1
親戚の少女の面倒を見ることになった。
大学の夏休み。
都内の大学に通っている俺は、わざわざド田舎の親戚の家に滞在して、イトコである少女の面倒を見なければならなくなったのだ。
「あんた暇でしょ」
母の一言。
なんでも、母の姉夫婦が世界一周旅行の懸賞にあたったとかで、1ヶ月ほど実家を留守にするのだそうだ。新婚旅行もしてこなかった叔母さんたちは、いい機会だということで、仕事を休んで世界一周旅行をするとのこと。その留守を預かる形で、俺が叔母さんたちの娘の面倒を見ることになったのだ。
「ほら、結衣ちゃん。あんたになついてたじゃない」
「なついてたって……何年前の話しだよ。4、5年前か?」
結衣のことは覚えている。
海しか取り柄のない田舎町にあっても色白だったおとなしそうな女の子だ。けれども、ここ数年は田舎に帰っていなかったので、まったく会っていない。
「とにかく、これは母親命令だから。お小遣いも渡すから、四の五の言わずに行きなさい」
こう言われてしまっては是非もなかった。
うちの家系は代々女系家族で、母親の命令は絶対なのだ。俺はため息をつきながら、「わかったよ」と投げやりに返答した。それが自分の人生を変えてしまう選択だとも知らずに、俺はあの化け物が住む家に足を踏み入れてしまったのだった。
*
夏休み。
俺はさっそく電車で叔母さんたちの家に向かった。
もともとは母の実家だ。
祖父母はすでに他界していたので、叔母さんたち夫婦と結衣だけがその家に住んでいた。
「しかしここはいつ来ても田舎だよな」
駅から降りて思わず感想がもれる。
完全なド田舎。
コンビニだってなくて、そもそもあまり人に会わない。
のどかな風景。
潮風が運んでくる海のにおいと、灼熱の太陽くらいしか取り柄のない田舎町。昔は漁業で栄えていたらしいが、魚の加工工場も閉鎖となった今では昔の活気なんて感じることもできなかった。
「まあでも、海だけはいいんだよな」
きれいな透き通るような海だ。
都会では考えられないような常夏の海辺。絵はがきにでも登場するような砂浜を横目に見ながら黙々と歩き、叔母さんの家に到着した。
「お久しぶりです、お兄ちゃん」
出迎えてくれたのは結衣だった。
最初、俺は彼女に気づけなかった。
目の前にいる大きな女性と小さかった結衣を結びつけることができなかったのだ。
(で、でかい)
俺よりも身長が高い。
胸だとか太ももはムチムチしていて大人の女性みたいだった。年相応なのは幼い顔立ちだけだ。黒髪で、色白な清楚な女の子。あと数年もすれば触れれば切れるような絶世の美女になるだろう。
「ゆ、結衣か? お、おおきくなったな」
「はい、成長しました」
「そ、そうか」
俺が思わず苦笑いをすると、結衣も笑ってくれた。
その笑顔には見覚えがあった。
数年前、俺のことを慕ってくれた女の子。
何年も会っていなかったのに、昔みたいに接してくれる。それが嬉しくて、なつかしくて、俺は思わず結衣の頭を撫でていた。
「元気にしてたか?」
「は、はい」
「そうか。また昔みたいに海で遊ぼうな。これから1ヶ月、よろしく」
結衣は顔を真っ赤にして控えめにコクンとうなづいてくれた。
体は大きくなっていてもやはり幼い子供なのだ。父性みたいなものが胸の中にわきあがってくる。俺は時間をかけて優しく結衣の頭を撫でてやった。
◆◆◆
中華店でアルバイトをしていた経験があるので、料理は得意といえば得意だった。
俺がつくった料理を結衣はおいしそうに食べてくれた。
「お兄ちゃん、これおいしいです」
「そうか? 別にふつうのチャーハンだけどな」
「そんなことないです。お店で食べるチャーハンみたい」
「ははっ、まあ一応、チェーン店だけどお店で鍋ふったりはしてきたからな」
そんなことを話すと結衣は尊敬の眼差しで俺のことを見つめてきた。
「すごいです」
「いや、別に、しょせんアルバイトだから」
「そんなことないです。やっぱり都会ってすごいですね。ここらへんじゃあ、チェーン店だってないですし」
そう言って、ますますキラキラした目で俺のことを見てくる。
おそらく、都会への憧れとか、年上の男性への幻想みたいなものがごっちゃになっているのだろう。
結衣が大人になるにつれてその幻想はなくなっていくのは分かっている。けれど、こんな美少女から尊敬されて、悪い気はしなかった。俺は「ははっ」と笑って、思わず、結衣の頭を撫でていた。
