レッドとイエローは、ブラック不在のまま基地に戻った。
けっきょく人質作戦は失敗に終わってしまった。
新たな魔王の出現とブラックが喰われたことを世界戦隊協会に報告すると、視察の日程が早まることが決まった。4日後に視察団が現れる。4日―――それが自分たち第13戦隊に残された時間だった。
「お兄ちゃん、ブラックさんが・・・・・」
意気消沈した比奈が部屋の中で落ち込んでいる。
魔力探知が得意な妹のことだ。おそらくブラックが食べられた瞬間にすべてを察したのだろう。自分たちが負けたことも、第13戦隊が解散になることも、すべて察した上で、比奈がブラックのことを後悔している。
「すまない。俺がふがいないばかりに」
レッドが比奈の体を抱きしめる。
妹の体は冷たく固まっていた。その意味に思い当たったレッドが優しく、
「お前のせいじゃない。気にするな」
「でも・・・・・わたしが敵の家族構成とかぜんぶ調べちゃったから・・・・・」
「違う。それは違う。俺たちが弱かったからだ。ごめん。ごめんな」
比奈の頭を優しく撫でながらの言葉。
決壊したように比奈の瞳から涙がこぼれてくる。レッドはそんな妹の体を抱きしめながら、ぎゅうっと唇を噛みしめていた。
*
翌日。
夜がきて、スマフォが鳴る。
レッドとイエローが体を震わせてグループチャットを確認すると、そこには「今すぐ来い」の文字。ガクガク震えながらレッドとイエローが基地の外に出る。自分を生き贄に捧げるような心境で歩きだそうとする―――暗闇の街路に出た―――瞬間だった。
「な!?」
驚く。
一瞬で周囲の光景が変わったのだ。
夜の街路から―――蛍光灯に照らされた学校の教室へ。忘れもしない。ブラックが喰われた教室に瞬間移動させられていた。
「来ましたね?」
その声にレッドたちの体が震えた。
「ふふっ、はやく遊びたかったので移動させちゃいました」
教卓の上に座っていた詩織が「よいしょ」と立ち上がった。
ブラックを吸収してさらに大きくなった女体。はるか高みから見下ろされただけでレッドたちの体がガクガクと震えっぱなしになった。
「ふふっ、怯えすぎじゃないですか?」
「「ひいんッ」」
「そんなに怖いんですか? わたしのこと?」
怖い。
この長身女性様はブラックを捕食してしまったのだ。
ちょうど視線と同じ高さにある爆乳―――あれが揺れて、ブラックを食べて、消化してしまった。仲間の生命力が少女の養分にされてしまった。それによって成長した少女の肉体を感じて「ひい♡」という声がレッドの口から漏れてしまった。
「それでは練習台になってもらいましょうか」
詩織が男たちを見下ろしながら、
「安心してください。練習台と言っても、わたしの練習台ではありませんから」
「「ひいッ♡」」
「さ、二人とも入ってきて」
詩織の声に反応するように教室のドアが開かれた。
すぐに二人の女性と一匹のペットが入ってきた。その姿にレッドとイエローは度肝を抜かれることになった。
「おっす~。よろしくねマゾども」
「・・・・・よろしくお願いします」
ティファとエイファだ。
どこか面影がある。
けれども目の前の二人は明らかに成長していた。身長が詩織級になっていて、幼児形態でも大きかった胸がさらに爆乳になっている。その頭から生えた角も、背中の黒羽も、お尻から伸びる尻尾もすべてが成長しきっていた。大人のサキュバス。急成長した姿がそこにはあった。
「な、なんだ!?」
それだけではない。
彼女たちの手に握られたリード。その紐の先には四つん這いになった男が繋がれていた。全裸に剥かれていて、全身を痛めつけられた痕が痛々しい。よく見ると頭には折られた角の根元が剥きだしになっている。背中の羽もむしりとられているのが分かった。そこまで観察して、レッドがようやく男の正体に気づいた。
「ま、魔王なのか?」
呆然とつぶやく。
信じられない。いや、信じたくない。あれほど強大な力をもっていた魔王軍トップが、痛めつけられ、全裸で四つん這いにされている。リードは魔王の首に装着された首輪に結ばれている。成長した自分の娘に連れられて、旧魔王が弱々しく彼女たちの後をついてくる。
