季節はまたたく間にすぎていった。
冬の寒さが肌を凍てつかせる日々。朝の競技場はひときわ冷えわたり、建物の中なのに吐く息は白くなる。ほとんど全裸に近い格好になるバトルファック部員たちは寒さで凍えそうになりながらも、一つだけ設置されている灯油ストーブで暖をとって練習をしていた。
冬が終わり春が到来すれば健二は卒業する。
それが分かっていた姫華は、健二からプレゼントされた競技水着に身を包みながら、健二との残り少ない練習にのぞんでいた。
姫華はますます強くなっていった。
その実力は健二をもってしても抑えることができないほどだ。
模擬試合でも、だんだんと姫華が健二を圧倒するようになっていった。試合巧者の健二がなんとか勝利をもぎとるものの、スペックだけを見れば姫華の方が明らかに上だった。
そのムチムチに育った体。さらに大きくなった褐色おっぱいは重力に負けることなく健二を威圧するように鎮座している。それを前にすると、実力者である健二ですら、「う」と呻き声をあげてしまうのが常だった。
試合を重ねるたびに、だんだんと姫華の勝率の方が高くなっていった。
年を越した頃には、ほとんどの試合で姫華が健二を圧倒するようになった。
そして、冬が終わり、春の始まりを感じさせる暖かい風が吹くようになった頃。
卒業式を間近に控えたその日、バトルファック同好会では、最後の試合が行われていた。卒業生の送り出し試合。その最後の試合は、姫華と健二の試合だった。
「ジュパッ! じゅるるっじゅうッ!」
「あひん……ヒイイン……」
唾液音と甲高いあえぎ声が競技場に響いていた。
まるで捕食行為。
姫華が健二を押し倒して上から押し潰しながら、熱烈なディープキスの嵐を降り注いでいた。
「あひん……ああん……」
健二が喘いでいる。
後輩女子のディープキスにメロメロにされて、ただ快感に喘ぐ人形になってしまっている。それを可能にしているのはひとえに姫華の凶悪なおっぱいだった。仰向けになった健二の上にのしかかった姫華のおっぱいが、ぐんにゃりと男の体を潰し、ありとあらゆる抵抗を奪っていた。
相手選手の防御力を奪った上でのディープキス。姫華の肉厚な舌が縦横無尽に健二の口内を暴れまわっていた。洗練されたものではなく、暴力じみたキス。暴れる健二の頭部に片腕をまわし貪り喰らうようにして、姫華の唇が健二の唇を奪っている。
(酸欠一歩手前。でも油断しちゃダメ)
姫華は全身全霊をこめて責めた。
自慢のおっぱいで健二の胴体を押し潰してマットに押さえ込んで、彼の頭部を片手で抱きかかえ、その口内をめちゃくちゃに犯す。とにかく激しく、息を吸わせる暇もなく肉厚な舌を蠢かせる。そうすると相手は鼻で息をするしかなくなる。フガフガという情けない呼吸音が聞こえてくる。
「く、っくううう」
最後の抵抗。
このままだと負けると思った健二が、その手を姫華の秘所へと伸ばした。手マン。最初に姫華を絶頂させた技。ぷるぷると震えた手がゆっくりと姫華の秘所へと迫っていく。くすりと、姫華が笑った。
「無駄ッスよ先輩」
ジュルルルジュッパッツウっ!
「んっふうううううッ!」
肉厚の舌がさらに激しさを増した。
それだけで健二の手は止まってしまった。姫華の秘所にたどり着くこともできずに、そのままバタンとマットに沈んでしまう。後輩女子の密着とディープキスによって先輩男子の抵抗が完全に奪われた瞬間だった。
さらに激しさを増した姫華のディープキスによって呼吸も完全に奪われてしまう健二。彼は唇を後輩女子に貪り喰らわれたまま、息苦しさに悶え、酸欠失神一歩手前まで追いつめられた。
「酸欠寸前。ここッス」
叫び姫華が動いた。
俊敏な動き。
姫華が健二の唇から離れるとそのまま両手で健二の後頭部を抱え込んだ。必殺の体勢。「ひ」と悲鳴をもらした健二がその場から逃げようとするのだが、それよりも早く、姫華のおっぱいが健二の顔面を捕食した。
「っむっふうううううッ!」
男の悶えた声がくぐもって聞こえた。
おっぱいに食べられてしまった男は、悲鳴すら後輩女子に奪われてしまったのだ。
「やったッ!」
勝利を確信した姫華の声だった。
彼女の豊満すぎるほど大きな褐色おっぱいの谷間に、健二の顔面は埋もれていた。もはや男の後頭部がかろうじて見えるだけ。その男の後頭部を両手でぎゅううううっと抱きしめた姫華は、妖艶な瞳を浮かべ、自分の胸の中で潰されている男の顔面の感触に感じ入っている。
「健二先輩、酸欠寸前ッスよね? 耐えられるわけないッスよ」