「こんなんでいいなら、いつでもつくってやるよ」
「は、はい。ありがとうございます」
顔を真っ赤にする結衣。
トロンとした瞳で俺のことを見つめてくるその顔は、とてもかわいかった。
*
結衣と二人きりの生活が続いた。
基本的には暇だ。
周囲には映画館もなく、あるのは海だけという環境。だから俺は自然と海で泳ぐようになっていた。もちろん、結衣も一緒だった。
「お兄ちゃん、あの岩場まで競争しましょう」
あの小さくて病弱だった結衣が別人のようだった。
健康的に育った豊満な体が、とてつもない速さで泳いでいく。浜辺からはるか遠くに天然の岩場があって、干潮になるとそこが浮き出てくるのだが、俺はそこまでたどりつくのがやっとだった。今もようやく岩場にたどり着いて肩で息をしている俺とは違い、結衣は岩場の上で嬉しそうに笑っていた。
「泳ぐの速いな、結衣」
「そうですか?」
「ああ、やっぱり成長してるんだな」
昔会った時の病弱で小さな結衣ではない。
それは水着に彩られた彼女の豊満な体を見ても分かった。
(それにしても、すごい体だ)
岩場で隣あって座りながら、俺はちらちらと横目で結衣の体を盗み見た。
彼女の色白の肌によく似合っている白いビキニだ。胸が大きくて、見ているだけでドキドキしてくる。この年代の少女なんて、ひょろひょろで痩せている印象だったけど、結衣は俺よりも身長が高く、肉付きもよくて、見ているだけで柔らかそうだった。
(やっぱり、ふたなりっていうことが関係しているのかな)
結衣はふたなりだ。
両性具有者。
ふたなり少女は成長が早いと聞く。
だからこそ結衣の発育も良いのかもしれない。
(ビキニも、下の水着は布かけみたいなのつけてるもんな)
下半身を覆うスカートのような布。
それは、ふたなりであるからこそ必要な装備だった。彼女の股間はそれによって隠されていて、あくまでも女性のフォルムを失っていない。
「どうしたんですか、お兄ちゃん」
黙った俺を心配するように結衣が言った。
「いや、なんでもないよ。もう戻るか」
「はい。また競争ですね」
無邪気に笑った少女。
俺がじろじろとその体を見ていたなんて露とも思っていない笑顔に罪悪感を覚えながら、俺は砂浜を目指して泳ぎ始めた。それが、俺が親戚のお兄さんという立場でいられた最後だった。
2
「ふう~」
日が暮れるまで泳いで遊んだ夜。
俺は家の風呂に一人で入って息を吐いていた。
疲れた体にお湯が染みわたっていく。
俺は浴槽に背中をあずけ、全身の力を抜いてリラックスしていた。
「先に入らせてもらってるからはやくあがったほうがいいんだろうけど、ちょっとこれは病みつきになるな」
風呂の準備ができて、結衣に声をかけたのだが、彼女は「お兄ちゃんからどうぞ」と言ってくれたのだった。
海辺での彼女が脳裏によみがえってくる。
けっきょく、俺は泳ぎ勝負で一度も結衣に勝てなかった。あの病弱だった彼女が今では肉体的にも成長しているのだ。それが嬉しくもあり、若干寂しくもあった。
「昔は、一緒にこの風呂にも入ったっけな」
昔。
まだ、祖父母が生きていて、夏休みになるたびに田舎に帰省していた頃の話しだ。
いつものように母に命じられて結衣を風呂に入れた時、彼女がふたなりなのだと初めて知った。けれども、学校の授業でその存在は知っていたから、特に抵抗感もなく接することができた。
別に恥ずかしがることないぞ。
それは結衣の個性なんだぜ。
なんて、マセガキだった俺は結衣に話しかけたことを覚えている。結衣の一物は小さくて、かわいらしいものだったからこそ、特に抵抗感も嫌悪感も感じなかったのだろう。
あの頃とくらべて、成長した結衣の一物も大きくなっているのかなと、そんなことを思って一人で笑ったときだった。
「お兄ちゃん、失礼しますね」
風呂のドアが開いた。
入ってきたのは全裸の結衣だった。
「ゆ、結衣!?」
「すみません。体が冷えたので、やっぱり私もはやめにお風呂に入りたくて」
「だ、だったら俺が先に出るよ。さすがにまずいだろう」
「別に平気ですよ? だってお兄ちゃんですから。昔はよく一緒にお風呂に入ったじゃないですか」
そう言って結衣が歩いてくる。
湯気をかきわけて彼女の全貌が視界に入る。
俺は驚愕した。
(で、でかい!)
