七
大森さんからぱふぱふをくらって、僕は頭がおかしくなってしまった。
寝ても覚めても、頭に浮かんでくるのは、大森さんのおっぱいだけだった。
あの極上の感触。
そして頭がトんでしまう魔性のフェロモン。
それを思い出すだけで、僕は勃起し、興奮した猿になってしまった。
「このままじゃダメだ」
なんとかこの性欲を発散しなければならない。
なんとか……。
なんとかしないと。
「そうだ」
きづくと僕はノートに文章を書き殴り始めた。
最初は自分でもなにを書いているのか分からなかった。
A4ノートにびっしりと10枚ほど大きなおっぱいとその魔性のフェロモンについての描写が続く。
最初は箇条書きだった文章が少しづつ脈絡をもっていく。
すごいおっぱいをもっているのはヒロインの少女だった。
小柄で小動物じみた可愛い童顔の女の子。
彼女はバトルファック部に入部した期待の新入生である。
新入生歓迎試合で男子部員を全員射精させ、気絶に追い込んでしまったところから本格的な小説が始まった。
その対戦の描写だけでノート20枚が文字で埋まった。
圧勝。
男たちを支配する小柄な女の子。
新入生歓迎試合の後も、ヒロインは精力的にバトルファックの練習を続けた。毎日、部員たちを搾り取り、その頭をバカにさせていく。練習を出禁と言われても関係がない。そんなことを言ってくる体育教師を骨の随まで射精させて、気絶させる。
『先生ってこんなに弱かったんですね』
ヒロインがつぶやく。
その足元には普段偉そうにしている体育教師が全裸で土下座をしているのだ。
教師の後頭部を踏みつけにしたヒロインが宣言する。
『これから、このバトルファック部はわたしが支配します。いいですね』
『……うううッ』
『あーあ、泣いてしまいました。本当に情けない男ですね』
ぐりぐりと力強く体育教師の後頭部を踏み潰す。
『お前みたいなマゾは念入りに壊します』
ヒロインが土下座した体育教師の頭部をおっぱいの間に挟み込む。
抵抗しても無駄。すでにフェロモンで腰が抜けてしまっている体育教師は教え子のおっぱいの中で溺れ、びくんびくんと痙攣しては射精を繰り返していくだけになる。
『もっと息を吸え。このマゾ』
冷たい声が響く。
何時間も続く調教。
最後には魔性のフェロモンで体育教師を操り人形にしてしまい、バトルファック部を完全に掌握してしまった少女。彼女による練習は終わらない。毎日毎日、ヒロインが男たちを手玉にとっていく。
そんな小説を書いた。
きづいたら朝だった。
僕は徹夜で小説を書いていたのだ。
「朝か」
呆然とつぶやく。
小説を書きながらオナニーをしていたみたいで、ゴミ箱はティッシュで埋め尽くされていた。ノートは汚い字でびっしり埋まっている。そのほとんどが、ヒロインによる男子虐殺の描写か、ヒロインのおっぱいがいかにすばらしいかという描写だけだった。
「勢いにまかせた駄作だな。俺TUEEE感満載のラノベだ」
我にかえる。
ヒロインの造形は明らかに大森さんだった。
それが分かると無性に恥ずかしくなった。
こんなもの誰にも見せることはできない。
親に見られたら死あるのみだ。
「肌身はなさず、持ち歩いて、誰にも見られないようにしよう」
それしかないと思った。
それがどういう結果になるとも知らず、
僕はそのノートをカバンの中に放り込み、学校に向かうための準備を始めた。
*
毎日が過ぎていった。
文芸部で大森さんと本を読むだけの日々。
僕は彼女と一緒に過ごせば過ごすほどに、彼女のおっぱいに夢中になっていくのを感じていた。
それを隠し、他愛のない会話をすることができたのは、すべてノートに書き留めている小説のおかげだった。
大森さんをモデルにした小説を書いていると、自然と性欲を発散することができた。
小説の描写はどんどん過激になっていった。
ヒロインの少女(名前を小森桃恵という)は、そのおっぱいと魔性のフェロモンでバトルファック部の男子全員を操り人形にしてしまった。それにも飽き足らず、彼女はそのまま学校中の雄という雄の頭をバカにしてしまう。最後に残っていた校長先生をおっぱいで虐殺し、その人格を破壊してしまったところまで書き進めた。その時の描写は以下のとおりである。
