に驚きながら言う。

 なぜか、彼の顔から目をはなせなかった。

 男の子は、バツが悪そうにそっぽを向きながら、

「別に。たいしたことないよ」

「で、でも、すごく腫れてるよ?」

「……ボクシングの練習で相手のパンチが入っちゃったんだよ。別に痛くない」

 強がったように男の子は言った。

 けれどわたしには分かっていた。

 少し仏頂面になったその様子はかなり痛みを我慢している。長年幼馴染をしていればそれくらいは分かる。男の子の目の腫れはそれほどひどかった。おそらくものすごく強いパンチが直撃してしまったのだろう。その光景を思い描いた瞬間、わたしの体の奥底で何かがはじけるのが分かった。

(え? な、なに?)

 自分でも分からないときめき。

 顔面を殴られ、傷ついて、痛みを我慢している男の姿。

 彼を見つめているだけで、わたしの心臓がドクンドクンと脈打って仕方なかった。

 今だから分かる。

 おそらく、これがきっかけだったのだ。

 サディストとしての目覚め。

 これがすべての始まりだった。



 *



 けれど当時の自分がすべてを理解できるわけがなかった。

 自分がサディストであることを自覚できるはずもないくらい幼かったわたしは、ボクシングに興味をもった。

 この胸の高鳴りは、ボクシングへの憧れではないかと、そう考えたのだ。

 わたしは両親にお願いした。

 幼馴染の男の子と同じようにボクシングを習いたい。

 回答はそっけないものだった。

「そんなのダメに決まってるだろう。女の子が顔をケガしたらどうするんだ」

 それでおしまいだった。

 女のわたしがボクシングを習うなんて、絶対に許してくれない両親だった。

 納得がいかなかったわたしは、「そんなに顔面が大事なら、これ以上ないくらいに大事にしてやる!」と、親に金を出させてメイクに励んでいった。もともと派手な顔立ちもあって、ギャルメイクはわたしの顔面によく似合っていた。スクールカーストの上位に位置する女の子。周囲に友人が絶えないようになったが、逆に幼馴染の男の子とは疎遠になってしまった。

「……ボクシングの練習があるから」

 言葉少なに離れていく幼馴染。

 ギャルとして教室の中心人物になっていくわたしと、どのように接すればいいのか、彼も分からなかったのだろう。思春期の目覚めによって、幼馴染の男の子が、彼自身どう扱っていいか分からない恥ずかしさを胸に抱いていたことが、今の自分ならば分かる。

(わたしより……ボクシングのほうが大事なんだ)

 けれど、幼かったわたしには、当時の幼馴染の気持ちなんて分かるはずがなかった。

 喪失感……孤独……なぜかそれ以上に感じていたのが、【怒り】だったことを今でも覚えている。

 もちろん、幼かったわたしは、自分の奥底に生まれていた【秘密】にも名前をつけることができなかった。もし、この時もう少し素直になっていれば、幼馴染の男の子とは、また別の関係性を築けていたかもしれない。



 *



 幼馴染の男の子と疎遠になっていく。

 それと比例するように、わたしはますます外見を磨いていった。

 それは小学校を卒業して中等部に入学し、私立の学校である栄光女学院高等部に入学してからも続いた。

 中等部でも高等部でも、もちろんクラスの中心だった。

 人から敬われ、尊重され、忖度される存在。同級生だけでなく、先輩たちも、教師たちだって、わたしには一目を置いていた。自分で言うのもおかしいけれど、それだけの美貌がわたしにはあった。身長も高くなり、スタイルもよくなっていた。両親からも、蝶よ花よと煽てられた。順風満帆。そのはずだった。それなのに、

(なんなんだろう……つまらない……)

 人からどれだけ忖度されても、解消できない疼きがあった。

 その正体がなんなのか、当時の自分には分からなかった。

(欲求不満なのかな)

 性の目覚め。

 どれだけ満たそうとしても満たされない原初の衝動。

 自分の疼きの正体はソレなのではないかと思い、わたしは運動を始めた。

 欲求不満を解消するために陸上競技を始めたのだ。

 胸がかなり大きくなっていたので、不利ではあったけれど、短距離走の選手になった。

 自分の肉体は運動能力でも優秀で、練習をすればすぐに結果が出た。

 記録会ごとに伸びていく自己ベスト。腹筋を鍛えればすぐに割れて、同年代の男子たちよりもたくましい体になった。学校では同年代に敵なんていなかった。体を鍛えて、自分の肉体が強くなっていくことに満足は得られたものの、結果的にはそれだけだった。

(満たされない)

