町田の奴隷としての日々が始まってから月日が経過していった。

 町田としては、千鶴に仕えるために、自分の全てを捧げていた。

 一番の仕事は、千鶴の食事管理だった。

 夏休みの間、千鶴と一緒に住んでいたときに分かったこと。それは、千鶴がアスリートとしてはあるまじき食事で満足しており、栄養的には全く不十分であることだった。

 だからこそ町田は、朝と晩、彼女のマンションに通い、さらには昼食のために弁当の準備までする熱心さだった。


「うわあ、おいしいよ、弘樹くん」


 千鶴はそう言って、満面の笑みで大量に並べられた食材を胃の中に落としこんでいった。

 その食べっぷりは見ていて嬉しくなるほどで、町田はますます彼女のために奉仕しようと必死に努力していった。

 そのかいもあってか、千鶴の体はすくすくと成長していった。

 胸もさらに大きくなり、極めつけは身長だった。

 女性の平均身長くらいしかなかった体が大きくなっていき、その強靱さをさらに増していった。

 その成長速度はちょっと信じられないほどだった。これまでの食事がいかにいい加減だったのかを物語るかのように、千鶴は成長していった。

 その様子を脇で見ていた町田は、彼女の生物としての格の違いを見せつけられるようで、諦めにも似た絶望感を千鶴の肉体に対して感じていた。


 *


「うふふ、わたしの体、すっごく成長してるよ」


 千鶴もその成長を実感しているようだった。

 マンションの中。

 夕ご飯が終わったリビング。

 そこで彼女は下着姿になって、自慢の体を町田に見せつけていた。


「ねえねえ、もうすっかり、私のほうが身長高くなっちゃったね」


 千鶴が目の前の町田を見下ろしながら言った。

 言葉どおり、千鶴は町田よりも背が高くなっていた。

 女性の平均身長ほどであった千鶴の身長はグングンと成長し、今では町田よりも大きな体になっている。

 見下ろされる形となった町田は、彼女の顔を見上げながらも、その下の大きく実った巨乳をチラ見することをどうしても我慢することができなかった。

 そんな視線にはとっくに気づいている千鶴が、ふふっと笑って言った。


「胸も大きくなって、肩がこっちゃって困るよ。ほら、こんなにさ」


 彼女は大きな胸を両手で挟み込んでぐいっと谷間を強調した。

 町田の目の前で爆乳が音をたてるようにぐんにゃりと歪曲し、もはや町田はその巨乳を凝視することしかできなくなった。


「ふふっ、これもぜんぶ、弘樹くんがご飯つくってくれるからだね。ありがとう、弘樹くん」


 ぐいっぐいっと、千鶴が何度も谷間を強調させながら言った。

 町田は千鶴の言葉すら頭に入ってこないほどに、目の前の大きな胸に心を奪われてしまっていた。


「でもさあ」


 千鶴が嗜虐的な笑みで言う。

 そのねっとりとした口調に、ハっと町田が視線をあげた。


「弘樹くんは私に毎日ご飯つくってくれてさあ、そのおかげで私はこんなに成長できたけど、それは、それだけ君と私の差がまた開いたってことだよね?」


 千鶴が町田の頭の上に手をやった。

 上から押さえつけるように、その長身を活かして、ぐりぐりと町田の頭のてっぺんを蹂躙する。


「私と同じもの食べてるのに、町田くんはぜんぜん身長も伸びないしさ。体だって大きくならない。私と一緒に女子ソフト部で練習してるのにね」


 ふふっと笑う。

 彼女は下をむいて嗚咽をもらし始めた町田に気づくと、さらに獰猛に笑った。

 そして、町田の下顎をつかむと、ぐいっと上をむかせ、その負け犬の顔を見下ろす。


「おチビちゃん。なんとか言ったらどうなの?」

「あ、あああああ」

「男のくせに力でも身長でも女の私に勝てないの情けなく思わないのかなー。もう、私に勝てるものなんて何もないよね」

「う、ううううッッ」

「こんなんじゃ、いつまでたっても奴隷のままだよ? それでもいいのかな」

「・・・・・・ううううう」

「なんとか言いなよ、チビ」


 ぺっと、千鶴が町田の顔に唾を吐きかけた。

 その唾液が正確に町田の額に命中すると、それがずるずると流れ落ちて町田の鼻まで垂れてくる。

 その匂いを嗅ぎ、しかも今もなお見下ろしてくる冷徹な千鶴の視線に貫かれた町田はすぐに限界を迎えた。



「イっちゃうううううう!!」


 どぴゅっ、どぴゅぴゅううッ!!