□□□
小森は校長だった男を静かに見下ろしていた。
全校生徒の前で偉そうに説教話しをしていた初老の男性。
亭主関白で知られていて、いかにも男性優位な教育を受けていたであろうことが分かるその男が、今では小森の足元で額を地面にこすりつけて土下座をしているのだった。
「あひん……ひいん……」
しかも校長は悦んでいた。
少女の足元で土下座をして、性的な快楽を得ている。
それほどまでに調教されてしまったのだ。
それは、さきほどまでの、おっぱいによる虐殺の激しさを伺い知ることができる光景だった。
「校長先生、これからこの学校はわたしが支配します。いいですね?」
小森が静かに言った。
いつものように控え目―――それでいて貫禄たっぷりに静かな女王が言葉を続ける。
「女子優先の教育をしてもらいます。男子は女子の前に捧げられる生け贄に過ぎません。そのほうが、男子も悦ぶと思いますよ? 今の校長先生みたいに」
静かに笑った小森が、その脚を振り上げた。
短いスカートから伸びたムチムチの太もも。
上履きを履いたままの小さな足が、土下座を続ける初老の男性の後頭部を踏み潰した。
「嬉しいでしょ? 校長先生」
「はひいいいッ! 桃恵様あああああッ」
小森の名前を叫びながら、校長は射精した。
小柄な少女に踏みつけにされただけで、男は敗北の白い液体をびゅっびゅと校長室の床にまき散らかしていく。
そんな情けない虫けらを小森は余裕たっぷりの笑顔でもって鑑賞するのだった。
それは学校の支配を完了させた支配者の笑みだった。
●●●
「ヒロインがどんどんやべえ奴になっていく」
小説を書けば書くほどヒロインの暴走は続いた。
実際の大森さんとはくらべものにならないほど、そのヒロインは残酷だった。
この少女は男を虫けら程度にしか思っていないのかもしれない。
自分のおっぱいで男を骨抜きにして、その魔性のフェロモンで男たちを操り人形に変えてしまう。彼女はそれは積極的に行っていた。その技を行使し、男を壊すことに全く躊躇をしていないのだ。
「なんでこの子はこんなにも残酷なのだろう」
自分で書いた小説なのに作者の自分にも彼女の行動原理が分からなかった。
それがヒロインの魅力をさらに増しているように思えた。
今日も、大森さんのいない文芸部の部室で、ヒロインがバトルファック部の男子部員を玩具にして遊ぶ描写をノートに書きなぐっていた。
□□□
小森が両手で自分のおっぱいを挟みこんだ。
その乳肉がぐんにゃりと蠱惑的に潰れる。
それは明らかな脅迫行為だった。
そのおっぱいの迫力を前にして、先輩であるはずの長身イケメンの男は「ひい」と悲鳴をもらした。
「今からコレで貴方のことを壊します」
まるで今日の紅茶の産地でも伝えるかのように小森は言った。
静かに、微笑を浮かべて、小動物じみた捕食者が宣言する。
「わたしのフェロモン、どんどん強くなってるんです」
「ひゃ、ひゃめでえ」
「今これをくらったら、あなたは間違いなく壊れます。頭が完全にバグってしまって、もう戻ってこれません」
「ゆるじで……ゆるじでください」
「ほら、見えますか? この大きなおっぱいで貴方のことを壊すんです」
長身イケメンの泣きじゃくる命乞いに小森は全く聞く耳をもっていなかった。
彼女は泣きじゃくるイケメンの顔面間近まで、その凶悪おっぱいを近づけた。
男の顔面よりも明らかに大きな乳房が二つ、獲物を捕食しようと迫力満点でイケメンに迫っている。
「では壊します」
「ひゃ、ひゃめッムウウウウウッ!」
イケメンの顔面が捕食された。
競技水着を身にまとった大迫力のおっぱいが男の顔面を喰らい尽くしてしまった。男の頭部が巨大な乳房の間ですっぽりと生き埋めになっている。
「息を吸え」
どっすううん!
間髪入れず、小森がイケメンのわき腹を殴った。
肺にたまっていた空気が強制的に漏れ、男は自動的に息を吸ってしまった。
小森のおっぱいの谷間にたまっていたフェロモンが男の肺の中に侵入し、そして、
「むううううううッ!」
ビクンビクンッ!