 消えない思いをずっと感じながら日々を送っていた。

 そんなある日のことだった。

 わたしは、その店のことを知った。



 ●●●



 ボコられ風俗。

 インターネットで掲示板を見ていた時にその名前を知った。

 お店のホームページのリンクがはられていて、それをクリックしたのだ。

 現れたのは【選手】の紹介ページだった。

 そこで、女性が男性をボコボコにしていた。

「え?」

 衝撃だった。

 目がはなせなかった。

 わたしは自分の部屋で、次から次へと、選手紹介の動画をクリックしていった。

 ボクシンググローブで、ひたすらに男を殴っている動画。

 チョークスリーパーで背後から首を絞めている動画。

 そのすべてで、女性はニンマリとした笑顔を浮かべていた。

 勝ち誇った表情。

 すべての優位に立った絶対存在者。

 それを見て、ようやく自分が追い求めていたモノの正体に気づいた。

「これ、だったんだ」

 男をボコボコにすること。

 合法的に、相手の尊厳を踏みにじって、蹂躙すること。

 わたしもこれをやりたい。

 動画を見て、明確にそう思えた。

 それからというもの、学校のすべては色あせて見えた。

 部活動にも力が入らず、ただ体を鍛えることだけに集中する毎日。

 その間、わたしはずっとオナニーをしていた。

 男をボコボコにする妄想をしながらオナニーをすると、とても興奮して、これまでけっして満たされなかったものが少しだけ満たされるのを感じた。特に幼馴染の男の子をボコボコにする妄想をすると、とてつもない絶頂が体をふるわせてくれた。

 あの顔面をわたしのパンチでボコボコにする。

 妄想の中で、わたしは彼の顔面の原型がなくなるまで殴りまくった。情けない表情を浮かべた幼馴染の男の子が命乞いをしていく。それを仁王立ちのままニヤニヤと見下ろす妄想をしただけで体が快感でふるえた。こうなったらもう止まらない。腹を何度も殴ってゲボを吐かせる。殴りまくって脅して吐いたゲボを食わせる。涙目になり命乞いを続ける男の子の顔面を容赦なく殴り、命令どおりにさせる。そこまで妄想した瞬間、

「んんンンンッ!」

 ビクビクンッ!

 自室のベットの上で深く絶頂した。

 目の前が真っ白になる。痙攣が終わらない。深く、深く、満たされた。

「ボコボコにしたい」

 ハアハアという荒い息の中でつぶやく。

「男のことを合法的にボコりたい」



 *



 もちろん日常生活の中で男をボコったら犯罪だ。

 深刻な後遺症を与えてしまい、傷害罪で少年院に入ることになるだろう。

 わたしが入学した栄光女学院の中には、部活動などを通じて他校の男子を玩具にして楽しんでいるグループがいることを知ったのは、ずいぶん後になってからのことだった。特に柔道部の女子たちはかなり過激に遊んでいた。そのことを知ってからは、わたしも柔道部の男子留学生を使って遊ばせてもらうようになったけれど、この時にはまだ彼女たちのことを知らなかったのだ。だからこそ、わたしにとっては、ボコられ風俗だけが希望の星だった。

「伊藤カナタです。よろしくお願いします」

 18歳になるのと同時にボコられ風俗に入りたいという連絡を入れた。

 期待に胸をふくらませて面接を受けた。

 結果的に入店を許されることはなかったけれど、ちっちゃな店長さんの好意で、研修生となることができた。

 だから、店長さんには足を向けて寝られない。

 その頃になると自分の本能をおさえることが難しくなっていたので、ボコられ風俗の研修生として認めてもらえなければ、おそらくわたしは罪を犯していたことだろう。休日に町に立って、ナンパしてきた男をホテルに誘いこみ、血祭にあげて楽しむようになっていたはずだ。手加減の練習もせず、自分の鍛え上げられた肉体で相手をボコれば大変なことになっていたと思う。本当に店長さんには感謝してもしきれない。



 *



「おチビちゃんを使ってダメージの残らない殴り方をマスターしましょう」

 ボコられ風俗の研修はわたしにとって宝物のような時間になった。

 お店のナンバー1選手であるサユリさんから手加減のやり方を教えてもらう。

 はじめて男を殴ったのもこの時だ。

 尊敬する店長さんを殴った瞬間、わたしは軽く絶頂してしまった。

 【選手】失格と言われないようにするため、必死に我慢していたけれど、おそらくサユリさんには隠せていなかっただろう。わたしはのめりこんでいった。

「ダメージの残らない蹴り方、深刻な後遺症が残らないための絞め落とし方、覚えなければならないことはたくさんありますが、カナタちゃんなら簡単にできるようになると思います。がんばりましょうね」

 合法的に男をボコるためのやり方を体に覚えさせていく。

 長く、時間をかけて、徹底的に男をボコボコにするための技術。

 自分で言うのもおかしいが、わたしには才能があったのだろう。

 サディストとしての才能。

 男をボコボコにする才能。

 それが開花して、すべての技術を習得した後、実践練習が許された。

 格闘俱楽部の実験台を使って、自由にボコボコにしていいと、そう言われたのだ。

 長年の疼きを解消できる。

 その時の嬉しさは今でも鮮明に覚えている。



 ●●●



 わたしに割り振られた実験台はボコられ風俗の元店長だった。

 そいつは中年太りした偉そうな男だった。

 なんでも店のお金を横領していたらしい。そんな最低な男だったからだろう。最初からわたしに遠慮なんてなかった。始まってすぐにボコり始める。徹底的に。容赦なく。それはわたしにとって初めての実践だった。それなのに、どうすれば男をボコボコにすることができるのか、手にとるように分かった。わたしはニンマリと笑って、初体験の男を、徹底的に、時間をかけて、ボコっていった。

