翌日、町田は罪悪感に悶えていた。

 年下の女の子の胸にいきなり顔を押しつける。

 その上、すうはああっと、力一杯鼻から息を吸い、彼女の匂いを堪能する。

 そんな痴態を自分がしてしまったのかと思うと、町田は羞恥心と罪悪感でどうにかなってしまいそうだった。

 まして、自分には千鶴という得難い存在があるのだ。

 自分の大好きな女の子。

 千鶴の存在があったからこそ、彩華の残酷なまでの調教に耐えることができた。

 それなのに、ほかの女の子に欲情して、あんな恥ずかしいことをしてしまうなんて。


「あああ! ああああ!」


 町田はベットの上で頭を抱えて悶えるだけだった。

 そんな罪悪感を感じながらも、町田は、昨日の優子の胸の大きさや感触、そして頭が麻痺したようになる匂いが頭を離れなかった。

 日中、何度も何度もその感触を思い出してしまい、とたんに勃起してしまう自分の分身を抱えながら、町田は悶々と過ごしていた。


 *


「それでは、町田先輩、いきましょうか」


 夜、練習終わりの優子が、約束どおり病室に現れた。

 制服姿。

 薄手の服から盛り上がるその大きな胸に、町田は一瞬、視線も意識も刈り取られて、凝視してしまった。


「ああ、うん。よろしくね」


 なんとか、優子の胸から視線を外して町田が言った。


「はい。車を待たせていますから、急ぎましょうか」


 そう言うと、優子は、町田の着替えなどが入ったバックを手に取った。

 男の町田からしても重いそのバックを、優子は軽々と持って、軽快に歩いていく。

 町田は、優子の横を歩きながら、ちらちらと横目で、歩くたびに揺れる大きな胸を見つめてしまった。


(いけない、本当にいけないのに)


 そんな罪悪感に悶えながら、町田は優子についていった。

 玄関に止められていたBMWの車に乗って、10分ほど走る。

 とくに会話はなく、それでいて気詰まりというわけではない雰囲気の中、車は走り、そして目的地に到着した。

 昔からこの土地に住んでいる人たちが暮らす町の一角だった。

 そこ一角を、まるで武家屋敷のように塀と門扉が囲んでいる。

 中に入ってもその敷地の大きさが嫌が応でも感じられる。

 建物自体もいくつかあって、そのどれもが、そこらにある家とは比べモノにならないほどの大きさと豪華さをほこっていた。

 そのうちの新築のような新しい西洋風の家。

 その前で車は停まった。


「着きましたよ、先輩」


 隣に座る優子が言った。


「まずは、家の中を案内しますので。10日間、自分の家だと思って、気楽に過ごしてくださいね」

「う、うん・・・・・・・」


 町田は、場違いな場所にいるような気持ちを感じながら、優子の後についていった。

 もう二度と戻れない奈落のそこへ。

 女王蜘蛛のつくった巣に。

 サキュバスの巣に、町田はからめとられてしまったのだった。


 *


 一通り、家の中を案内され、町田はその大きさにびっくりした。

 なによりも、部屋の数が多く、その広さも段違いだった。

 優子に聞けば、客間だという。なんでもここは東條家の本家にあたるとのことで、全国に散らばった親戚筋が集まることもあるそうで、そのための部屋とのことだった。

 その一つ一つがとても大きく、そして豪華なつくりだった。

 優子の父と兄にも紹介された。

 二人とも、優しげで穏和な顔立ちをした美形だった。

 突然降ってわいたような町田のことも、穏やかな表情をもって出迎えてくれた。気にすることないから、いつまでだっていてもらってかまわないと、そう言ってくれた。

 町田は恐縮して、感謝の気持ちを伝えることしかできなかった。


「それにしても、すごいな」


 町田は、案内された自分の部屋の中で、一人、呆然としていた。

 ぐるりと部屋を見渡してみる。

 4人は一緒に寝れるのではないかというベットがあり、大の大人が寝そべることができるほど大きな机がある。さらにはクローゼットもどこかの貴族が出てくる映画のセットみたいに古風なもので、とにかく町田にとっては未知の体験だった。

 町田は、その豪華さと広さに、戸惑い、本当にここにいていいのだろうかと、混乱の度合いを強めていく。

 ためしにボスンとベットに横たわってみる。

 衝撃が吸収されて、まるで体がベットに吸い込まれるような一体感が生まれる。

 これならすぐに眠りに落ちてしまうなと、町田はそんなことを思った。


「いけない。優子さんの部屋に行くんだった」


 この部屋に案内されたとき、優子に言われたのだった。

 少し休憩してから、優子の部屋に来てほしいと。

 彼女を待たせるわけにはいかないから、早くいくべきだろう。

 町田はベットから起き上がり、優子の待つ部屋へと向かった。

 サキュバスの待つ部屋へと。

 町田は無防備にも行くことにしてしまったのだった。


 *


「町田先輩、お待ちしてました」


 優子の部屋の中。

 その部屋の主は、天使の笑顔をもって、町田のことを出迎えてくれた。


「う、うわ」


 町田は驚きの声をあげてしまった。

 それは部屋の中の豪華さに、ではない。

 優子の姿に対しての驚きだった。


(で、でかい!)