「驚きましたか、レッドさん」
呆然としているレッドにむかって詩織が続けた。
「前にも言いましたよね? 魔王さんのこと搾りとってわたしが新しい魔王になったって」
「あ、ああ」
「実は、魔王さんのことを搾りとったのは、わたしではなく、ティファちゃんとエイファちゃんなんですよ」
「な、なに!?」
「魔王さんは、自分の娘にボコボコにされて、溜めていた魔力を根こそぎ奪われてしまったんです」
レッドが信じられない思いでティファたちを見つめた。
彼女たちの成長しきった女体。2メートル近くある身長。つまりこれは、
「そう、魔王さんの魔力を吸収して、ティファちゃんとエイファちゃんは成長したんです」
詩織の言葉に反応するようにティファとエイファが笑った。
そのまま彼女たちは片足を振り上げ、四つん這いになっている男の背中を踏んだ。
大きな足裏がグリグリと旧魔王の体を踏み潰していく。そんな目にあっているのに、旧魔王は「ううう」と呻くだけで抵抗しようとすらしなかった。躾けられている。自分の娘から痛めつけられ、従順な家畜として調教されてしまっているのが分かった。
「弱かったよね、こいつ」
「はい。ザコでした」
ぐりぐりと背中を踏み潰しながらティファたちが言う。
「あっという間にティファたちのほうが強くなっちゃった」
「こいつの魔力を全部吸収して成長しました」
「詩織お姉ちゃんに調教されておっぱい奴隷になってたから簡単だった。ティファたちの大きなおっぱいに興奮してボロ負け。実の娘のおっぱいに完敗しちゃった」
ぐりぐり。
大人になったサキュバスたちが、実の父親を踏み潰していく。
「最初はエイファたちのおっぱいに負けていただけでしたけど、魔力を吸収していくうちに実力も逆転しました」
「今ではティファたちのほうが、こいつより強いんだよね~」
「立場も逆転して徹底的にボコボコにしました」
「角とかも時間をかけて折ったよね~」
「羽もむしりとりました」
「尻尾もねじりとった。その時、こいつったらお漏らししちゃったんだよね。そんなに痛かったのかな~」
ぐりぐり。
さらに踏み潰す。
次第に旧魔王が耐えられなくなる。四つん這いになった男が両手両足をぷるぷると震わせていく。そして、
「「潰れろ」」
どっすんんんッ!
潰れた。実の娘からの踏み潰しに耐えられなくて、背中を潰され地面に縫いつけにされてしまった。「ひっぎゃあ!」という悲鳴があがって、娘たちの「あははっ」という笑い声があがる。少女たちの大きな足裏が実の父親の体を潰し、ベギバギと肉がひしゃげる音が響く。さらに、
「おら、いつものやれよ」
「いつものやりなさい」
娘からの命令。
踏み潰され地面に縫いつけにされた旧魔王がすぐさま反応した。
「ゆ、ゆるじでくださいいいッ! ティファ様ああああッ! エイファ様ああああッ!」
叫んだ。
娘のことを様づけで呼び、命乞いを始めた。
「あはっ、いつ聞いても受けるわ~」
「無様ですね」
「ほら、もっと命乞いしろ」
「そうしないとこのまま潰しますよ?」
ぎゅううううッ!
ベギバギッベッギイッ!
「ぎゃああッ! た、たじゅげでええええッ!」
「ひゃだあッ! こ、殺さないでええええッ!」
「お願いですうッ! 殺さないでくださいッ!」
娘の足で潰されながらジタバタと暴れ、旧魔王が命乞いを続けていく。そこには、魔王としてのプライドも、男としての矜持も、なにもなかった。
「ふっ」
ティファとエイファが満足したのか足を持ち上げた。
そのまま淡々と旧魔王の体を足で転がして仰向けにし、容赦なく顔面を踏み潰す。
二人の大きな足裏で覆われてしまった旧魔王の顔が見えなくなる。けれど、その足裏から「ぺちゃぺちゃ」という音だけが聞こえてきた。舐めているのだ。屈服して、実の娘の足裏を舐めて媚びを売っている。どこまでも惨めに旧魔王が調教され尽くしていた。
「お前らも、こうする」
ティファがニンマリ笑いながら、
「こいつみたいにボコボコにして心を折って、自分からティファたちの足を舐めるまで調教してやるよ」
「エイファたちが強くなるために、あなたたちの体、使ってあげます」
どっすううんんッ!