「ほおら、締まっていくね」

 格闘倶楽部のマットの上だ。

 そこでわたしは三角締めをしていた。

 陸上競技で鍛えた筋肉質でブっとい太ももが醜い中年男性の頭部を圧迫している。スポーツウェア姿で、露出の多い格好だったので、わたしの惜しげもなくさらされた生足が、直接男の両頬に食い込んでしまっている。絶望の表情を浮かべた男の顔を鑑賞していると、とてつもなく満たされた。

「苦しい?」

 ニンマリ笑いながら聞いてやる。

 男の髪の毛をわし掴みにしてやり、顔をあげさせて、わたしと目をあわせながら問いかける。

「ねえ、苦しいの?」

 ぐりぐり。

 髪の毛をわし掴みにして、男の頭を上下左右に揺さぶる。

 回答しろ、と。

 言わなければ殺す、と。

 そうすればすぐに、

「はひいいいッ! ぐるじいですううッ!」

 男が滑稽に回答してくる。

 眉を八の字にして、顔を鬱血させながら、はるか年下のわたしに敬語を使う様子は惨めの一言だった。

 まだ言葉を喋ることができる。そのように太ももの締め付けをコントロールしてやっているのだ。男の言葉を奪わないのは、あくまでもわたしの願望を満たすためだった。

「なら命乞いしろ」

 冷たく言う。

 男が絶望で顔を歪ませた。

「し・ろ」

 ぎゅっ!

 一瞬だけ太ももに力をこめてやる。

 分かりやすく生足に筋肉がボゴンっと浮かび上がる。短距離走者として鍛えてきたブっとい太ももで絞めつけられて、中年男性の表情がさらに豚のように醜くなった。

「た、たじゅげでくださいいいいッ!」

 そして叫び出す。

 年下の現役JKであるわたしにむかって、心の底からの命乞い。

 惨めな負け犬の顔をさらしながら、自分の娘ほどに年が離れた少女にむかって、許しを懇願していく。男の両頬にわたしの太ももが食い込んでいるせいで、うまく喋れないらしい。それなのに、男は必死に命乞いしてくるのだ。わたしは深く満たされた。

「さいこ~」

 ゾクゾクする。

 背筋がふるえて仕方ない。

 エクスタシーが全身を包み込み、ゾクゾクが止まらない。ニンマリとしたサディストの笑顔が自然とこぼれてしまった。

「ほら、もっと命乞いしろ」

 ぎゅっ!

 一瞬だけ太ももに力をこめるだけでいい。そうすれば簡単に期待どおりの反応がかえってくる。

「ゆ、ゆるじでえええええッ! お願いいいッ!」

 ぎゅっ!

「こ、殺さないでええッ! たじゅげでええッ!」

 ぎゅっ!

「ひゃだああああッ! 絞めないでくださいッ!」

 ぎゅっ!

「ごめんなさいいッ! ごめんなさいいいいッ!」

 ワンパターンにならないように様々な語彙を使って命乞いが続く。

 短い実践の時間で、そのようにわたしが躾けた。中年の小太りの男を支配できて気分が良い。わたしの性欲を満たすためだけにこいつは生かされているんだ。そう思うとすごく満たされる。ニヤニヤとした笑顔が止まらない。ずっとこのまま、緩慢な締め付けを続けながら命乞いを続けさせようか。そんなことを悩んで、悦にひたる。

「ほ、本当に勘弁してくだひゃい。カナタ様、お願いですから、絞めないでください」

 素に戻ったように男が言った。

 どんなに命乞いをしても許されず、太ももで絞めつけられたままの恐怖に耐えられなかったのだろう。もちろん、これまでの命乞いも演技ではないのだろうが、今の叫びもしないで淡々と命乞いをするという様子が、男が限界に陥っていることを教えてくれた。

「ふふっ」

 笑う。

 鑑賞する。

 決めた。

「堕ちろ」

 ぎゅううううううううううッ!