 町田を出迎えてくれた優子は部屋着だった。

 ずいぶんとラフな格好に見えた。

 下はショートパンツ。むっちりと伸びる脚と、靴下をはかずにむき出しにされた足がまぶしいほどの魅力をもっている。

 上は胸元が大きくあいた薄地のシャツ。

 そのせいで彼女の大きな胸の線が、より強調されるようになってしまっている。

 少しかがんだだけで、その谷間が、いっそうけわしいものとなり、視線が自然と吸い込まれてしまう。


「どうしました、先輩」


 優子が、町田と視線をあわせるために前かがみになって声をかけてきた。

 ぐにゅっと変形した爆乳に一瞬目を奪われた町田は、なんとか視線をはずし、なんでもないよと答えるしかなかった。

 それでも、彼の視線は、時折、優子の胸元にやられ、どぎまぎしながらその光景を見つめていた。


「それでは、ここに座ってください」


 優子が部屋のかたすみに置かれた、イスに町田を案内した。

 小さなテーブルがあり、そのかたわらに二つのイスがあった。

 その一つに腰かけた町田は、対面に座った優子が切り出すのを聞いた。


「それで、この家での決まり事なんですが」

「決まり事?」

「ええ。といっても、そんなに大げさなものではありません。最低限のルールというか、わたし達家族が日頃暮らすうえでのルールですかね」


 優子が天使の笑顔で、


「申し訳ないんですが、この最低限の決まり事を、町田先輩にも守ってもらいたいんです。よろしいですか?」


 そんな言葉に、町田の答えは決まっていた。


「もちろんだよ。だって、無理をいって優子さんの家に泊めてもらうんだからさ。どんなルールだって、しっかり守るよ」

「そうですか。よかったです」


 うれしそうに笑う優子だった。

 ほがらに微笑む彼女を見ていると、町田も胸が暖かくなるのを感じた。

 さきほどから、頭が麻痺したようなほんわかとした気分になっているし、いい匂いがした。


「それで、ルールなんですけど」


 優子が言った。


「男の人は、自慰行為は禁止です」

「ん?」


 優子の言葉がうまく聞き取れなかったらしい。

 町田は、優子の顔を見上げてみる。

 そこには天使のような笑みを浮かべた女性がいて、まさかさきほど自分が聞いた卑猥な言葉を言うとは思えない。


「優子さん、ごめん。うまく聞き取れなかった。なんだって?」

「ですから、男性はオナニー禁止なんです」

「・・・・・・・・・・え?」


 驚きの表情が出ていたのだろう。

 優子が取り直すように言った。


「急にすみません。でも、この家での決まりなんです。父も兄も、この家では自慰行為は禁止されています。そういう家訓、ですかね」

「か、家訓」

「そうです。変だと思われるでしょうが、それが東條家の家訓なんです」

「で、でもそれだと・・・・」


 性欲の処理はどうなるのだと、町田は疑問に思った。

 男なのだから、日頃、欲望を感じることはあり、それを発散させないことには、日々を悶々と過ごすことになる。

 そりゃあ、彼女や妻がいる男性は違うのだろうが、そんな存在がいない男は自分で慰めるしかない。

 それを禁止されてしまったら、どうなってしまうのか。

 それと、優子は、男性は禁止といった。

 なぜ、男性はという限定がつくのだろうか。

 そこに、町田は疑問に思うのだが、


「ダメですか、町田先輩」

「う」