「むっむっむううううッ!」
「ほ~ら、早く吸っちゃえ。ウチのフェロモン吸ってバカになるッスよ。それとも、このままずっと息止めてるつもりッスか~?」
「むううッ! っむううううッ!」
「ふふっ、強情ッスね~。それなら強制的にフェロモン嗅がせちゃうッス」
ゆさゆさ。
姫華がおっぱいを揺らし始める。健二の頭部を谷間に埋もれさせ、その後頭部をぎゅううっと抱きしめながら、上下左右におっぱいを揺らす。その豊満な谷間の中に拘束されている男はそれだけで脳味噌を揺らされ、さらにバカになっていく。息苦しさと暴力的に揺れる感触に耐えかね、健二が敗北の呼吸を鼻からしてしまった。
「っむうっっっふううううッ!」
効果は覿面だった。
健二の体がビクンビクンッと面白いように痙攣した。さきほどまで必死に姫華をどかそうとしていた体から一切の力が抜け、ダランと脱力してしまう。その両腕はマットの上に落ちたまま動かなくなった。
「やったッス。パフパフ完成です」
嬉しそうに姫華が言った。
もはや勝負はついた。
パフパフをくらってしまえば後は抵抗しようにもできない。姫華のフェロモンで頭をバカにされてしまった健二は為すすべはなく、姫華に敗北するしかない運命だった。
「ほ~ら、もっと吸うッスよ。口はおっぱいで潰してるんで、鼻から吸うしかないッス。そうすると、さらに頭バカになるんッスよね~。ほらほら、もっと後輩女子に敗北するッス」
「むううう……ンンンッ!」
「アハハッ! もう息も絶え絶えじゃないッスか~。まあ、ウチのフェロモンは凶悪ッスからね~。健二先輩に鍛えてもらったウチのおっぱい、ますます育っちゃったんッスよ。フェロモンも男子を壊す麻薬になってるんで、健二先輩にも堪能して欲しいッス」
ぐりぐりとさらに健二の顔面をおっぱいで潰した。
仰向けの健二の体にのし掛かって、おっぱいで健二の頭部をマットに押しつけるようにして潰す。さらに姫華の両腕はまるでチョークスリーパーをかけるみたいに健二の後頭部にからみつき、締め付けるようにしておっぱいに押しつけていた。
普通だったらパフパフがきまった段階で試合は終了だ。時間をかけてパフパフをする必要もないので、あとは簡単に射精をさせてやるか、場合によってはギブアップとみなして試合は終わる。
しかし、姫華がパフパフを止める気配は微塵もなかった。それどころかさらに深い谷間の底に埋もれさせようと、ぎゅうぎゅうと健二の顔面をおっぱいで潰していく。
(あー、このジャガイモ顔をおっぱいで潰すのも、今日で最後か~)
宝物でも抱きしめるように、姫華は健二の頭部を抱きしめていた。
この試合が終われば健二とバトルファックの試合をすることもできなくなる。それが分かっているからこそ、姫華は飽きることなく健二にパフパフをしていた。彼が息を吸うたびにビクンビクン跳ねるのが愛しくて仕方ない様子だった。
(まだ時間あるッスよね)
健二をおっぱいでマットに押し潰しながら、姫華がちらっとタイマーを横目で見た。
まだ時間は5分残っていた。ならば慌てる必要はないのだ。姫華は顔を赤らめながら健二の頭部を抱きしめ、痙攣するその体と、彼のだんだんと弱々しくなっていく鼻息の感触に感じ入っていった。
(健二先輩とバトルファックするのもこれが最後なんッスよね~。後悔しないように、やれることは全部やっとこう)
姫華はさらにパフパフをしていく。
ぎゅうっっと抱きしめ呼吸を許さず酸欠失神する直前で力を緩め、フェロモンを過剰に吸わせる。それだけで健二はビクンッと大きく痙攣してマットの上で跳ねた。それが面白かったので、また再度同じことを繰り返し、今度は力を緩めてやる直前で健二の体を力いっぱい抱きしめて痙攣できなくさせた。快感を逃がすこともできなかった健二が「くうううんん」と鳴くのがツボで、姫華はさらなる責め苦を加えていく。それが終了1分前まで続いた。
「最後はパイズリッス」
姫華が健二の体に馬乗りになりながら言った。
久しぶりに解放された健二の顔は正視に耐えられるものではなかった。白目をむき、涙と鼻水と涎でぐしょぐしょになってしまった姿。それをやったのが自分だと思うと姫華はますます興奮し、最後の仕上げとばかりにあっという間に膝上パイズリを完成させてしまった。
「ありがとうございました、健二先輩ッ!」
挿乳。
それだけで勝負は決まった。
「オッッホオオオオンンッツッ!」
どっびゅっっびゅううううッ!
ドビュッビュウウウッッ!