 手加減抜きで絞めつける。

 男の頭蓋骨ごと、その頸動脈を容赦なく締め上げた。

「かぎゅうううううううううッ!」

 豚が喚きながら暴れ出した。

 土下座するような格好で、頭部を年下JKの股の間に突っ込んだ小太りの男が暴れていく。それは自分の命をかけた抵抗だった。このままだと殺されてしまう。それが分かっているからこその必死の抵抗。顔をさらに鬱血させながら、両足をばたばたと動かし、頭部をブっとい太ももから引き抜こうとジタバタしていく。

「無~駄」

 そんな抵抗を笑顔で封殺した。

 わたしは太ももを使っているだけだった。

 鍛え上げられた太ももだけで、男の命をかけた抵抗を無効化してしまっている。歴然たる力の差。わたしは両手を自分の頭の後ろで組んで、上体を少しだけ起こし、鑑賞タイムに入った。ぎゅううううううううっと太ももだけを使って力強く締め上げ、男を絞め落としながら、わたしの太ももの間で豚が苦しむ様子を鑑賞していった。

「かぎゅうううッ! かぎゅうううううッ!」

 豚が喚く。

 屠殺処分されていく家畜。醜くたるみきった男の体は豚そのものだ。わたしよりも長生きしてきた個体を太ももだけで殺していくと、とても興奮した。

「出荷しちゃおうね」

「かぎゅうううッ!」

「豚は出荷しちゃう」

「ぐえええええッ!」

「あはっ、すごい顔」

 堪能する。

 元店長の顔が限界をむかえる。

 これ以上続けるとマズい。脳みそから酸素をシャットアウトしつつ、意識を失うこともできなくさせる絞め方で楽しんでいたので、これ以上絞め続けると深刻な後遺症が残ってしまうのだ。ボコられ風俗の研修で、そこらへんは完全にマスターしていた。

「ん」

 ぎゅっぎゅうううううッ!

 物足りなさを感じながら意識を奪うやり方で絞める。

 一瞬で男は気絶した。

 口からブクブク泡をふきながら、ビクンビクンと体を痙攣させていく。大きすぎるイビキが自分の太ももの間から聞こえてくる。断末魔の悲鳴をあげた時の壮絶な表情のまま気絶した豚の顔を鑑賞していく。これをわたしがやったのだ。夢にまで見た絞め落とし。何度やっても飽きることがなかった。

「ほら、はやく起きろ」

 笑って、

「起きたらまた、絞め落としだからね」

 ぎゅうううううううッ!

 頭部だけ絞めつけて頭蓋骨を軋ませる。

 男の判断能力が消えてなくなるまで絞め落とし続けた。



 *



 格闘倶楽部での毎日が続く。

 最初は殴ったり、蹴ったりということも楽しんでいたが、次第に自分は絞め落としを好んでいることに気づいた。男たちが自分の腕の中で、脚の中で、惨めに失神してビクンビクンと痙攣していく様子を鑑賞するのが好きだった。どんなに暴れても、どんなに命乞いしても、けっして許してもらえずに情け容赦なく絞め落とされてしまう様子は、いつ見ても飽きない。わたしは夢中になってしまった。

「おっつ~、カナタっち」

 いつものように格闘技クラブで男を絞め落としていると、ヒトミさんが現れた。

 大学生の女性で、総合格闘技をやっている。ボコられ風俗に所属している女性はみなさん逞しい体をしているが、その中でも身体能力が高いのがヒトミさんだった。正直、この人には勝てる気がしない。

「ヒトミさん、おはようございます」

「うんうん。今日もやってんね~」

「はい、今日はもう二人も意識が戻らなくなっちゃいました」

 わたしは首を絞めていた男を放り投げた。

 店の常連客で問題行動ばかりおこしていたので実験台になった男だ。元店長を連続失神で締め上げ、意識が戻らなくなったのでコイツで遊んでいたところ、すぐに壊れてしまったのだった。

「落ち癖がついちゃったみたいですね。こいつ」

 ぐりぐり。

 仰向けに倒れた男の顔面を素足で踏み潰す。

 かなり体重をかけているのに男が目覚めることはなかった。

「よしよし、そんなカナタっちのために、今日はいいもん持ってきたよ」

 ヒトミさんが笑う。

 彼女が「入ってこい」と命令すると、オドオドした若い男が格闘技クラブに入ってきた。ヒトミさんが逞しい片腕を男の首にまわし、上からおさえつけるように肩を組んでから紹介してくる。

「こいつ、大学の総合格闘サークルの先輩なんだ~」

「あ、そうなんですね」

「うん。で、今日からこいつは実験台にすることにした」

 ぐいっと、ヒトミさんがわたしのほうに男を突き出してから、

「カナタっち、こいつのこと自由に使っていいよ?」

 驚きだった。

 ヒトミさんの言葉に男が「ゆるじでください」と泣きながら懇願している。さきほど「先輩」と言っていたことからすれば、男は年上なのだろう。大学生の現役格闘家だ。ソレを自由に使ってもいいのだ。わたしは自分をおさえることができず、ニンマリと笑ってしまった。

「いいんですか?」

「OKOK。カナタっちも、素人ばかり絞め落としてたら飽きるっしょ?」

「……確かに、最近はマンネリでしたけど」

「そう思ってコイツ持ってきたんだ。かわいい後輩のためだかんね。ほんと、遠慮なく使っちゃっていいから。壊れたらまた新しいの持ってくるから、手加減とかしなくてOKだかんね」