 そんな純粋無垢な顔で聞かないでほしいと、町田は思った。

 こんな少女にむかって、「いや自分はオナニーがしたいんだ、この家で!」などとのたまうことができる男なんているはずがない。


「う、うん。わかったよ。ちゃんと従う」

「そうですか。よかったです」


 うれしそうに笑う優子だった。

 町田は、それでも、優子から言われた言葉に動揺していた。

 顔を赤くし、優子の口から自慰行為やオナニーという言葉が出てきたことに、興奮してしまっていたのだ。

 それを悟られないように、町田はテーブルに置かれたコップに手をやった。

 しかし、やはり動揺していたのだろう。

 町田の手がコップを掴み損ね、そのままコップを倒してしまった。


「あ!」


 液体が勢いよくこぼれ、それが、真正面に座っていた優子へと降りかかる。

 慌てても、もう遅く、びしゃっと、優子のTシャツに、お茶がかかってしまった。


「ご、ごめん!」


 町田が慌てたように言って、優子に駆け寄った。


「大丈夫です。気にしないでください」


 そんな慌てた様子の町田とは対照的に、優子は全く動じておらず、いつもの優しげな笑みを浮かべるだけだった。

 優子の上半身には、かなりの量のお茶がかかってしまっていた。

 胸元も同じで、優子の谷間から、水がぽたぽたと落ちてくるほどだ。

 ぴっちりとしたシャツはさらに密着度を増し、その爆乳の稜線を、迫力あるものに変えていた。

 町田はいけないと思っていながら、その胸に一瞬、視線が釘付けになった。


「な、なにかふくものを」

「大丈夫ですよ。着替えればすむだけですから」


 優子はやはり優しく言うのだった。

 慌てている町田を尻目に、優子がシャツの裾に手をかけた。

 え、と驚く町田。

 信じられないものを見る気持ちで、町田は、目の前の女の子が上着を脱いでいくのを見た。

 シャツの裾がゆっくりとあがっていき、彼女の陶器のような白いお腹が見え、そして、胸がブルンと弾むように現れて、町田の思考は停止した。

 上半身下着姿。

 大きな、大きな胸だった。

 まるで宝石のようだと、町田は優子の爆乳を凝視しながら思った。

 光輝いているように見えたからだ。

 なんというか、生命力に満ちあふれているというか、とんでもなく妖艶な曲線美なのに、どこか健康的な印象すら覚える。

 町田は、優子の視線には気づかず、彼女の胸に目を奪われ続けていた。


「先輩?」


 怪訝そうな優子の声。

 町田は顔をあげ、上半身を下着姿にした下級生の女の子を見上げた。


「あ、あ」


 そこで、町田は我に返り、背筋が凍った。


「ご、ごめん!」


 後ろを振り返り、ぎゅうっと目をつむる。

 まじまじと、穴が空くほど彼女のおっぱいを凝視していた自分に気づいて、罪悪感でいっぱいだった。

 羞恥のあまり、町田の顔は真っ赤にそまり、心臓がばくばくした。


「気にしないでください。というか、部室でも着替えをしていたと思うんですけど」

「いや、でも、」

「ふふっ、では着替えるので待っていてください」


 優子はあくまでもなんでもないように言った。

 年上の男子に裸を見られたにも関わらず、彼女には恥ずかしいという気持ちは微塵も感じていないらしい。

 そのことに、町田は屈辱を感じるのであるが、そんな気持ちを意識することができないほどに、彼の脳裏にはある光景が焼き付いていた。


(優子ちゃんの胸、やっぱり、でかい)