胸がでかい。
しかしそれよりも視界に飛び込んできたのは、彼女の股の間から生えた凶悪な一物の姿だった。
(な、なんだこれ!?)
でかい。
それだけではない。
凶悪。
その一言だった。
亀頭は巨大で、雌の膣内にそそぎ込まれた他人の精液を根こそぎ掻きだしてしまいそうな存在感を放っている。亀頭の根本にはイボイボがついていて、それを挿入された雌を快感の地獄に追い込むことが容易に想像できた。血管が浮き出ていて、その生命活動の強さが強調されている。ドス黒く変色しているソレは使い込まれている職人の道具を連想させ、とにかく大人の一物といった感じだった。
長さも。
太さも。
俺の一物とは比べものにならないほど巨大。
男なら誰もが羨むようなそんな巨根だった。
「どうしたんですか、お兄ちゃん」
キョトンとして結衣が言った。
俺の視線が彼女の股間にくぎ付けになっているのに気づくと、結衣は、
「ああ、コレですか」
そう言って片手で一物を握った。
結衣の小さな手では収まらないほどの太さ。
俺は思わず「う」とうめいた。
「だいぶ大きくなったんですよね。成長しました」
「そ、そうか」
「はい。でも、お兄ちゃんもそうでしょ?」
結衣がにこにこ笑いながら、
「お兄ちゃんも、子供の頃より成長してるんですよね? ふふっ、大人のお兄ちゃんと比べたら、結衣のなんてまだまだ子供ですよ」
勘違いした結衣が笑っている。
彼女はそのまま風呂の椅子に座って体を洗い始めた。
最初に一物から洗うらしく、その光景に俺の目がくぎ付けになってしまう。
年上の自分よりも立派な一物。その存在を前にしてゴクリと生唾を飲み込む。劣等感のようなものを感じ、俺は心臓をドキドキさせっぱなしだった。
「それじゃあ、湯船に入ります」
体を洗い終わった結衣が言った。
その巨根をぶらぶらさせながら、彼女が立ち上がって湯船に入ろうとする。俺はたまらず、「ちょっと待った」と結衣を制止した。
「や、やっぱり俺、先に出るよ」
「え、そうですか?」
「お、おう、結衣は、ゆっくり入れよ」
立ち上がる。
手で股間を隠して逃げるようにして湯船からあがる。しかし、恐れていたことが起こってしまった。
「え?」
驚きの声。
俺の背筋がビクンと震えた。
じいっと、結衣が俺の股間を見下ろしていた。
「…………」
結衣の視線が突き刺さる。
驚愕が終わり、彼女は無表情になって俺の股間を見下ろしていた。俺の手で隠された一物。それを透視でもするかのように凝視している。そして―――
「ああッ」
突然、結衣が俺の手をがしっとつかんだ。
その力の強さに俺は逃げることもできない。そのまま結衣が俺の手を力任せに持ち上げた。
「あああああ」
現れたのは俺の分身だった。
結衣のものより小さくて、存在感のない子供ち●ぽが、彼女の前にさらけだされる。
「なにこれ」
冷たい声。
軽蔑したような無表情。
淡々と俺の分身だけを見下ろしていた結衣が、一言。
「ちっちゃ」
ビクンッ!