 射精した。

 下半身には全く触れられていないのに、町田は下半身から盛大に白い液体をまきちらす。

 それは日頃の千鶴の調教の成果だった。屈辱で射精できる体に改造してからというもの、千鶴は言葉一つ、時には視線一つだけで町田を射精に追い込むことができるようになっていた。


「ふふっ、たくさんイったね」


 千鶴が言った。

 ハアハアと悶えている町田の頭を今度は慈愛たっぷりに撫で始める。


「無様で、可愛くて、とってもステキ。ふふっ、食べちゃいたいくらい」


 そう言って、千鶴はブラジャーをはずした。

 ぼろんと大きな果実がこぼれ落ちる。

 町田の瞳が釘付けになって、まるでエサを目の前にした腹をすかした犬のようになった。

 そのまま千鶴は、大きな胸の中に町田の顔面を拘束して、ぎゅうううっと力いっぱい抱きしめた。


「誰にも渡さないよ。ぜったいに誰にも」


 うめき声と酸欠の恐怖に苦しむ町田には無頓着に、千鶴が大事な玩具を離さない子供のように町田のことを抱きしめる。

 我を忘れたような千鶴の行動は、町田が窒息して気絶し、ぶくぶくと泡をふくまで終わらなかった。


 *


 続いていく。

 千鶴の調教は続いていく。

 朝と夜。

 学校にいる間。

 放課後の部活中。

 その全てで千鶴は自分の魅力とたぐいまれな身体能力で、町田のことを徹底的に調教していった。

 野球の試合で結果を残せなかった町田のことを首四の字固めで夜通し気絶させて責め苦しめた。

 テストの点数で勝負をして当然のように千鶴に勝てなかった町田を大きな尻の下に敷いて座布団にして何時間も息継ぎをさせながら気絶を許さず窒息すれすれで押しつぶした。

 その成果はみるみるうちに現れた。

 千鶴には勝てないことを骨の髄まで教え込まれた町田は、それでもなんとか千鶴に捨てられないように必死の努力を続けた。

 勉学でも野球でも。

 そして日々の調教はもちろんのこと、彼女の食事の準備や身の回りのお世話に明け暮れた。

 町田にとって、千鶴の役にたてることが何よりの喜びだった。

 たまに誉められて、足で頭を撫でられると、天にものぼる気持ちだった。

 町田はさらに努力を重ね、栄養学の本を読んだり、部活が休みの休日に料理教室に通うなどしてただひたすらに千鶴のことだけを考えて必死に日々を送っていた。


 *


 月日がさらに流れた。

 3年生の夏が終わり、秋が訪れた。

 部活はすでに最後の大会を終え、千鶴たちは受験勉強をしながら、学校生活を送っていた。

 千鶴と町田の関係にも、若干の変化が訪れていた。


「だ、だめだよ千鶴ちゃん。遅れちゃうから」


 町田が怯えたように言った。

 朝。

 いつものように千鶴の朝ご飯の準備をして一緒に食べ終え、学校に向かう準備を整えた玄関でのことだった。


「もうちょっとだけだから、ね?」

「あ、だ、だめええムッグウウ」


 町田の抗議の声を千鶴が唇で奪った。

 そのまま、長い舌を町田の口内に侵入させると、めちゃくちゃに蹂躙し始める。

 肉厚の長い舌が町田の舌を捕食するように舐めとり、高速で小刻みに動きながらさらに責めていく。


「じゅるるッ! ジュパっ、ジュジュっ!」

「・・・・アハアンン・・・・ひい・・・あ・・・・・」


 千鶴のディープキスの音と、町田のあえぎ声しかなくなって、さらにそれが続いた。

 千鶴は逃げようとする町田をがっしりと片手で抱き込み拘束し、身動きがとれないようにしていた。そのせいで町田は体をよじらせて快楽を逃がすこともできずに、千鶴の舌の技巧を前にしてなすすべもなかった。