ティファとエイファが同時に足を振り上げ、旧魔王の顔面を力強く踏み潰した。一撃で意識を奪われた旧魔王が娘の足裏でぴくぴくと痙攣していく。それを見て、レッドたちは絶望の表情を浮かべるのだった。
*
「それじゃあ、レッドさんから使おうか」
詩織がニコニコしながら言った。
「ティファちゃんとレッドさんで実戦をやってみよう。やっぱり実戦が一番経験値があがるからね」
「ひ、ひいッ♡」
「もちろん、レッドさんがティファちゃんに勝てれば解放してあげます。というか、それで魔王軍の負けでいいですよ? わたしたちは引き下がって、これ以上何もしません。ほかの魔王軍の人たちも魔界に帰ってもらいます」
レッドが絶望の表情を浮かべる。明らかに遊ばれていた。
「よかったじゃん。チャンスだよ?」
ティファがナマイキなメスガキじみた笑顔を浮かべながら、
「ティファみたいな実戦経験0のサキュバス一匹に勝てば、お前らの勝ち。がんばらないと、ね?」
ニヤニヤと笑いながらの言葉。
それでもレッドは勝機をうかがっていた。
(確かにこれはチャンスだ)
簡単に勝てる相手とは思わない。
ティファとエイファは旧魔王を圧倒する力を持っているのだ。けれど、詩織より格下であることは間違いなかった。旧魔王にしても、ティファとエイファが二人がかりで倒したに決まっている。その戦闘力はあなどれなかったが、勝機はあるはずだった。
(勝つんだ・・・・今度こそ勝って、仲間のために・・・・・人類の平和のために、この身を捧げる)
強い気持ちをもってレッドがティファと相対する。
力強い瞳でティファを見上げる。こいつを倒す。その一心で構えをとった。
「それじゃあ、開始」
詩織の合図と共に戦いが始まる。
まだ棒立ちでニヤニヤと笑うだけのティファ。完全に油断している。そこにむかって一撃必殺を繰り出そうとレッドが突進した。
「うおおおおおおおおッ!」
右拳にすべてをこめて振りかぶる。
迫るティファの顔―――まだニヤニヤと笑っている女の顔に己のすべてを乗せて―――必殺のパンチをたたき込んだ。
「や、やったか!?」
ティファの顔面にめりこませた右拳をそのままにレッドが言う。手応えは確かにあった。あと一瞬の経過の後にはティファの体が倒れ勝利が確定する―――そのはずだった。
「ひょっとしてそれで全力?」
ティファの声。
それがレッドの右拳の下から聞こえてくる。驚愕で満ちるレッドが、自分の拳の下でバカにしたように笑うティファを見た。
「弱すぎるんだけど」
「う、嘘だ」
「パンチっていうのはこうやって打つんだよ」
ティファが腰だめに右拳を構える。
魔力が輝き右拳に集中する―――ニンマリと歯を剥きだしにして笑ったティファが、レッドの顔面を殴り潰した。
「ひっぎゃああああッ!」
悲鳴をあげながらレッドの体が吹き飛んでいく。
床できりもみして、机や椅子を盛大に巻き込みながら飛び、教室の壁にぶちあたってようやく止まる。なにがなんだか分かっていないレッドが片手で自分の顔面をさわると、大量の血が手についた。
「こ、こんな・・・・・・」
ティファの拳を視認することすらできなかった。
自分のパンチはまったくダメージを残すことができず、反対にティファのパンチ一発でボロボロにされてしまった。そんな現実を受け入れることができずに、レッドがガクガクと震えた。
「あはっ、どんどんいくわよ」
どっすんんんッ!