 ヒトミさんがニンマリ笑って男の耳元で囁いた。

「そういうことだから、がんばれよ、先輩」

「ゆるじで・・・・ヒトミ様・・・・・どうか・・・・・」

「約束どおり、カナタっちに勝てたら解放してやるよ。ウチの性欲解消舐めペットを辞めたいんだろ? だったら、現役JKくらいには勝たないとな」

 ニヤニヤ笑っている。

 男が絶望で涙をボロボロ流すのをひとしきり観察してから、ヒトミさんは去っていった。どうやらボコられ風俗の予約が入っているらしい。サユリさんに次いでヒトミさんは店のナンバー2だから忙しいのだ。

「それじゃあ、よろしくね」

 怯えたままの男にむかって言う。

 最初からため口で話しかける。

 実験台なんて丁寧に扱う必要なんてないのだ。

 こいつらは玩具。わたしたち女のサディズムを解消させるための道具。はやくも怯えきった表情を浮かべている男のことを見下ろしてやる。はやくやりたい。下半身が疼いて仕方なかった。



 *



 その男とは、試合形式で戦うことにした。

 マットの上で年上大学生と総合格闘技のルールで勝負をする。

 相手は必死になって迫ってきた。もしかするとJKならなんとかなると思ったのかもしれない。なんとか勝利をもぎとってこの地獄から解放されたい……そんな希望を叩き壊すのは、とても興奮した。

「あ~、また極まっちゃったね」

 勝ち誇って言う。

 馬乗り三角締めが綺麗に極まっていた。

 仰向けに倒れた大学生の頭部を太ももで挟みこみながら、自慢の大きなお尻で顔面を潰す。ちょうど顔面騎乗のような格好だ。陸上競技で鍛えた太ももと安定感たっぷりの巨尻で、大学生の息の根を止めにかかる。

「むううううううッ! むうううううッ!」

 わたしのお尻の下で男がじたばたと暴れている。

 必死に自分のすべてをかけて抵抗しようとしているのが分かる。けれどどんなに暴れてもわたしの体がふらつくことはない。完全圧迫。男に生存の可能性はない。ジタバタとした無駄なあがきが次第に弱くなっていく。わたしのお尻がジットリと濡れた。それは屈服の合図だった。

「あはっ、もう泣いちゃったの?」

「むうう・・・・むうう・・・・」

「現役JKのお尻で潰されて、太ももで絞めつけられて、泣いちゃったね」

「・・・・む・・・・ううううッ」

 ぐりぐり。

 お尻で顔面を潰してやる。

 そうしてやると涙がボロボロとこぼれてくる。お尻のホットパンツが濡れていく。それが面白くて、さらに太ももで絞めつけながらお尻で潰していった。

「5回目だね、絞め落とされるの」

「・・・・む・・・・うう・・・」

「簡単に絞め落とされちゃう。情けないね」

「ううう・・・・むううッ・・・」

「ふふっ」

 ぎゅっ!

 太ももの締め付けを強くしてやると、ビクンっと男の体が固くなるのが分かった。

 お尻の下で怯えた男のくぐもった悲鳴が聞こえてくる。涙の量が多くなってわたしのホットパンツがさらに濡れた。嬉しくなって、ニンマリとした笑顔がこぼれる。

「年下のJKにこてんぱんにされちゃった」

「・・・・むうううッ・・・・・・・・・」

「それでこれから絞め落とされる」

「ううううッ・・・・ううううッ・・・・」

「絞め落とされたくない?」

 問いかける。

 すると望みどおりに、

「ふぁむふうくふぁふぁひいッ!」

 お尻の下からくぐもった命乞いが響いてくる。

 その吐息がお尻にかかってくすぐったい。

「なに言ってるのか、聞こえないな~」

「ふぁふふへええええッ!」

「なに? 絞め落とされたいの?」

「ふぁふへへええええッ!」

 ぐりぐり。

 お尻で潰す。どんなに命乞いしても言葉を喋れないことが分かった男が、わたしのお尻にむかって顔を押しつけてくる。自分から顔面を押しつけて死のうとする男……それほどまでに、わたしの締め付けから逃げようとしているんだ。そう思うと、とてつもなく興奮した。

「堕ちろ」

 ぎゅうううううううッ!

 絞めつけてやる。

 体重をかけてお尻で顔面を潰し、太ももで首を絞めあげる。

 ジタバタとした痙攣がさらに強まるのだが、今回は早めに意識を奪おうと思う……死なないように調整した太ももでギュッと締め上げると、男はすぐに気絶した。

「キャハっ、5回目。一瞬だったね」

 立ち上がる。

 仰向けに倒れて痙攣していく男のことを、仁王立ちのまま見下ろす。

 口からブクブク泡を吐いてカニさんになってしまっている。眉を八の字にして苦悶そのものといった様子で苦しんでいる表情を見るだけで心が躍った。ときおりビクンッと痙攣するのもポイントが高い。こんなに惨めな状況に追い込んだのが自分だと思うと、とても興奮した。

「起きろ」

 どっすんんッ!