 さきほど、間近で見た彼女の生乳。

 その柔らかそうで、見るものを圧倒する大きさに、町田は心を奪われていた。

 あの巨乳に、自分は顔を埋めていたのだ。

 その匂いを肺一杯満たすほどに、あの谷間の中に顔を。

 今の彼女のおっぱい。

 下着姿の彼女の胸の中は、どれだけ心地よいのだろうか。

 顔に伝わる胸の感触。

 彼女の肌の感触が顔全体につたわって、そのトロケる柔らかさがダイレクトに伝わってくる。

 その悪魔のような感触に、町田は頭を支配されていた。

 もう一度。

 もう一度だけ。

 ちらっとだけ、彼女の胸を、

 町田は、うっすらと目をあけた。

 そのまま、ゆっくりと後ろを振り向いた。


「どうしました、先輩」


 こちらを観察していた優子と目があった。

 ドクンと心臓が高鳴り、血の気がひいた。

 彼女はいつものようにこちらを天使の笑顔で見つめていた。

 そんな彼女に、町田は自分の醜態をさらすしかなかった。

 下級生の女の子が着替えている姿を、ちらっと盗み見ようとしていた。

 その事実が、町田の頭の中で、ようやく実感として現れていた。


「やっぱり、男の子は、胸が好きなんですね」


 優子が言った。

 上半身下着姿のままで。

 あの悪魔のような巨乳を誇示するかのように。


「私なんかには、ただの重いだけの脂肪の塊みたいに思うんですけど、なにがそんなにいいんでしょうね」


 不思議です、と、優子は自分の爆乳を、両手で左右から押しつぶした。

 その谷間がムニュウっと、暴力的なまでに変形し、それを直視した町田の頭に電流が走った。

 彼の下半身は強制的に最大限まで堅くなり、前かがみになってしまう。


「ほら、正面をむいて、じっくり見ていいんですよ?」

「う、あ」


 優子に命じられるままに、町田は優子のほうにむきなおった。

 デニムのミニパンツに、上半身はブラジャーをつけているだけの裸。

 そして、その大きな胸。

 大きな、大きな、胸。

 町田は優子から言われるがまま、下級生の女子のおっぱいに心を奪われてしまっていた。


「ふふっ」


 笑って、優子が歩いてくる。

 そのたびに、ぷるうん、ぷるうんと爆乳が揺れる。

 優子はぴたっと、町田の目の前でとまった。

 至近距離だ。

 身長差から、町田の顔の目の前には、優子の胸が大迫力で迫っている。

 優子の甘い匂いが、まじまじと感じられる距離。あと、一歩歩けば、その豊満な谷間の中に顔面が埋もれる、そんな距離だ。

 優子はそこで、ぐいっと胸を前に突き出し、おっぱいという名の凶器を町田にちらつかせながら言った。


「最近も、また大きくなって困ってしまっているんです」


 ふふっと笑って、


「106センチ。Jカップになっちゃいました」


 彼女はいつもの天使の笑顔で、


「町田先輩がしたいこと、してもいいですよ?」

「え」

「そんなにじっくり凝視して、町田先輩が私の胸を大好きなことはとっくに気づいています。我慢しなくても、先輩のしたいことをして、かまわないんですよ」

「な、なにを」


 優子が、意味深な瞳で町田を見下ろす。

 そして彼女は、町田の耳元で、ささやくように、


「見ているだけでいいんですか」


 ドクン。

 町田の心臓が高鳴る。

 目の前の大きな、大きなおっぱい。

 そこに自分の顔を埋もれさせたら、

 あの甘い匂いと、極上の柔らかさを顔面全体で味わうことができたら、

 町田はごくっと唾を飲み込んだ。

 一瞬のためらい。

 脳裏に浮かんだ好意を向ける女の子。

 そんな町田を見下ろして、優子がくすっと笑った。

 そして、


「はい♪」


 優子がまたしても、ぐにゅっと、爆乳を両手で挟み込んだ。

 その曲線。

 目の前で、歪曲する大きな、おっぱい。

 町田は、頭に電流が走るのを感じた。


「う、うわああ、むううううう!!」


 猿のように、町田が優子の爆乳に突進した。

 顔面をその豊かな谷間に押しつけ、ぐりぐりと顔面をすりつけていく。

 年上の男性が、年下の女の子のおっぱいに屈服した瞬間だった。

 滑稽なほどの情けなさで、町田はぐりぐりと顔面を優子のおっぱいに押しつけ続けるのだった。


「ふふっ、おっぱいに負けちゃいましたね、先輩」


 自分の胸に顔をすりつけてくる男を見下ろしながら、優子が言った。

 その顔には、相変わらず天使の笑顔がある。

 しかし、その笑顔は、どこか悪魔めいても見えた。


「もっと堪能してください」


 ぎゅううううう!!


「むふうううう!!」


 優子が、町田の後頭部を抱きかかえ、自分の爆乳に押しつけた。

 町田の頭部が、完全に優子の胸の中に埋もれ、隠れてしまう。

 ぐんにゃりと変形した胸の感触を堪能する町田は、はやくも頭を溶かされてしまっていた。


(しゅ、しゅごいいいい。きもちいいいい!! 頭がとけちゃうううう!!)


 肉の中に、町田は恍惚として、目の前の感触にしか意識を集中できないでいた。

 頭の中には、いつの間にか、千鶴の姿は消え去ってしまっていた。


「ふふ、気持ちいですか、先輩」


 笑う優子。

 下着姿の女の子が、年上の男性をその胸に拘束し、胸の感触だけで骨抜きにしていた。


「今日はこのまま堪能させてあげます。でも、気をつけてくださいね」


 優子は笑って、


「こうされちゃった男の子は、すぐ頭が溶けてしまうみたいなんですよ。そうなったら・・・・・」


 優子は意味深に笑うと、さらに、ぎゅうううっと町田の頭部を抱きしめて、


「先輩も、気を強くもたないと、ほかの男の人みたいに、すぐおっぱい奴隷になっちゃいますよ?」


 ふふっ。

 優子が男の顔面を胸に押さえつけながら笑った。

 それはどこか、おっぱい奴隷になるのも時間の問題ですけど、とでも言うかのような笑顔だった。


「今日はこのままずっと、堪能させてあげますからね♪」


 町田は頭がトんでしまい、頭が溶かされていた。

 優子の甘い匂い。

 そして、爆乳の柔らかさ。

 それらに身も心も溶かされてしまい、町田は優子の胸に顔を埋もれさせながら、ゆっくりと意識を失っていった。

つづく