地面に倒れたレッドの腹にむかってティファがヒップドロップをかます。
レッドの矮小な腹が、成長しきった大人サキュバスの豊満な巨尻によって押し潰されてしまった。そのままマウントポジションをとられて無防備な姿をさらしてしまう。
(に、逃げないと)
じたばたと暴れる。
両手両足を動かしてなんとかティファの巨尻から逃れようとする。しかし、
「あはっ、無~駄」
ビクともしなかった。
ティファの巨尻はそれだけで凶器だった。最初から体格差があり過ぎるのだ。自分の胴体の2倍ほどはある大きなお尻の下敷きにされただけで身動きがとれなくなっている。巨尻で床に縫いつけにされてしまって脱出できない。
「カヒュウ―――かひゅうう―――」
それどころか苦しすぎて息もできなくなっていた。ティファの巨尻で横隔膜まで潰されて、呼吸すら満足にできないのだ。ただ馬乗りになられただけなのに、もう勝負はついてしまった。
「苦しい?」
ティファがニンマリとレッドを見下ろしながら、
「ねえ、苦しいの?」
「うううッ♡」
「ほら、ティファのお尻がお前の胴体を潰しちゃってる」
「かひゅうう―――」
「それだけで満足に息も吸えないみたいね。ふふっ、ほんとうに男ってザコ」
ドスンッ!
どすんッ!
ティファが面白そうにレッドの体の上で飛び跳ねる。彼女の巨尻がレッドの胴体を潰していく。そのたびに歴戦の戦士が、
「ぐえええええええッ!」
潰されたヒキガエルのような悲鳴をあげていた。
急成長したサキュバスのお尻だけでレッドがボコボコにされていく。
「どんどんいくぞ~」
メスガキの笑顔を浮かべたサキュバスが、ぎゅううっと拳を握った。
「かる~く20パーセント」
ボッゴオオッ!
ティファがマウントポジションのままレッドの顔面を殴った。その威力はあまりにも凄まじかった。
「ひっぎゃあああッ!」
顔面が砕けた。
レッドはそう確信した。また片手で自分の顔を触る。そこにはまだ顔がついていた。ホっとした瞬間、その右手ごと、
「30パーセント」
ドゴオオオンッ!
ティファの左拳で破壊される。今度は悲鳴すらあげられなかった。拳の直撃を受けたレッドが教室の床に頭部をめりこませて、ぴくぴくと痙攣していく。
「う~ん、30パーセントが限界みたいね」
マウントポジションを継続しながらティファが言う。
「もう少しだけ本気出しただけで死ぬ」
「ひぎいッ! ひい!」
「ほんと男ってザコ」
「ひゃめでえええええ」
「まあ、偉そうだったアイツよりはましだけどね。父親面してたアイツってば、ティファの10パーセントパンチだけで死にそうになって、練習相手にもならなかったもん」
ボゴオンンッ!
間髪入れずに右拳がレッドの顔面にめりこむ。それでも死ななかったレッドを見て、ティファがニンマリと笑った。
「ん、30パーセントで楽しめそう」
「ひゃ・・・・ひゃめで・・・・・」
「連続パンチ、いくわよ?」
そうして始まったのは地獄だった。
大きなお尻で男の体を押し潰し、拘束しながら、ひたすらに拳を叩きこんでいく爆乳サキュバス。その一撃一撃は豪快の一言。レッドの体が痙攣しながら死にむかって歩いていく。
「あはっ、きっもち~」
ドッスウウンンッ!
バッギイイイイッ!
ボッゴオオオオッ!
バギンンンンンッ!