 はやく続きがやりたくて男の顔面を踏み潰す。

 わたしの大きな足裏にすっぽりと埋もれてしまった男が、すぐに意識を取り戻す。それをニンマリと笑いながら見下ろしてやると、何がなんだか分からず呆けた顔を浮かべていた男が、絶望に顔を歪ませるのだからたまらない。

「はい、次の試合ね」

「ゆる・・・・じて・・・・」

「だめだめ。まだまだ絞め落とし足りないんだから」

「たじゅげで・・・・もう俺の負けでいいですから・・・・・」

「ダメだって。ほら、はやく立ってよ」

「お願いします。もう絞め落とさないでください」

 仰向けに倒れていた男が起き上がり、自然と土下座をしてくる。

 わたしの足元のマットに額どころか顔面全体をこすりつけて、深く、深く服従のポーズを披露してくるのだ。命令されてもいないのに屈辱の土下座をしている男を見て、興奮がさらに高まる。

「まあ、何度試合してもわたしが圧勝しちゃうんだけどね」

「は、はひ。カナタさんの勝ちです。だから、もう許してください」

「仕方ないな~。じゃあ逃げろよ」

 ニンマリと笑ってやる。

「試合しても勝ち目がないんだから必死に逃げてみなよ」

「あ、あ、あ、ゆ、ゆるして」

「ほら、逃げろ」

「ゆるじで・・・・・お願い・・・・・」

「逃げないと手加減してあげないよ?」

「ひいいッ!」

 こわがってるこわがってる。

 年上の男が、JKのわたしを恐怖の対象として認識しているのが分かる。こうなったらあとは一息だ。ドスンっと土下座している男の顔の横を踏み鳴らしてやればいい。

「逃・げ・ろ」

「ひいいッ!」

 男が四つん這いになって逃げだした。

 マットの四角で囲まれた範囲どころか、この格闘技クラブの部屋から逃げ出そうと、脱兎のごとく駆けていく。立ち上がる時間さえ惜しくて四つん這いのまま逃げていく男は負け犬そのものだった。

「つかまえた」

「ひいいいいいいいッ!」

 陸上部の短距離走で鍛えたわたしの速度に勝てるはずがない。

 わたしはあっという間に男に追いついた。四つん這いになった男の背中にまたがり、その首に両腕を絡ませる。わたしの大きなおっぱいが男の背中でぐんにゃりと潰れているけれど、その感触を楽しむ余裕が男にあるわけがない。彼の意識にあるのはただ、自分の首に巻きついて今まさに呼吸を奪おうとしているわたしの両腕だけだろう。

「ほおら、絞まっていくね」

「ぐ、っぎいいいいいいッ」

「逃げなくていいの?」

「ぐえええええええッ」

「逃げないと絞め落とされちゃうよ?」

 四つん這いの男に上からのしかかるようにして密着しながら、両腕で首を絞める。

 チョークスリーパー。

 四つん這いの男の背中に乗っかるようにして首を絞めている自分の姿は、子分猿にマウンティングする親分猿のように見えることだろう。そのようにして格差を教えてやる。どちらが強いのか。どちらの身分のほうが上か。首を絞めて分からせてやるのだ。

「かぎゅううううッ!」

 男が必死に逃げ始めた。

 それほどまでに絞め落としが嫌なのだろう。わたしの絞め技はかなり深く相手を絞め落とすので、生命の危険を感じているのかもしれない。ボコられ風俗で手加減の仕方を覚えているので、けっして深刻な後遺症を与える心配はなかったが、男にはそれは分からない。今度こそ殺されてしまうかもしれないと思った男が、自分の命をかけて必死に逃げようとしていく。

「無~駄」

 ぎゅっ!

「ぐええええええッ!」

 けれどそんな抵抗なんて、わたしが軽く両腕に力をこめれば終わってしまう。

 電気ショックでもくらったみたいに痙攣した男の逃走が唐突に終わる。首を絞められた衝撃が強すぎて、逃げることすら忘れてしまうのだ。自分の首に巻き付いたわたしの両腕をつかみ、なんとかそれを引きはがそうと必死になって、逃げることもできなくなる。

「ふふっ」

 ギュッ!

 男の首に巻きついたわたしの両腕が、大蛇のように絞めつけを開始する。獲物の体にトグロを巻いて締め付け、体中の骨という骨をバギバギに折ってしまうほどの絞めつけ。すぐに男が顔を鬱血させて悶え苦しむようになった。

「むううううううッ!」

 パンパンッ!