死刑囚が電気椅子で処刑されてしまったかのような痙攣。男の体がまるでドリブルされるバスケットボールみたいにバウンドしていく。
「はい、壊れました。あっけなかったですね」
小森が自分の谷間の中に片手をつっこみ、イケメンの髪の毛をつかんだ。
そのままぐいっと持ち上げて、谷間の中から男の顔面だけを引き上げてやる。
「あひいんッ! ひいいいッ!」
現れたのは壊れた男の末路だった。
小森の凶悪フェロモンを嗅いでしまい、一発で壊されてしまった男の姿。そこに正常な人格がどこにも残されていないことは明らかだった。
「簡単すぎます。本当に、男って情けない」
吐き捨てるような言葉。
「それでは次の人どうぞ。どんどん壊していくので、はやくしてください」
リングのまわりで直立不動になった男たちを見つめながら、小森が言う。
全裸で待機している彼らは、小さな女王の大きすぎるおっぱいに恐怖し、ガクガク震えながら彼女のことを見上げていた。
●●●
そこまで書いてから、僕は「ごくり」と唾を飲み込んだ。
文芸部の部室に僕は一人だった。
大森さんは今日、バトルファック部の練習試合に参加するために不在なのだ。それをいいことに、僕は部室で大森さんをヒロインにした小説を書き続けていた。
「今、競技場で、大森さんはまた男子部員の精液を搾り取っているんだ」
そう思うと興奮は増した。
妄想が圧倒的なリアリティとなって、さらに興奮を高めてしまう。
さきほどから勃起がおさまらなくてどうしようもなかった。
「抜こう。うん。そうしよう」
学校でオナニーをするという非常事態だがどうすることもできない。
このままだと頭がおかしくなる。
僕は書きかけの小説ノートを文芸部の机に残したままトイレに急ぐことにした。
その不注意が、僕の運命を大きく変えることになる。
*
「ふう」
することをしてトイレをあとにする。
文芸部の部室がある部室棟から遠くにある誰もこないトイレを利用して存分に抜いた。
だいぶ時間がかかってしまった。
今日はもう家に帰ろう。
そう思って文芸部の部室に急ぐ。
ドアを開いて中に入る。
大森さんが僕の小説ノートを熱心に熟読していた。
「え?」
呆けたような驚きの声が僕の口からもれる。
僕が部室に入っても大森さんは顔をあげることすらしなかった。
すごい集中力で食い入るようにノートを読んでいる。
「大森さん?」
「…………」
「おーい」
「…………」
反応がない。
僕は所在なげにパイプ椅子に座った。
「るんるーん♪」
鼻歌が聞こえてくる。
大森さんが集中して小説を楽しんでいる時のクセだ。
僕は邪魔にならないように、お守りかわりの村上春樹の本を広げた。
ちょうど、おっぱいの大きな霊媒的少女が主人公に騎乗位しているシーンで、バタンと本を閉じる。
死刑を待つ罪人の心境である。
ぜんぶ終わった。
終わってしまったのだ。
僕が書いたエロ小説をこともあろうに大森さんに読まれてしまった。
僕は諦めて窓から外を眺めるしかなかった。
「……ん」
大森さんの息が吐かれた。僕の体がビクンと震える。
どうやら大森さんが小説ノートを読み終わったようだった。僕はガクガク震えながら問いかけた。
「お、大森さん、今日はバトルファック部の練習じゃなかったの?」
「そうですけど、すぐに終わったんです。みんな簡単に射精してしまって」
「そ、そうなんだ」
目の前の小動物じみた少女。
この控え目な女の子が、ついさきほどまで男子たちの精液を搾り取っていたと思うと、僕の下半身は嫌でも反応してしまった。
「それより、これ」
大森さんが小説ノートを持ち上げて、
「先輩が書いたんですよね」
「そ、そうだよ」
「このヒロインの女の子、わたしがモデルなんですか?」
「そうです。ごめんなさい」
「すごく面白かったです」
キラキラした瞳で、大森さんが言った。
まるで宝物でも抱きしめるみたいに、小説ノートを胸の前で抱きしめている。そのせいで彼女のおっぱいがぎゅううっと柔らかそうに歪曲していた。僕はノートになりたい。
「こんな小説、今まで読んだことがなかったです。読みやすくって、痛快で、とにかく面白いです」