右拳。
左拳。
それが交互にレッドの顔面にたたき込まれていく。
男の顔面に幼いサキュバスの拳がめりこんでいく。
その間もずっとティファは笑顔だった。新しい玩具を与えられた少女のよう。男を殴り、ボコボコにして楽しんでいく。鮮血が舞い―――ティファの頬に血液が飛び散る―――口元に垂れてきたそれをペロリと舐めとってしまった少女の顔には、明らかな愉悦があった。
*
「ん、とりあえずはこんなもんか」
ティファが拳を止めた。
それだけで殴打による轟音が止んだ。シーンと静まり返った教室の中―――爆乳サキュバスがマウントポジションのまま獲物に問いかける。
「ほら、何か言うことないの?」
彼女の視線の先にはボロボロになったレッドがいた。
顔面を破壊され、完全に虫の息になってしまった男。顔面だけでなくガードのためにあげられた両腕も粉砕されていた。もはやピクピク痙攣するだけになり、心を折られてしまった男に選択の余地などなかった。
「・・・・た、じゅ、げ・・・・」
「ん?」
「た・・・たじゅげで、くだひゃい・・・」
涙をボロボロ流しながらの命乞い。
恐怖で顔を歪めた男が少女の前で命乞いを始める。
「ころしゃないで・・・・ころしゃないで・・・・」
「あはっ、ギャン泣きしてる。惨め~」
「ゆるじでええ・・・・お願いしまじゅう・・・・」
「おら、もっと命乞いしろ」
「たじゅげでえ・・・・たじゅげでえ・・・・・・」
「ふっ」
ボッゴオンンッ!
命乞いを続けるレッドの顔面に再びにパンチ。グジャッと潰された男が「ひいいいッ!」と悲鳴をあげて悶え狂った。
「もっと必死にやれ」
「ひいいいいッ! ひいいいッ!」
「でないと、こうだよ?」
ボゴオオンッ!
殴る。すぐに男が絶叫した。
「たじゅげでええええッ! ティファ様ああああッ! ゆるじでくださいいいいッ!」
叫んだ。
歯が欠けてしまった口を大きくあけて、必死に命乞いを続けていく。
「たじゅげでええッ! たじゅげでえええええッ!」
「もっと」
「ゆるじでえええッ! 殺さないでえええええッ!」
「もっとだよ」
「ひゃだああッ! 命だけは勘弁してくださいッ!」
「もっと」
「た、たた、たじゅげでくださいいいいッ!」
怯えて眉を下げた男と、
そんな男の負け犬顔を見下ろしてニンマリ笑う少女。
少しでもレッドの命乞いが小さくなれば容赦なくその顔面に拳がめりこむ。
巨尻による押し潰しは継続。絶対に逃げられない状態でレッドがボコボコにされていく。
「ねえ分かってる? お前のことボコボコにしてるのは、まだ生まれたばかりのサキュバスだよ?」
ニヤニヤ笑いながらティファが続ける。
「わたし何歳だと思う?」
「ひいいいッ! ひいいッ!」
「ティファは3歳だよ」
ニンマリと獲物を見下ろしながら、
「まだ生まれてから3年しか経ってない」
「ひいんッ♡」
「たった3歳のサキュバスに、お前はボコボコにされて、殺されそうになってるの」
レッドが絶句する。
3歳。人間でいえばまだ幼稚園にすらあがっていない年齢だ。そんな幼いサキュバスに、実力でボロ負けして、殺されそうになっている。その屈辱でレッドが悶えていった。
(こんな幼いサキュバスに・・・・この前まで魔王にすら勝てなかった女の子に・・・・殺されそうになってる・・・・・)
ボコボコにされていく。
3歳の少女に殺されていく。
それを自覚してレッドはとうとう一線を超えてしまった。
その体が―――赤く―――赤く輝き始めた。
「あはっ、興奮したね」
バカにしたようにティファが言う。
「殴られて、殺されそうになって、マゾ性癖が刺激されて、興奮しちゃった」
「ひいいいッ! ひいいいッ!」
「興奮して魔力をつくっちゃってる」
「ああああッ! ああああッ!」
「恥ずかしくないの、お前?」
バギイインンッ!