 身長差。

 成長した千鶴と町田の体格では、まるで肉食獣が草食動物を上からまたがって捕食しているような光景に見えた。

 髪が伸び、大人っぽさも兼ね備えてきた千鶴。

 その美人ぶりはさらに増し、胸も制服の上からでも分かるほどに大きくなっている。そのせいもあって、学校の中での千鶴の人気は高まりっぱなしだった。

 何人もの男子たちが彼女に告白し、無惨にも散っていった。

 断られた男子は彼女に「付き合っている奴がいるのか」と質問するのだが、当初、それを明確に否定していた千鶴。

 しかし、3年生の野球部の最後の大会が終わったあたりから、千鶴の返答に若干の変化が訪れた。

 付き合っているような人はいる。

 千鶴は告白してきた相手に対して、嬉しそうにそう宣言するようになっていた。


「ふふっ、弘樹くん、ちっともキスうまくならないね」


 千鶴がディープキスをいったん中止させ、町田の首に自身の両腕をからませながら、至近距離で声をかけた。

 千鶴と町田の口と口には、涎でできた橋がねっとりと繋がっている。町田は早くも息も絶え絶えといった様子で、千鶴のなすがままになっていた。


「野球部の最後の大会でベスト4までいって、そのご褒美で奴隷兼恋人に格上げしてあげたのに。それから、ぜんぜんからっきしだね」

「あ、あああ・・・・ひい・・・・・」

「奴隷兼恋人になってから、毎日毎日、キスしてるのに、弘樹くんったらいつまでも下手なままでさ。私の舌で虐められるだけ。こんなんじゃ、恋人とはいえないんじゃないかな」


 その言葉のとおり、千鶴は毎日のようにヒマさえあれば町田の唇を奪っていた。

 千鶴にとって奴隷とキスをするつもりはなかったらしく、彼女は町田を奴隷兼恋人に格上げするまで、まったくキスをしていなかった。

 その鬱憤をはらすかのように、町田を奴隷兼恋人にして以降、彼女は朝だろうが夜だろうが、学校の休み時間ですら町田の口内に舌を侵入させ蹂躙し続けていた。

 そのかいもあって、千鶴は町田の弱いところを全て把握するに至っていた。手加減をしながら、ねっとりとその弱点を一つ一つ責めて町田を悶え苦しめ、酸欠になるまで唇を奪い続ける。