その言葉だけで俺は震えあがった。
彼女の顔。
そこには軽蔑の表情があった。さきほどまで俺のことを慕ってくれていた妹みたいな少女が消え、現れたのは冷たい氷のような少女だった。
「お兄ちゃん、コレ、なんですか?」
「え、な、なにがだよ」
「なんでこんなに小さいんですか?」
「そ、そんなこと」
「小さいですよ。ほら、見てください」
ぐいっと結衣が自分の雄槍を俺の一物に近づけて比べっこをする。
比べるまでもなかった。
俺の一物は結衣の雄槍の半分にも届いていなかった。大人と子供の差だ。凶悪な使い込まれた結衣の一物とは違って、俺の子供ち●ぽは肌色をしていて、こうして比べると赤ん坊のようだった。
「ね、小さいですよね?」
「あ、ああああッ」
「お兄ちゃんは、年下の女の子よりちっちゃなち●ちんなんですよ? 恥ずかしくないんですか?」
容赦のない罵倒。
無表情の軽蔑しきった視線が俺に突き刺さる。
「ねえ、どうなんですか?」
さらなる追い打ち。
結衣が俺の一物に自慢の巨根を押しつけてきた。
「あああああッ!」
声がもれる。
その迫力と存在感。
灼熱の熱さをもった生命力の塊みたいな大人ち●ぽが、俺の子供ち●ぽをぐりぐりと押し潰している。存在感がまるで違う。俺の分身はなすすべもなく結衣の雄槍に蹂躙され、潰されていた。しかも、
「ああああ、だめええええ」
勃起。
強者の雄槍に虐められ、刺激されて、俺の分身は無条件降伏するように勃起してしまった。
「……なんですか、これ」
冷ややかな声。
さらに軽蔑の表情を浮かべた結衣が、さらにぐいぐいと巨根を押しつけながら俺を尋問する。
「ひょっとして勃起してコレなんですか?」
「ゆ、結衣、も、もう」
「ちっちゃ過ぎません? というか、勃起しても、私の勃起してないち●ぽより小さいって、ほんとザコなんだけど」
軽蔑の声。
彼女の口元がニンマリ笑った。
それはこれまで見たことがない表情だった。
虐める悦びを知った人間の顔。
少女が浮かべたその本性に、俺の体がガクガクと震えた。
「ほ~ら、私も勃起させちゃいますね」
ニンマリ笑った結衣が俺を凝視しながら見せつける。
ぐいっと力をこめただけで勃起し、彼女の巨根がさらに凶悪になった。
長さも太さも一回り大きくなって、俺の分身をぐりぐりと押し潰す。その大きさと熱さの前に、俺は思わず悲鳴をあげてしまった。
「ふふっ、ほら見てお兄ちゃん。私のち●ぽで、お兄ちゃんのザコち●ぽ、完全に隠れちゃった」
言葉どおり。
彼女の凶悪ち●ぽの下敷きとなって俺の小さな一物は完全に押し潰されていた。
「なさけないね~、えいえい」
「あ、やめてええッ! 動かさないでえ」
「え~、潰されたくないなら抵抗すればいいじゃないですか。お兄ちゃんのザコち●ぽも大きくして、私のモノを押しのければいいだけの話しですよね?」
ぐりぐり。
さらに押しつけられる。
俺の下半身が串刺しにされている。
結衣の雄槍は俺の腰のあたりまで届くほど長かった。俺は風呂の壁を背中にして、まるで壁ドンでもされるみたいな格好で結衣の雄槍によって串刺しにされているのだ。彼女の金玉袋も俺のものより段違いに大きくて、太ももにずっしりと押しつけられていた。
「や、やめて、結衣、お願いだから」
俺は限界を感じていた。
俺の一物がぴくぴく震えている。
射精の兆候。
俺は結衣の巨根に押し潰されて、興奮しているのだ。
「ふふっ」
目の前の結衣が笑った。
全てお見通し。
ニンマリ笑った少女が、女の膣内に挿入するみたいに勢いよく、凶悪ち●ぽを俺の分身にねじこんだ。
「イけ」
「ひゃあああああッ!」
どっびゅううううッ!
びゅううううッ!
これまで経験したことのない盛大な射精。
それは白旗だった。
自分よりも生命力にあふれた強者に媚びへつらったお漏らし。俺はあまりの快感でへなへなと風呂場に座り込んでしまった。
「ふふっ、ほんとザコ」
結衣が言う。
手を腰にやり、仁王立ちしている少女。
腰が抜けて座り込んでしまった俺の目の前には、かわいらしい密壷と、凶悪に勃起したままの巨根があった。
「お兄ちゃんのザコち●ぽ、射精の能力もザコなんですね。見てくださいよ、この精子」
結衣が俺の精子を手にとり、ニンマリ笑いながら見せつけてくる。
「薄~い。量も少ないし、ほんとザコだね」
「う、うううう」
「ほ~ら、見てお兄ちゃん。これが本当のち●ぽだよ」
結衣が雄槍を俺の顔に近づけ、こすりつけてくる。ぺちぺちと、軽くびんたでもするかのように、俺の右頬に雄槍をあてて、その存在感を見せつけてきた。