容赦なく殴られる。
それだけでレッドが体を輝かせて魔力をつくっていく。
家畜となった男はただ、
「たじゅげで・・・・たじゅげで・・・・」
命乞いを続けるだけだ。
そこにプライドも何も残っていなかった。
ティファの拳が怖くて命乞いを続けていく。心が完全に折られてしまっている。泣きじゃくった男が3歳児のサキュバスに向かって必死の懇願を続けていた。
「ふっ」
鼻で笑ったティファが、ようやくマウントポジションを解いてやった。
彼女がゆっくりと仁王立ちになる。
急成長した長身サキュバス様が、仰向けに倒れたレッドを冷たく見下ろした。
「惨めだね、お前」
「たじゅげで・・・たじゅげで・・・・」
「あはっ、命乞い続けてる」
「ゆるじで・・・・ゆるじで・・・・・」
「ふっ、潰れろ」
ドッスウンンッ!
ティファの大きな足裏がレッドの顔面を踏み潰した。
少女の足裏が男の顔面にめりこんでしまう。長身爆乳サキュバスが全体重をかけて男の顔を踏み潰しながら、一言、
「舐めろ」
「むううううッ!」
「舐・め・ろ」
命令。
ぐりぐりと踏み潰しの力が強くなる。
レッドが泣きながら舌を動かした。
「うううッ・・・・ぺろぺろ・・・・」
舐めた。
少女の足を―――まだ3歳のサキュバスの足を強制的に舐めさせられてしまった。
「はい、宣言どおりっと」
メスガキじみた笑顔を浮かべてティファが言う。
「始める前に言ったとおりアイツと同じように足舐めさせちゃった」
「うううッ♡」
「ふふっ、あの強かったレッドが、ティファの足裏で踏み潰されてペロペロ舐めてる」
ぶるるるッ♡
ティファの背筋が震え、幼いサキュバスが頬を赤く染めた。
「詩織お姉ちゃんが言ってたとおり、ティファってやっぱり強いんだ」
「じゅぱあッ♡ じゅるるるッ♡」
「あ~、サイコ~♡」
ぐりぐりと踏み潰しながらティファが恍惚とした表情を浮かべる。
その顔は愉悦に染まっている。
ぎゅううううッ!
ひたすら踏み潰してレッドに足裏を舐めさせていく。
じゅぱじゅぱッ♡
男の惨めな唾液音がずっと響いていった。
*
「ん、とりあえず満足」
ティファが笑う。
けれどもサディストのサキュバスがこれくらいで満足するはずがなかった。
彼女は腹ペコだったのだ。
運動をした後にすることなんて決まっていた。
「それじゃ、食事にするか」
ティファがニンマリと笑う。
レッドの顔面を踏み潰して拘束しながら尻尾を動かす。
ティファのお尻から伸びる肉厚な尻尾。生命力に満ち溢れている艶めかしい尻尾の先端が、レッドの眼前に突きつけられた。
「ほら、見える? ティファの尻尾」
「ううう・・・・ぺろぺろ・・・・」
「今からこれでお前のことを食べる」
「むうう・・・ぺろジュバ・・・・」
「ティファの尻尾でお前の体を丸呑みして吸収するんだよ。マゾのお前が興奮してつくった魔力を根こそぎ搾りとる。徹底的に喰ってやるからな?」
尻尾の先端が「くぱあっ♡」と口を広げてレッドに迫った。
それは大きな―――大きな捕食口だった。
尻尾の内部はピンク色の肉壁になっていた。まるで女性器の内部のような形状。ぐねぐねと蠢き、粘着質な愛液が糸を引いている様子は、まさしく獲物を待ち構えている肉食獣そのものだった。
「あ、ああ、あ、ああ」
捕食口を見せつけられて、レッドが絶望する。
逃げようとしてもティファに踏み潰されているので身動きもとれない。
恐怖が限界に達した。
「ひゃだあああッ! ひゃめでええッ!」
「あはっ、暴れ出したな」
「食べないでええッ! 食べないでくださいいッ!」
「暴れてる暴れてる。でも無駄だから(笑)」
「ひいいいいいいッ!」
「おまえみたいなチビなんて踏み潰して簡単に縫いつけにできる。こうやって拘束して、おいしく食べるってわけ」