 もはや町田にとって、自分の口内は千鶴の舌に犯されるだけの存在になっていた。


「今も喘ぎ声をあげるだけでさ。舌も動かせないでされるがまま。そんなんじゃ恋人失格だよね」

「・・・・あ・・・・ああああ・・・・・」

「ほら、がんばって舌動かしてみなよ。がんばらないと、また専属奴隷に戻すよ? どうなの?」


 そんな気は全くない千鶴は、町田の絶望した顔を見たいがために冷たく宣言した。

 効果はてきめんで、眉を下げて負け犬の顔になった男がいやいやをするように顔を左右に大きく降り始める。

 その情けない様子が千鶴にとってはツボで、彼女の子宮がキュンと疼いた。


「ほら、じゃあ弘樹くんからキスしてよ。私は舌動かさないからさ」


 千鶴が目をつぶって口を前につきだした。

 町田は恋人のままでいたい一心で、彼女の唇に自分の唇を重ねると、蹂躙されてぷるぷる震える舌を千鶴の口内に侵入させる。

 そして、たどたどしい動きで千鶴の舌を舐めていった。

 慣れていないのは明らかで、口を大きくあけてフガフガと滑稽に舌を動かすことしかできない町田。

 10秒、20秒、30秒。

 時間だけがたっていき、町田はだんだんと自信を失っていった。涙目になり、困惑で表情がこわばっていく。

 千鶴に犯されるときには何度も喘ぎ声を漏らされていたのに、自分がこうして責める番になると、何もかもがうまくいかなかった。

 千鶴は自分のキスに平然としたまま、目をつぶるだけだ。

 彼女に快感を感じさせられていないという焦りが募り、少しづつ舌に力がなくなっていく。最後には、ぷるぷると震える舌が申し訳ない程度に動いているだけになった。


「なにそれ?」


 千鶴が冷たく言い放った。

 閉じられていた瞳は大きく見開かれ、自分の唇にすがりついている矮小な男を見下ろしている。


「ぜんぜん気持ちよくないんだけど。最初、ナメクジでも這ってきているのかなって思ったよ。不快。気持ち悪い」

「あ、あああ・・・・・あああ・・・・・」

「情けないと思わないの? 自分の彼女を気持ちよくできなくてさ。それでも男なのかな」

「ひい・・・・すみません・・・・・がんばるから・・・・もっと、がんばりますから」

「いいよもう。手本見せてあげる」

「むっぐうううう!!」


 千鶴が勢いよく町田の唇を奪った。

 そのままじゅるじゅると、大きな舌を矮小な舌に絡ませて蹂躙する。

 もはや手加減一つ、容赦一つなかった。

 千鶴はこれまで把握してきた町田の弱いところを絨毯爆撃するが如く苛烈に責め立てていった。千鶴の肉厚な唇が町田の小さな唇を捕らえて離さず、ひたすら激しく責めたてる。

 すぐに町田はあまりの快感と激しさからくる息苦しさのために脱力してしまった。

 いやいやをするように弱々しく抵抗じみたことはするのだが、それは千鶴が片手でがっしりと拘束して身動きをとれなくしてしまう。

 結果として、町田はなすがままになってしまった。

 千鶴が満足するまで永遠に終わらないディープキス。そして、それが終わる気配はいっこうに訪れなかった。


「ジュルルルッ! じゅぱッ! じゅじゅ!」

「ひいいん・・・・アアン・・・・・ンンっ!」


 唾液音と男の喘ぎ声だけが響きわたる。

 千鶴は目を開いて冷徹に町田の姿を観察している。

 目を閉じてされるがままになっている町田の様子を観察しながら、じっくりと激しく、ひたすら快感を送りこんでいく。

 千鶴の口から大量の唾液が町田の口内に流しこまれ、それを町田がなんとか飲み干そうとするのだがそれもかなわず、彼の口からは大量の涎がこぼれ落ちて、制服を汚していた。

 そんな散々な目にあいながらも、町田はもはや抵抗すらできなかった。

 快感と息苦しさでブルブルと体が痙攣し、それを千鶴の片手で押さえ込まれてさらに悶絶する。

 限界はすぐに訪れた。


「いきゅうううううう!」


 ドピュッ! どぴゅうううッ!


 町田の体が弓なりになるほど痙攣して射精した。

 下半身にはいっさいの刺激はなかったにもかかわらず、千鶴は町田のことをディープキスだけで追い込み、射精させてしまったのだ。

 大量の白い液体が町田の下半身を汚していく。

 体はビクンビクンと陸にあがった魚のように痙攣するのだがそれすらも千鶴によって封殺されてしまった。

 射精が終わり、町田の痙攣も止んだ。しかし、千鶴の責めは終わらなかった。


 ジュルルルッ! じゅぱじゅぱッ!