「いやでも、こんなのよくある俺TUEEEラノベだし」
「ラノベってなんですか?」
きょとんと不思議そうにつぶやく大森さんだった。
古風な古典文学ばかり読んでいた彼女だったけれど、まさかラノベも知らないとは、
「こ、今度もってきてあげるよ。僕が書いた幼稚なものよりもっと面白いから」
「いえ。先輩が書いたものが読みたいです。これ、続きがあるんですよね」
「そ、そうだけど。けっきょくエロ小説だし。そんなの大森さんが読んでも」
「わたし、これが読みたいんです」
強く、まるで怒っているみたいに大森さんが言った。
身を乗り出して彼女が続ける。
「この小説、とっても面白いです。だからもっと読みたい。ダメですか?」
ダメなわけがない。
僕はとてつもなく嬉しかった。
自分が書いた小説にこんなにも高評価をくれるなんて幸せ以外のなにものでもなかった。
「そ、それじゃあ、明日続きをもってくるよ」
「本当ですか」
「うん。でもごめんね。大森さんのこと勝手にモデルにして」
しかもエロ小説のヒロインだ。
普通だったら許されないことだろう。
学校中のさらしものにされて、SNSで罵詈雑言の公開処刑をされて、社会的に抹殺されるのが普通だ。
それなのに大森さんはニッコリと笑ってくれた。
「ぜんぜん大丈夫です。それより続き、楽しみにしてますね」
優しそうな笑顔。
僕は心を奪われてしまった。
八
書いた。
自宅に戻るとご飯も食べずに書き続けた。
小説の中のヒロインはますます残酷になっていった。
□□□
小森が全裸の男子部員を見下ろしていた。
競技場の中。
地べたに正座になった男子部員たちが、ガクガク震えながら支配者を見上げている。
「壊されたくないですか?」
小森が言う。
競技水着を身に着けただけの露出の多い格好。そんな布きれでは隠すこともできない規格外の爆乳を惜しげもなくさらしながら、小さな支配者が奴隷たちを見下ろして言う。
「わたしのこのおっぱいで壊されたくないですか?」
その言葉に男子部員たちはがくんがくんと首を縦に振って命乞いしていた。
「こ、壊さないでええッ!」
「ゆ、ゆるじでくださいい」
「お、お願いしますううう」
滑稽にも怯え切っている男子部員たち。
彼らは知っていた。目の前の少女が本気になれば自分たちは簡単に壊されてしまうことを。
今も獲物を喰らおうと虎視眈々と狙っている凶悪おっぱい。あの谷間に食べられてしまったらすべてが終わってしまう。それが分かっている男子部員たちは、いっしょうけんめいに命乞いを続けるしかないのだった。
「土下座しろ」
冷たい声が響く。
「一番下手だった奴を壊す。ほら、やれ」
「ひいいいいいいいッ!」
男たちは一斉に土下座した。
自分よりも年下の少女の足元で、額を地面にこすりつけ無条件降伏する。
「…………」
そんな男たちを小森は冷たく見下ろしていた。
男たちに土下座を強要したというのに、そこに高揚感は何もなさそうだった。
男たちが土下座をするのは当然のことなのだ。小柄な少女は男子部員を完全に支配していた。
「決めた。お前を壊す」
土下座した男子部員のうちの一人。
その後頭部をぐりっと踏み潰し、選定が終わった。
「ひゃ、ひゃだああああッ!」
男が暴れる。
しかしそれは無駄な抵抗に過ぎなかった。
小森が自慢のおっぱいをぐいっと前に突き出すだけで、男の抵抗は終わってしまった。
自分の顔面よりも大きな乳房たち。その迫力の前に悲鳴をあげることもできなくなった男はガクガクと震え、視覚情報だけでビュッビュと射精しながら、最後のギロチンの時を待つ罪人になってしまった。
「壊れろ」
「むうううううッ!」
終わった。
男の頭部が完全に小森の爆乳の間に埋もれる。
出来上がったのは首なし死体だ。巨大なおっぱいによって捕食されてしまった男が、頸動脈から血液をまき散らす代わりに、矮小な一物から白い液体を漏らしていく。
「ほら、見えますか」
そんなふうに一人の男を処刑しながら、小森の視線は他の男子部員に向けられていた。
再び正座となって、おっぱいによる処刑シーンを見つめている男子部員たち。