「た、たた、食べないでくださいいいいいいいッ!」
獲物としての恐怖。
それを感じてレッドが涙をこぼしていく。目の前に迫った尻尾の捕食口、それが自分のことを喰らおうと今か今かと待ち構えている。大きくひらかれた尻尾の捕食口を見れば、自分の体が丸呑みされてしまうことは明らかだった。
(食べられちゃう・・・・・ブラックみたいに・・・・・俺も食べられちゃう・・・・・)
詩織のおっぱいによって仲間が捕食された光景がフラッシュバックする。
絶望しきったブラックがおっぱいに丸呑みされて消えていった。
捕食されて、消化されて、養分にされてしまった。
自分もそうなる。
目の前で「くぱあッ♡」と巨大に開いた捕食口。自分の頭部を丸飲みできてしまうサキュバスの太い尻尾を見せつけられて怯え狂った。
「食べないでええッ! 食べちゃ嫌ですううッ!」
命乞いしながらティファの足裏をぺろぺろと舐めていく。
必死に媚びを売る。3歳児のサキュバス様の慈悲にすがろうとぺろぺろと足裏を舐めていく。一生懸命。全身全霊をかけて。足舐め命乞いをしていく。
「いただきま~す」
そんな獲物の媚び売りなんて無駄だった。
当然だ。獲物がどれだけ喚こうが関係ないのだ。
牛や豚がどんなに鳴いて怖がっても最後には屠殺され、解体され、調理されて、食べられてしまうように―――サキュバスにとっての獲物に過ぎない男は、無残にも食べられてしまうのだ。
「ひゃ、ひゃだあああッムッグウウウッ!」
尻尾の捕食口がレッドを丸呑みした。
ぐばああっ♡とひらいた尻尾の捕食口がレッドの頭部をぱっくんと食べてしまった。
頭部が捕食され、すぐに首まで「グボオオッ♡」と丸呑みされてしまう。
じたばたと暴れるレッドの体がそのまま持ち上げられる。
足が床から離れて、首無し死体になったレッドが宙づりになってしまった。
「むううううッ! むううううッ!」
レッドは必死に暴れていた。
頭部は尻尾内に包みこまれている。
女性器みたいな肉襞で顔面が愛撫され「あひあひ♡」と悶える。
粘着質な愛液で顔面はグジョグジョになる。
すごく甘い匂いで脳みそトびっぱなしだ。恐らく媚薬成分があるのだろう。さきほどから頭が麻痺して発情し、盛大に勃起していた。
(逃げないと・・・・・逃げないと・・・・・・)
レッドが暴れる。
頭頂部から首までを丸呑みされ、宙づりにされた状態で、両腕両足をジタバタさせる。
両手で尻尾をつかんで、頭を引き抜こうとする。
けれども宙づりにされてしまっているせいで踏ん張ることもできない。ぱっくりと丸呑みされた頭部を「むううッ♡」と叫んではずそうとするのだが、どうにもならなかった。
「あはっ♡ 無駄だって♡」
獲物の抵抗を無視して、尻尾の捕食口が少しづつ獲物を食べていく。
さらに大きくひらかれた捕食口が獲物の肩まで丸呑みする。
両腕まで一瞬でパックン♡。恐ろしくも艶めかしいサキュバスの尻尾が、さらに獲物を丸呑みにしていく。すぐに上半身を「グボオオオッ♡」と捕食してしまった。
(ひゃだああッ♡ 食べないでッ♡)
上半身を丸呑みされ、レッドに動かせるのは足だけになってしまった。
女性器のような肉襞がグネグネと蠢いて愛撫されていく。
愛液でぐっじょりと体が濡れ、消化機能もある粘液で溶かされていく。
(食べられちゃってる・・・・ブラックみたいに・・・・・俺、食べられて・・・・)
体が圧迫されて潰される。
逃げ場なんてどこにもない。
それでもやはり食べられたくなかった。
半狂乱になったレッドが、なんとか動かせる両足をパタパタさせて、それ以上食べられないように必死の抵抗を始めた。
「あはっ、足ぱたぱた始めちゃった~」
ティファが笑いながら言う。