「ねえねえ、どっちのち●ぽのほうが上だと思う?」
「う、うううう」
「大きさとか太さとか比べてみた時、どっちのほうが上かな~?」
ぺしぺしと頬を叩く。
はやく回答しろと。
はやく言えと。
結衣の凶悪ち●ぽが俺の両頬を叩いて催告する。その巨大さと存在感。劣等感のかたまりになった俺は言うしかなかった。
「……結衣のほうが大きい」
「なにがですか?」
「ゆ、結衣のち●ぽのほうが、俺のち●ぽより大きい」
認めてしまった。
年下の少女。
その雄槍よりも自分の分身は劣っていると認めてしまった。
「ふふっ。そうですよね、結衣のほうが上だよね」
勝ち誇っている。
少女がニンマリ笑って、ち●ぽ比べで圧勝したことを勝ち誇っていた。
「これからよろしくね、お兄ちゃん♪」
結衣が笑っている。
勝ち誇って、ぺしぺしと俺の両頬を雄槍で叩いてくる。俺はうつむいて、「ううううッ」とうめくことしかできなかった。
3
結衣の俺に対する態度が変わった。
それは微妙な変化だった。
日常生活のいたる所で、結衣は俺のことを軽く見るようになっていた。
「お兄ちゃん、ご飯おかわり」
結衣の言葉。
夕食を食べている時―――結衣が空になった茶碗を俺のほうに差し出しながら言ったのだ。
「あ、ああ」
俺は戸惑いながらも結衣から茶碗を受け取り、炊飯器まで移動して、白米をよそってやった。
こういうことが重なった。
たとえば食事後の皿洗いだ。
今までは率先して結衣がやってくれていたのに、今の彼女は食事が終わるとすぐに居間でくつろぐようになった。その間、俺はせっせと食器を集め、洗う。
これではまるで召使いだ。
結衣のしもべのような待遇。
どちらが上で、どちらが下か、家の中で明確なヒエラルキーが構成されてしまっている。
きわめつけは、日夜風呂場で繰り広げられる比べっこだった。
*
「ほ~ら、今日はどっちの方が大きいかな」
ニヤニヤしながら結衣が言う。
俺が風呂に入っていると、結衣が乱入してくる。
そして、ち●ぽの比べっこを始めるのだ。
「ふふっ、今日も私の圧勝だね」
カブト合わせ。
結衣の巨根と俺の分身が向かい合っている。
まるで巨大なドラゴンに立ち向かっているミミズみたいだった。
俺の分身はたちまち戦意を喪失して、びくびくと縮こまってしまった。それとは対照的に、年下少女の巨大な雄槍は、ビギビギと生命力にあふれて、威圧的に存在している。どちらの生殖器の方が上なのか一目瞭然に分かる光景。俺はますます、結衣に対する劣等感を募らせていった。
「ちっちゃ~い」
がしっ。
結衣の手が俺の一物を乱暴につかむ。
そのままシコシコと上下運動がはじまった。
「あ、ゆ、結衣」
「うわっ、もうイきそうじゃん。本当、お兄ちゃんはヨワヨワだね~」
「や、やめて、ほ、ほんとうにもう」
「やめてあげませ~ん」
おどけたように言って、さらにしこり続ける結衣。
さらには彼女の巨根が俺の下腹部を突き刺してくる。結衣の手の感触と、巨大な凶悪ち●ぽによる二重苦によって、俺はあっけなく射精した。
「うわっ、お兄ちゃん、はやすぎだよ」
手にかかった精液を見て結衣がニンマリ笑う。
「ねえ、お兄ちゃんって童貞でしょ?」
「は、は?」
「こんな簡単にイっちゃってさ。耐久力ゼロのザコザコち●ぽ。こんなんじゃ女の子を満足させることなんて絶対にできないでしょ」
くすくすと、俺のことをバカにした勝ち誇った笑顔で見下ろされる。俺は狼狽しながら言うしかなかった。
「ゆ、結衣はどうなんだよ。お、おまえだって」
「は? なに言ってるのお兄ちゃん」
くすくす笑い。
嫌な予感がした。
「とっくの昔に卒業してるよ? 今は、クラスメイトの男子をオナホールにして、毎日遊んでる」
「は? お、おなほーる?」
「そうだよ。お兄ちゃんは知らない? 男子の口とケツ穴をオナホールにした遊び」
結衣が何を言っているのか理解できなかった。
クラスメイトの男子をオナホールにする? こいつはいきなり何を言っているんだ。
「ほら、見てよ私のち●ぽ。黒ずんでるでしょ?」
「う」
「毎日つかってる証拠だよ。それに比べてお兄ちゃんのは……くす、かわいいものだね~」
ぴんと、俺の分身をデコピンする。
巨大すぎる一物を誇示しながら、勝ち誇った結衣がニヤニヤと笑っている。
一物の大きさや性能だけではなく、経験ですら負けている。何歳も年上であるはずの自分が、まだ初等部の少女よりも経験で劣っているという事実。俺は、さらなる劣等感の海の中に沈み、みすぼらしい勃起を継続するだけだった。
つづく