彼らは自分たちの仲間がおっぱいによって殺されていく光景を目の前にしても、一歩も動くことができないでいた。それはまるで草食動物だった。肉食動物に食べられている仲間を見て根源的な恐怖と共に性的な興奮を覚えている救いようのないマゾども。男たちの一物が滑稽にも屹立し、盛大に勃起しているのを小森は見逃さなかった。
「オナニーしろ」
冷たい命令が響く。
「仲間がわたしのおっぱいで壊されていくのを見ながら、オナニーして射精しろ。ほら、やれ」
「あひいいいんんッ!」
命令されればそのとおりにするしかない。
男子部員たちは自分の肉棒を握って、しこしこと上下運動を始めた。
それは惨めさの極致だった。ニヤリと小森の口元が笑った。
「情けないですね。お前ら、恥ずかしくないんですか?」
「あひ、あひい、あひいい」
「自分たちの仲間がわたしのおっぱいとフェロモンで壊されていくのを見て、お前らは興奮してるんですよ? ほら見てください。もう少しで壊れます。体がびくんびくんいって、射精がやみません」
「あああああッ」
「さきほどからおっぱいの中で必死に命乞いしてるのに、その言葉は全部わたしのおっぱいに奪われてしまってます。無様ですね」
「ひいいいッ! やああああんんッ!」
「そんなふうに仲間がおっぱいで壊されているのに、お前らはそれを見て興奮してるんです。本当に救いようのないマゾども。わかっているんですか? 自分たちがどんなに情けない存在なのかを」
ぐりぐりと小森が男をおっぱいでミンチにする。
谷間に埋もれた男の頭部全体を潰している。両手をおっぱいの左右にあてがって、そのままぎゅううっと暴力的に挟み潰している少女。小柄な体格には釣り合っていない大きすぎるおっぱいが、男の命を刈り取っていく。
「そんな情けないお前らは、わたしのおっぱいで潰されるのがお似合いです」
ぎゅうううううッ!
さらに暴力的におっぱいプレスが続く。
男の頭部をその谷間の中に閉じ込めているというのに、小森の乳肉同士がこすれあい、ギチギチという肉を潰す音を響かせていた。
「イけ」
ぎゅううううッ!
「ひゃああああああッ!」
ひときわ強くおっぱいを挟みこむと、男子部員たちはすぐに射精した。
おっぱいの間で潰された男も脱力して痙攣するだけの人形に変わった。
「はい壊れました。簡単でしたね」
小森が男の髪の毛をつかんで男子部員たちにむかって展示する。
白目をむいてアへ顔をさらした男の姿。それは男子部員たちの未来の姿だった。
●●●
「面白いです」
文芸部の部室。
そこで僕の小説ノートの続きを読み終わった大森さんが言った。
「この女の子、すごい強いですね」
「そ、そうだね。うん」
「男子のことを虫けらみたいに扱っていて、とっても残酷です。でもそこがいいですよね」
大森さんが小説ノートをぱらぱらとめくる。
彼女はふふっと笑って、
「”出来上がったのは首なし死体だ。巨大なおっぱいによって捕食されてしまった男が、頸動脈から血液をまき散らす代わりに、矮小な一物から白い液体を漏らしていく”」
朗読するように語った。
それは僕の小説の一場面だ。
「この描写、とっても素敵です。本当にそうなんですよね。大きなおっぱいでぱふぱふすると、男子のちっちゃな頭部がすっぽり埋もれてしまって、見えなくなってしまうんです」
自分の大きな胸を見下ろしながら大森さんが言う。
その制服ごしにも分かる大きなおっぱい。
そこに閉じこめられて捕食される男子たちを想像し、僕は盛大に勃起した。
「フェロモンで男子を操り人形にしていく描写もたまらないです。そうなんですよ。男子って、わたしのフェロモンであっという間に操り人形になってしまうんです。だから普段は手加減が大変で……面倒なんですよね」
甘い芳香。
今も狭い部室にただよってくる大森さんの匂いによって僕の頭はバカになる。
「”彼らは自分たちの仲間がおっぱいによって殺されていく光景を目の前にしても、一歩も動くことができないでいた。それはまるで草食動物だった。肉食動物に食べられている仲間を見て根源的な恐怖と共に性的な興奮を覚えている救いようのないマゾども。男たちの一物が滑稽にも屹立し、盛大に勃起しているのを小森は見逃さなかった”」
またしても朗読する。