「あひいいいいい!!」


 再び容赦のないディープキスが始まった。

 さきほどと同様かそれよりも激しく、ひたすらに町田の口内を犯し始める。

 町田が抗議の言葉を口にしようとするのだが、それも千鶴の舌によって力付くで奪われてしまう。


「・・・・・・・・・・・・・・・・」


 無言のまま千鶴は、冷徹な眼で町田を観察しながら舌を動かし続けていく。

 町田が何度射精しようが許すことなく。

 町田が許しを懇願しても許すことなく。

 情けない男を調教するように、千鶴は情け容赦なく町田をディープキスで犯していった。


 *


「ぷはあ!」


 ようやく千鶴の唇が町田から離れた。

 大量の涎の橋が千鶴と町田の唇を繋げていて、ねっとりとしたその様子はどこまでも扇情的だった。

 顔を赤らめて満足そうに笑った千鶴が、その成果物を鑑賞するように、自分の腕の中でぐったりとしている町田の顔を見下ろした。


「ふふっ、すごい顔になっちゃったね、弘樹くん」


 ぐったりと力を失っている町田に向かって問いかけた。

 そこには白目を剥き、ぶくぶくと口から泡を吹いて気絶している町田の姿があった。

 唇は半開きのまま脱力して開きっぱなしで、そこから舌が飛び出ている。

 顔中が涎で汚れてしまっていて、どんなにレイプされてもここまでひどい姿にはならないだろうという有り様だった。


「ちょっとやりすぎちゃったかな。さすがに、気絶してからも4、5回射精させるのはダメだったかも。ごめんね弘樹くん。生きてる?」


 虫の息でカヒューカヒューとか細い呼吸しかしていない町田を見下ろしながら千鶴が言った。

 彼女は、途中から自分で立つこともできなくなった町田のことを優しく抱きしめながら、その情けない顔を凝視している。

 そのぼろ雑巾のような様子がどこまでも愛おしく思える千鶴は、自分を抑えるのに必死な様子で、頬を赤らめて物欲しそうに町田を見下ろし続けるのだった。


「あ・・・・・・ご、ごめ・・・・・・」


 町田の口から声がもれた。

 まだ町田は白目をむいたままで、気絶している。だからその言葉は寝言に近いものに過ぎなかった。


「ん? どうしたの弘樹くん?」


 それでも優しく町田の口元に耳をもっていき、彼の言葉を一つも聞き漏らさないようにしようとする千鶴。

 そんな狂信的なまでの愛を体言する彼女にむかって、町田の口からうわ言のような言葉が漏れた。


「がんばるから・・・・・もっとがんばるから・・・・・捨てないでェ・・・・捨てちゃやだあ・・・・・お願い・・・・・千鶴ちゃん・・・・・・大好き・・・・・」


 その言葉に千鶴の体に電流が走った。

 ボンと顔が赤くなり、体をもじもじとさせ始める。

 町田の顔をトロンとした瞳で見下ろし、顔を左右に振った後、ようやく言葉が口からでてきた。


「なにそれ、弘樹くん。誘ってるの? ねえ、誘ってるでしょ? そうだよね?」


 千鶴が自分を抑えられない獣のようにその体中から色気を振りまき出した。


「私みたいな女の子に、そんな言葉口にしたらダメだってことくらい、弘樹くんにも分かるよね? そんな可愛いこと私に言ったら自分がどうされちゃうか分かってるよね?」


 千鶴がフウフウと鼻息を荒くしながら続けた。


「ああ、ダメ。もう無理。我慢の限界」


 言うと千鶴は抱きしめていた町田のことをお姫様抱っこして拘束した。

 軽々と持ち上げて腕の中で抱きしめた町田の感触に千鶴はさらにうっとりとしてしまう。弱々しく、今も快感の余韻でピクピク震えている男の子がどこまでも愛しかった。


「今日は学校休んで、一日中SEXしよう」


 宣言するように千鶴が言った。


「たあっぷり犯してあげる。もうだいぶ射精したけど安心して。もうでなくなって勃たなくなったら、乳首と前立腺で雌イキさせまくるから。匂いで気絶するくらいまで感度をあげて責めまくる。喉がかれるまで悲鳴をあげさせて、命乞いしてきても絶対に許さない。徹底的に犯す」


 自分で自分の言葉に興奮しながら、そのとおりにしようと千鶴は心に決めていた。

 彼女はそのまま奴隷兼恋人の男をお姫様抱っこしながら、寝室のほうへと歩いていった。二人ぶんの人間の体重がフローリングを軋ませる音が死刑宣告前のカウントダウンのように響きわたっていく。


「わたしも大好きだよ、弘樹くん」


 そう言って、千鶴は自分の腕の中で無防備に気絶したままの町田の頬にむかって、優しく口づけをする。

 自分がどんな目にあわされるかも分かっていない男は、その優しげな感触に心地よさそうな寝顔になって千鶴の体にすり寄っていった。

 その日、町田の悲鳴が一日中響きわたることになるのだが、それはもはやいつもと変わらない日常に過ぎなかった。

 彼女と彼はこれからも二人だけにしか分からない世界で関係を深めていく。

 そこに他人が入り込む隙は微塵もなかった。


 完