 そうして命乞いが始まる。

 言葉を奪っているので命乞いは惨めなタップで行われる。

 わたしの両腕をパンパンと叩いていく。そこに反抗的な態度は一片もない。敬意をこめて、心をこめてタップしていることが分かる。そうしないと殺されてしまうことが分かっているからこそ、年上の男は丁寧に、丁寧に、「殺さないでください」とタップして命乞いしていく。

「ふふっ」

 ぎゅうううううううううううううううううううッ!

 タップのお礼に激烈な締め付けを開始してあげた。

 男の首に巻きついたわたしの腕と腕がくっつきそうになっている。あまりにも強く絞めつけているせいで、男の両眼が飛び出てきそうになっていて面白かった。口から舌が飛び出てきて、はやくもブクブク泡をふき始めている。

「殺されちゃうね」

 男の耳元で妖艶に囁く。

「このまま絞め殺されちゃう」

「か・・・ぎゅう・・・・・」

「ほら、命が少しづつ消えていくよ?」

 絞めながら堪能する。

 男の体から力が抜けていく。

 そのすべてを余さず堪能する。この瞬間がとても好きだ。わたしの両腕の中で男の命が消えていく。なにもできずに死んでいくのだ。それがすごく優越感をもたらしてくれる。ピクピク痙攣してきた。愛おしい。わたしは汚い顔面をさらして悶え苦しむ男の命を鑑賞しながら、最後にとどめを刺した。



 ぎゅっ。



 少しだけ頸動脈を締めてやる。

 そうすると男はすぐに気絶した。

 わたしの両腕の中で生命力あふれる男がビクンビクンと痙攣していく。

「安心してよ。まだ命はあるし、深刻な後遺症も残らないから」

 まだ首に両腕を巻きつかせたまま。

 四つん這いのまま脱力して、白目をむいて痙攣していく男の耳元で囁いている。

「だから、まだまだできるよ」

 ニンマリと笑う。

「はやく起きてね。まだまだ絞め落とすから」

 何度やっても飽きない。

 気絶したら起こして、また絞め落とす。

 男の意識が戻らなくなるまで、ずっとずっと絞め落とし続けた。



 *



 格闘倶楽部での絞め落としの日々。

 わたしは飽きることなく男たちを絞め落とし続けた。

 そんな日々を続けていると、ついにわたしは実験台たちから恐怖の対象として見られるようになった。なかでもわたしの太ももを見ると、男たちはそれだけで腰砕けになって、ガクガクと震えるようになってしまった。

「どうしたの元店長さん。こんな路上で倒れてたら迷惑だよ?」

 放課後。

 制服姿のままで、学校から格闘倶楽部に向かった。その途中、格闘倶楽部の入っているビルの前で、元店長と出くわしたのだ。

「ひ、ひいいいいいいッ!」

 すると元店長は、わたしの姿を見るなりヘナヘナと崩れ落ち、ガクガクと震え始めた。

 そして、わたしのミニスカートから伸びるムチムチの太ももを凝視して、顔を真っ青にしてしまった。さんざんにこの太ももで絞め落としてきたので、元店長はわたしの太ももを見るだけで発狂寸前まで追い込まれてしまうのだった。

「ほら、そんなところで倒れてないで、行くよ?」

「ひ、ひいいッ! ゆるしてくださいカナタ様ッ!」

 抵抗する男の髪の毛をつかんで、引きずるようにして連行する。

 ビルに入り、エレベーターに乗せて、格闘倶楽部のあるフロアに叩き込む。

「ひ、ひい」

 怯える元店長を容赦なく蹴り飛ばした。

 マットの上に四つん這いになった男をよっこいしょっと跨ぐ。そして仁王立ちのまま、男の頭部を太ももで挟みこんだ。栄光女学院のミニスカート姿のままなので、元店長の後頭部がわたしのパンツにあたってしまっている。それほどまでに深く、男の頭部を太ももの根本まで引きずりこんでから・・・・・容赦なく絞めつけた。



 ぎゅうううううううううううううううッ!



 仁王立ちで、両手を腰にやって、太ももの力だけで絞めあげる。

 四つん這いの状態で、頭部だけを太ももによって絞めつけられた男が、「かぎゅううッ!」と断末魔の悲鳴をあげて悶え苦しみ始めた。見ただけでガクガク震えてしまう恐ろしいわたしの太ももが、男の両頬に食い込んでいるのだ。その恐怖といったらないだろう。

「ふふっ、今日も太ももで絞め落としてあげるね」

 さらに締め上げる。

 ムチムチの太ももが男の顔面にあふれかえってしまう。太ももと太ももがくっつきそうになるほどの強烈な締め付け。すぐに男は四つん這いのままブクブクと泡をふいて気絶してしまった。