爆発みたいな射精。
褐色おっぱいの谷間の中に完全に隠れた健二の一物から大量の精子が放出されていく。白目をむいて声も出せなくなった健二が、唯一許された射精をもって降伏の白い旗をあげ続けていく。
「うわっ、男の子があげちゃダメな声あげちゃってるッスよ、健二先輩」
獣の声をあげながら射精を繰り返す健二の姿を見下ろしながら、姫華が満面の笑みでパイズリを続けていく。
「健二先輩から教わったパイズリ、完全にマスターできたッス。これもぜんぶ、健二先輩のおかげっッスよ。本当にありがとうございました」
「ああひいいいいいッ! オッホンンッ!」
「って、もう聞こえないッスよね。じゃあ、このまま空っぽになるまでパイズリするッスから、気持ちよく射精し続けてください」
パンッパンッパンッ!
肉が殴打される音が響く。
おっぱいが男の腰に打ち付けられ、射精と悲鳴の音一色になる。健二はもはや意識があるのかないのか分からないほど乱れ悶え、そのオーバーキルのパイズリで体を暴れさせるだけだった。
(あ~、いいッスね~。この眺め、最高ッス)
この情けなくも大好きな男子のイキ狂っている様を脳裏に刻みつけようと、姫華はさらに過激にパイズリを繰り返していく。競技場にはおっぱいが男の象徴を殴打する音と、男の獣じみた悲鳴、そして敗北の射精によってマットに精子が打ち付ける音だけが響いた。
*
最後の試合が終わった後。
競技場のマットの上で、姫華が健二を膝枕していた。
ムチムチの褐色太ももの上に、健二の頭が乗せられている。姫華は女の子座りをしながら、ようやく意識を取り戻した健二と最後の会話を楽しんでいるところだった。
「いやー、最後に勝ち越されちまったな」
健二が吹っ切れたように言った。
今も立ち上がることもできず、後輩女子の太ももの上で膝枕をされているというのに、悔しがったり、屈辱を感じたりしている様子は一切なかった。そんなところにも健二の偉大さを感じて、姫華の胸は熱くなった。
「あ、そうか、これでウチの101勝100敗なんッスね」
「そうだよ。つっても、年越してから俺はほとんど勝ててなかったし、ここ最近はぼろ負け続きだったから、時間の問題だったんだけどな」
達観した視線で遠くを見つめる健二だった。
そんな先輩に対して姫華は何かお返しがしたいと、そんな思いが胸にあふれかえってきた。
「これも健二先輩がウチを鍛えてくれたおかげッスよ。ありがとうございます」
「なんだよおい。今日はずいぶん殊勝な態度だな。いつもは「センパ~イ、ウチのおっぱいは気持ちよかったッスか~?」とか言って、俺のことからかってくるのに」
「そ、それは申し訳ないというか、若気の至りというか、健二先輩のこと射精させることができて舞い上がってたっていうか、とにかくごめんなさいッス」
自然と頭を下げた。
それと共に、姫華の口から言いたかった言葉が出てくる。
「健二先輩、BF学園残念でしたね」
「ん? ああ、そうだな。でも仕方ないよ。実力不足だ」
「……ウチの練習に最後まで付き合ってくれてたから、試験で満足な結果を残せなかったんじゃないんッスか?」
それこそが姫華が思い悩んでいたことだった。
健二はBF学園の入学試験前日も姫華の練習に付き合ってくれた。いつものようにパイズリ練習をして、男の限界を越えた射精を繰り返していたのだ。姫華のパイズリは完成間近であって、一日でも練習を空ければ全てはご破算になる。そう健二が強硬に主張して、連日、姫華のパイズリ練習に付き合ってくれたのだった。
そのせいで、健二の一物は明らかに強度を欠いていた。おっぱいに挿乳した時だって健二の一物はフニャフニャのままだったのだ。そんな状態でBF学園の試験に受かるはずがない。姫華は健二が合格できなかったのは自分のせいだと、そう思い悩んでいた。
「おい姫華。なんて顔をしてんだ」
「健二先輩」
「これは俺の実力の問題だよ。お前が気にすることはない」
「で、でも」
「それに、BF学園には入れなかったが、俺がいく富士見ヶ丘学校にもバトルファック部はあるんだ。見学に行ったら、熱心に指導してくれる先輩もいるようだから、俺はそこでがんばるよ」
こんな状態でも励ましてくれる健二を見て、姫華はいつまでもクヨクヨしていては仕方ないと思った。
自分はギャルなのだ。ギャルがメソメソしているのは厳禁だった。姫華は屈託なく笑った。
「健二先輩なら、どこでだって強くなれるッスよ。ウチが保証するッス」
「おいおい、いきなり上から目線かよ」
「そうッスよ。なんてったって、ウチは健二先輩に勝ち越してるんッスからね。そんな最強の巨乳バトルファッカーがお墨付きを与えてるんッスから、先輩は大丈夫です」
姫華は無意識に健二の頭を撫で始めた。
太ももの上に乗っかっているジャガイモ顔の頭を慈愛をこめて撫でる。それによって健二の顔が心地よさそうに緩むのを見て、寂しさと穏やかな気持ちが混ぜあったなんとも言えない感情が姫華の心の中に渦巻いていく。それを吹っ切るようにして、姫華は言った。
「健二先輩、卒業、おめでとうございます」
つづく