千鶴と町田の共同生活がスタートして1週間がたとうとしていた。
二人の生活は軌道にのり始めており、生活のルールというものができあがり始めていた。
それは、夫婦が徐々につくりあげていくルールのようだった。
女性が男性を犯すことが日常であるという、非日常をのぞけば・・・・・・・
「ほーら、絞まっていくよー」
「ひゃっぐえあああ!!」
千鶴の美脚の中に、町田の頭があった。
千鶴は居間のソファーに座り、脚を投げ出して、その脚の中に町田のことを永遠に挟みこんでいるのだ。
首四字固め。
ものの見事にきまっており、脱出は万が一にも不可能。
鍛えられながらも、柔らかさを失っていないムチムチの太ももの中に、町田はとらえられてしまっていた。
「はい、息継ぎの時間だよー。弘貴くん、いっぱい息を吸ってねー」
町田を脚の中に捕らえたまま千鶴が言う。
彼女は、とろんとした目つきで、苦痛に悶えている町田のことを見下ろしていた。
「ふふっ弘貴くん。命乞いしなよ。わたしを満足させることができれば、次の調教にうつってあげてもいいよ?」
「うう、あああ」
「ほら、情けなく命乞いしてよ。同級生の女の子に、心から命乞いするの。許してくださーい、って。ね?」
町田はそれを聞いて絶望にかられた。
千鶴の脚に顔面を挟み込まれた格好。町田は千鶴の逞しい脚の感触に苛まれながら、自分のことを見下ろして観察してくる千鶴のことを見上げていた。
この絶望感。
千鶴の家で過ごすことになってから、何度もこの感覚を得てきた町田は、たまらず口を開いていた。
「増田さん、もう・・・・もう許して」
「・・・・・・・・・・・」
「もう限界、です。やめてください。増田さん、お願い、お願いします」
涙声になりながらの心からの命乞い。
しかし、予想外にかえってきたのは、千鶴の冷たい視線と、女王様のように冷えきった声だった。
「弘貴くん、今、なんて言った?」
「え、あ」
「増田さん、って言った? ねえ、そう言ったよね」
「う、ああああ」
後悔したところで遅い。
千鶴は、さきほどまでとは比べものにならないほど力強く、町田の頭をつぶしにかかった。
バギベギイイッギ!!
ベガバギ、ぎゅううううう!!
「ッギャああ、アベエアあああ!!」
「弘貴くん、言ったよね。この家の中じゃ、まぎらわしいから「増田さん」っていう呼び方はやめてって。そう言ったよね」
「ヒギャアア!! アア、、ギャアッッ!!」
「こんな簡単な命令も守れない無能な脳味噌なら、このまま潰しちゃうよ?」
さきほどまでの調教が子供だましに思えるほどの調教。
町田の頭からは頭蓋骨が軋む音が響いてきて、目の前が真っ暗になる。
すでに、町田の頭部は完全に千鶴の太ももの中に埋もれてしまっていた。
そんな過激な調教の中で、町田は千鶴のことを「増田さん」と呼んだことを後悔し続けていた。
(ううう、ああああ・・・・千鶴さん、千鶴さん・・・・許してええええ!!)
声にならない命乞いをするがもう遅い。
怒り狂った千鶴がさらに町田を締め付ける。
普段は絶対に気絶させないように手加減をする千鶴であったが、怒りに我を忘れているのか、力のセーブがついていないようだった。
町田の目が白目になる。
ぶくぶくと口からは涎があふれ、体が陸にあがった魚のように痙攣し始める。
町田は千鶴の太ももの中で意識を失った。
夢の中で、彼は共同生活1日目のことを思い出していた。
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・
・・
「その増田さんっていうの、やめない?」
二人が夕食を共にしている時のことだった。
町田のたんせい込めてつくったご飯を食べながら、千鶴が言ったのだ。
「この家は「増田」さんたちが住んでいるんだよね。今はお母さんもお姉ちゃんもいないからいいんだけどさ、なんか、自分の家で「増田さん」って呼ばれると、違和感があるんだよ」
「え、でも、じゃあどう呼べば・・・・・」
「下の名前で呼んでよ」
「え?」
「千鶴ってさ、そう呼べばいいじゃん」
どきんとする町田だった。
そんな町田のことなんて気にもとめず、千鶴が続けた。
「わたしも町田くんのこと、弘貴くんって、下の名前で呼ぶからさ」
「う、あ」
「ね、言ってみて」
大好きな女の子の下の名前を言う。
それはちょっと恥ずかしくて、町田は散々ためらった。
ちらっと千鶴の顔を見上げては、すぐに下をむいてモジモジする。
最終的に、彼は顔を真っ赤にして、ぼそっと言った。
「ち、千鶴・・・・・・さん」
「弘貴くん、顔真っ赤だよ」
からかうような口調。
町田がはずかしそうに千鶴を見上げた。
千鶴の恍惚に染まった顔をみて、町田は戦慄した。
「ふふっ。じゃあ、しよっか?」
「な、なにを?」
「決まってるでしょ?」
昨日の続きだよ。
そう呟き、千鶴は町田を自分の胸に押しつぶした。その後、永遠と窒息責めをして、千鶴が町田を許したのは4時間後のことだった。
自我が崩壊するほどの苛烈な責め。
町田は、千鶴の巨乳の中で何度も気絶し、涙で千鶴の服をぐしょぐしょにしながら、その調教を甘受するしかなかったのだった。
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・
・・
「あ、起きた?」
意識を取り戻した町田は、千鶴の太ももの上で目覚めた。
膝枕の格好だ。
頭の下に柔らかいものを感じた町田は、うっとりとした瞳で、こちらをのぞきこんでくる千鶴のことを見上げた。
「ごめんごめん。ちょっと興奮しすぎちゃって、やりすぎちゃったよ。大丈夫だった、弘貴くん?」
「ち、千鶴さん」
「うん、その名前で呼ぶんだよ、これからは」
名前を呼べたことで、千鶴は「えらいえらい」と言いながら町田の頭を撫でた。
膝枕の甘い雰囲気の中、町田は、今自分がどんな立場にあるのか忘れて、千鶴のなすがままになっていた。
その報いは、すぐに受けることになった。
「それじゃあ、再開しようか」
にっこり笑顔の千鶴が言った。
町田は遅すぎではあったが、ようやく自分の置かれている状況に気づいた。
「ち、千鶴さん? 再開って、なにを?」
「決まってるでしょ。調教の続きだよ。さっきまでは脚で虐めてたからねー。ねえ、弘貴くん、次はどこで虐められたい?」
まるで恋人にどんな体位でセックスしようかと甘く問いかけるみたいに千鶴は言った。
その顔には恍惚とした表情が浮かんでいた。
「また、胸で虐めてあげよっか? それとも、久しぶりに、わたしのお尻で永遠押しつぶすとかどうかな。あ、それともそれとも、この前買ってきたプロレス入門書の技で虐めてあげよっか?」
「や、やめ・・・・・・・」
「ふふっ、楽しみだね、弘貴くん♪」
増田家の夜は長い。
それから日付が変わるまで、町田は千鶴から壮絶な調教を受けることになった。
涙も涎も枯れ果て、全身を犯しつくされてしまった町田。
マンションには、いつまでも町田の悲鳴と、千鶴の興奮した笑い声が響いていた。
つづく