「あ~、とっても簡単」

 ニンマリと笑う。

 両手を腰にやったまま、太ももでの締め上げは継続。 ビクンビクンと痙攣を始めた四つん這いの男の命をさらに痛めつけながらつぶやく。

「今日も意識が戻らなくなるまで、太ももで絞めつけてあげるからね」

 返事は「ぐぼおおおおッ!」という盛大なイビキだけだった。

 とても楽しい。

 今日は制服姿のまま、太ももだけで何度も絞め落とそうと決める。

 途中で命乞いをさせるのも良いだろう。制服姿のまま締め上げれば、現役JKに絞め落とされていることが嫌でも分かるだろう。はるか年下の少女にボコボコにされて、絞め落とされるという屈辱の海に沈めてやろう。それを考えると、わたしは学校で感じる退屈なんてすっかり忘れて、男の命で遊び始めるのだった。



 ●●●



 執拗に絞め落とした。

 周囲の長身女性さんたちが若干引くほどに、わたしは男たちの意識を奪いまくってやった。

 そうしていると、やはり慣れがうまれてくる。

 男を絞め落とすたびに実感していた満ち足りた思いが、少しづつ弱まっていくのを感じた。どうにも満足ができなくなっていったのだ。それが何故かと考えたとき、答えはすぐに見つかった。

「・・・・・原初の衝動」

 わたしがサディストに目覚めたきっかけ。

 男たちを絞め落とすようになった後にも欠かさなかった……妄想とオナニー。

 だからこそわたしには分かっていた。

 次になにをすればいいか。

 もう本能を隠さなくてもいいのだ。

 わたしは自分の思うがままに行動しようと、そう決めた。

「やっちゃおう」

 覚悟をきめたわたしの顔は、ニンマリと笑っていたに違いない。

 わたしは、幼馴染の男の子に電話をかけることにした。



 *



 彼は高等部に入ってもボクシングを続けていた。

 真面目な性格な男の子なので、努力に努力を重ねて、2年生の大会では上位入賞を果たしていた。

 3年生になった今はちょうど脂がのった頃で、次の大会では優勝候補にあげられていた。体格にはそれほどめぐまれていないので、フットワークをいかしたアウトボクシングを得意としている。朝早くからジョギングに行き、家の庭で縄跳びに励む姿がわたしの部屋からも良く見えた。一生懸命に努力しているのだ。それを今からブっ壊せると思うと、とても興奮した。

「ありがとうね、無理言っちゃって」

「・・・・・別に、大丈夫だよ」

 仏頂面で幼馴染の男の子が答えた。

 けれど明らかに意識しているのが分かる。それは彼の視線がわたしの体をチラチラと見ていることからも一目瞭然だった。

(リングの上に制服姿だもんね・・・・・・童貞の男の子だもん。そりゃあ、意識するよ)

 性欲丸出しの男の子の視線に気づかないフリをしてあげながら、ボクシンググローブを装着する。

 わたしは栄光女学院の制服姿だった。最近また体が大きくなってきたので、サイズがあっておらず、お腹が露出してしまっている。ミニスカートも下着をかろうじて隠せるくらいの極限まで短い丈になっていた。そんな恰好をしているからだろう。男の子の性欲丸出しの視線が、わたしの体をチラチラと盗み見ていた。

「ふふっ」

 にっこりと笑って運動着姿の男の子を見つめてやる。

 すると彼は慌てたようにボクシンググローブをつけ始めた。

 場所はボコられ風俗のリングの上だった。そこに男の子を呼び出し、試合をしてもらうことにしたのだ。急だったけれど、わたしがお願いしたらすぐに言うことを聞いてくれた。おそらく、彼はわたしに好意をもってくれている。良いところを見せようと、わたしのお遊びに付き合ってくれようとしているのだろう。すべて計算どおりだった。

「最近、ダイエットでボクシング始めたから、見てもらおうと思ってさ」

「・・・・・う、うん」

「君には当然勝てないけど、胸を借りるつもりでやらせてもらうよ」

「・・・・・うん。手加減はするから、安心して」

 男の子の言葉にニッコリと笑う。

 手加減してくれるんだ。その言葉はとてもいい。楽しみが増えてしまった。

「それで、あの・・・・・着替えないの?」

 男の子が不思議そうに言う。

 わたしが栄光女学院の制服姿のまま着替えないのを見て不安に思ったのだろう。

「ごめんね、運動着忘れちゃったみたいなの」

「そ、そうなんだ」

「うん。君と試合できるって聞いて慌てちゃったんだ。ごめんね。でもコレはコレで動きやすいんだよ?」

 片足をあげてやる。

 ミニスカートから伸びるムチムチの太ももが強調され、男の子が「う」と呻いた。日頃はボクシング三昧で女っけなんてないのだろう。女の子の肌色たっぷりの太ももを凝視してしまっている。好意を寄せている女の子の制服姿を見れて満足なのだ。制服姿で、しかも素足でリングにあがっている舐めた態度の女の子に対して、幼馴染の男の子は何も言えないみたいだった。

「それじゃあ、やろっか」

 装着したボクシンググローブをパンパンと叩きながら言う。

 準備はすべて整った。



 *



サンプルはここまでです。

続きは200円プラン以上に加入してもらえると読めます。

幼馴染の男の子をボクシングでボコボコにしていきます。