彼女はくすりと笑った。
「この発想はなかったですね。でも確かにそうです。仲間の男子がわたしのおっぱいで食べられて、フェロモンで頭めちゃくちゃにされていくのを黙ってみているだけ。その下半身は無様に勃起して食い入るようにわたしのおっぱいを凝視してくる草食動物たち。本当に男子って情けないですよね」
ふっと、嘲笑じみた笑顔が大森さんの顔に浮かんだ。
それは小説の中のヒロインのようだった。
控え目で小柄な少女が残酷なヒロインのように笑っているのを見て、僕はゴクリと唾を飲み込んだ。
「あ、もちろん先輩は別ですよ? わたしのフェロモンでも壊れないなんてすごすぎます。しかもこんなに面白い小説を書いてしまうんですから、先輩は他の男子とは違います」
キラキラした瞳で言う大森さん。
僕はハハっと笑うしかなかった。
「これから、この小説はどうなっていくんですか?」
「え? あ、ああそうだな……」
「この物語がこの先どうなるか、もう考えているんですか?」
キラキラした瞳で問いかけてくる。
身を乗り出して話しかけてくるせいで、彼女の大きなおっぱいがテーブルの上に乗り、ぐんにゃり潰れていた。僕は目のやり場に困ってしまった。
「い、いや、まだこの先のことは考えてないんだ」
「そうなんですか?」
「うん。僕、バトルファックのこと詳しくないからさ。なかなか部活の中の描写をリアルに描けないんだよね。はははっ、ネットで試合見たりするんだけど、どうにもよくわからなくてさ」
そんな言い訳をしてその場をしのごうとしたことがいけなかったのだろう。
大森さんが押し黙って、何かを真剣に考え始めた。
声をかけようとした矢先―――。
大森さんが僕の目を見つめながら言った。
「それなら、わたしの練習を見学してみませんか?」
●●●
彼女の提案はシンプルなものだった。
バトルファック部の練習風景を見学して、バトルファックについての見識を深め、小説に反映させればいいのではないかというもの。僕はゴクリと唾を飲み込み、大森さんの提案を受け入れてしまった。
「失礼します」
大森さんの小さな声が競技場に響く。
彼女が競技場に入った瞬間、男子部員たちが固まったのが分かった。
当然だ。
男たちにとっての天敵が目の前に現れたのだ。彼らはあからさまにビクビク震えて、大森さんのことを恐怖と興奮の視線でもって見つめていた。
「大森、お前、なんで来てるんだ」
話しかけてきたのは長身イケメンだ。
模擬試合で大森さんにボコボコにされた男が、ビクビクしながらも怒ったように続けた。
「練習は参加できないはずだろ。協調性のないお前に来られても迷惑なんだよ。とっとと出て……」
長身イケメンの言葉はしりすぼみになって消えた。
目の前。
そこでは大森さんが制服を躊躇なく脱いでいた。彼女の爆乳が威圧的にイケメンに迫っている。それだけで男は言葉を発することもできず、純白のマイクロビキニに包まれた魔性のおっぱいを凝視してしまったのだ。
「お、大森さん、いつも競技用水着を着てるの?」
「はい。普通のブラジャーだとサイズがあわないので、部活で支給されたこれを使ってるんです」
「そ、そうなんだ」
「さすがにKカップを超えると日本ではブラジャーも見つけにくいんです。最近、ますます大きくなってしまって困っています」
言いながらおっぱいを下から持ち上げる。
その重量感たっぷりなおっぱいの光景に、その場にいる雄が全員骨抜きにされた。
「それでは見ていてください」
大森さんが長身イケメンを無視して僕に言った。
「小説のヒロインみたいに、この人たちのこと犯してみますね」
*
言葉どおりになった。
大森さんは、大きなおっぱいだけで男子部員たちを犯していった。
「ほら見えますか先輩。この人の頭部、わたしのおっぱいで生き埋めにしちゃいました」
なんでもないように彼女が言う。
その小柄な体格には釣り合わないほどの爆乳の谷間に、長身イケメンの頭部がすっぽりと埋もれてしまっていた。
「本当に首なし死体みたい。ふふっ、先輩の小説どおりになりましたね」
笑う。
その笑顔にはどこか嘲笑の兆候があった。
小説のヒロインのように、男をバカにするような軽蔑の笑み。それを浮かべた大森さんが、目の前で男を現実に壊していく。
「先輩、もっと近くで見てください」
「え、あ、ああ」
「これは先輩のためにやっていることでもあるんですからね」
ぐりぐり。
大森さんが長身イケメンの頭部を挟みこんだまま、おっぱいをぎゅううっと抱きしめている。
まるで食虫植物が捕らえた獲物をじゅるじゅると消化していくみたいに、大森さんのおっぱいが獲物である男の頭部を生き埋めにして吸収していくようだった。
「ほら見てください先輩。この人、射精が止まらなくなってしまいました」
彼女の視線が男の股間に注がれる。
とっくに競技用パンツをはぎ取られ全裸にされた男の下半身。そこで雄々しくも滑稽に勃起している雄槍からは、びゅっびゅと白い液体が漏れ続けていた。
「もうこの人、わたしには絶対に勝てないでしょうね。わたしのフェロモン嗅いだだけで敗北射精する無様な負け犬。本当に情けない男ですよね」
ぐりぐり。
乱暴におっぱいを抱きしめ生き埋めにした男の頭部を潰す大森さん。その動きにあわせて男の雄槍からは白い液体がびゅっびゅっと巻き散っていく。
「こんなこともできちゃいます。見ていてください」
彼女がおっぱいに生き埋めになっている男に集中する。
今もおっぱいの感触とフェロモンで犯され続けている男にむかって悪魔のように囁く。
「あなたは犬です」
「あひん……あひん……」
「あなたは人間ではありません。おっぱいが大好きな犬。わたしのおっぱいを見るとすぐに発情してしまう犬。わたしのフェロモンを嗅いだだけでおしっこを漏らしてしまう情けない犬。それがあなたです」
わかりましたか?
囁くような声が終わると、乳肉の底からくぐもった声で「くううんん」という泣き声が聞こえてきた。
「ふふっ、完成しました。あっけなかったですね」
大森さんが笑った。
「洗脳完了です。ほら、見てください」
長身イケメンが凶悪おっぱいから開放される。
暴力的に閉じられていたおっぱいが開かれ、脱力していた男の体がドサリと床に落ちた。
びくんびくん痙攣しながら射精している男にむかって、大森さんが、
「おすわり」
「くうううんんッ」
命令どおりに男は動いた。
勢いよく起き上がるとそのまま犬のようにお座りをする。
「お手」
「くうううん」
それは芸だった。
飼い主に芸をしこまれた飼い犬。それと同じように、大森さんは年上の男子部員をおっぱいとフェロモンで調教してしまったのだ。
「ちんちんしていてください」
「くううんん」
男があおむけになってお腹を飼い主に見せる。
そんな屈辱的なことをしているのに、長身イケメンはハアハアと舌を出して狂ったように笑っていた。理性なんてどこかに捨ててしまっていることが分かる狂信的な笑みを浮かべ、命令どおりに「ちんちん」を披露していく。
「驚きましたか、先輩」
大森さんの声にビクンと震える。
僕と大森さんは立ち上がり、ちんちんをしたままの男を観察しながら言葉をかわした。
「わたしのおっぱいとフェロモンで洗脳すると、すぐに効くんです。これは昔、わたしにちょっかいを出してきた男子に「もうやめて」ってパフパフしながらお願いした時に発見したことなんですよ。わたしがパフパフしながら「お願い」すると、どんな男子でも言うことを聞くようになるんです。簡単に洗脳できちゃいます」
笑っている大森さん。
その口元に浮かんだ嘲笑の色は、明らかに小説の中のヒロインと同じだった。
男のことを虫けらとしか思っていない女の子。
それと同じ表情を今の大森さんは浮かべている。
「どんどんやっていきますね」
大森さんが言う。
「見ていてください。先輩」
控え目な笑顔。
しかし彼女が行ったその後の行動は明らかに残酷なものだった。
男たちはみんな、大森さんのおっぱいによって処刑された。
それを施す少女の顔には明らかな愉悦の笑みが浮かんでいた。
僕は、とんでもない少女を覚醒させてしまったのかもしれない。
* サンプルはここまでです。
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* 続きは、約3万4000文字くらいです。
つづく