「そうなったらもうダメだよ。ティファの尻尾に食べられて足しか動かせなくなった獲物は、足をパタパタさせて、最後には丸呑みされちゃうの。お前も、もうすぐ完全に食べられちゃう」
仁王立ちのサキュバスが鑑賞しながら続ける。
「ティファ、この姿見るのが好きなんだよね~」
「むうううッ! むううううッ!」
「獲物が宙づりにされて、足パタパタさせてるの見るの大好き。惨めな感じがして最高~」
「むうううッ! むううううッ!」
「あはっ、足パタパタの勢いあがった~。命の危険感じてジタバタの勢いがすごいでちゅね~」
ニヤニヤ笑いながら鑑賞が続く。
その間もガボオッガボオッと尻尾の捕食口が獲物を捕食していき、ついには膝の上までがっぼりと丸呑みされてしまった。ティファの尻尾が「ぷっくら♡」と膨らんでいる。それは獲物が捕食されてしまっていることの証拠だった。巨大アナコンダに人間が丸呑みされてしまったみたいに、サキュバスの尻尾によってレッドが食べられていく。
「あ~、すっごいキモチ~」
勝ち誇ったティアがニンマリ笑いながら、
「父親面してたアイツのことも足パタパタさせながらじっくり捕食してやったけど、お前の足パタパタも最高~」
「むうううううッ! むううううッ!」
「膝から下だけで足パタパタ忙しいね~。もう体のほとんど食べられちゃったのにまだ命を諦めないでがんばってる姿、すっごい惨め。ほら、がんばれ、がんばれ」
バカにしたようなティファの声が響く。
その間も尻尾の捕食口が捕食を続け、尻尾の膨らみが大きくなっていく。最後に残った足首がパタパタと動いている。ニンマリとティファが笑った。
「はい、ぱっくん♡」
ガボオオンッ♡
レッドの体がなくなった。
足先まで含めてすべてティファの尻尾に捕食されてしまったのだ。さきほどまで地面で悶え苦しんでいた男の体が丸呑みされてしまった。
「ふふっ、もっと奥まで引きずりこんであげる」
尻尾がぐねぐねと蠢き、獲物であるレッドの体を尻尾の奥底まで引きずりこんでいく。大蛇が獲物を丸呑みして体内で時間をかけて消化するのと同じように、サキュバスの尻尾が獲物を捕食していく。
「は~い、完全捕食の完成っと」
仁王立ちしたティファが自分の尻尾を眺めながら言った。
彼女の視線の先にはぷっくらと膨らんだ尻尾がある。その中に獲物が閉じ込められていることが明白な光景。艶めかしい尻尾の皮膚が妖艶に輝いている。レッドが完全に捕食されてしまった。
「あひい♡・・・あひん♡・・・・・」
尻尾の中からくぐもった喘ぎ声が響いてくる。
まだレッドは生きている。尻尾に完全に食べられて身動き一つとれなくされた状態で生かされ悶えていく。尻尾の中にいながらも、その体がマゾの快感で発光しているのがよく見えた。
「下ごしらえ開始♪」
ぎゅうううううううッ!
ベギバギッベッギイイイッ!
「ぎゃあああああああああッ!」
尻尾の締めつけが始まった。
それと同時にレッドの体がバギベギと潰れていく。
すさまじいほどの締めつけ。ティファの肉厚な尻尾の表面にレッドの顔面がくっきりと現れてしまう。レッドの顔面の形が尻尾の皮に浮き出る。それほどの強さで獲物の体が潰されていく。
「こうやって食べやすくなるように下ごしらえするんだよね」
「ひっぎいいッ! ひゃぎゃああッ!」
「ぎゅっぎゅっと緩急つけて潰して、体力を奪う」
「ぎゃあああッ! ひゃめでええッ!」
「獲物の体を潰して柔らかくしてっと」
「ひっぎいッ! ピッギイッ! ひっぎゃあッ!」
「あはっ、柔らかくなってきた~。お前の体どんどん食べやすくなってくな?」
尻尾の内部が収縮する。
女性器のような肉襞で「ぎゅううううッ♡」とレッドの全身が圧迫される。
尻尾に丸呑みされ、全身を包み込まれながら、ぺちゃんこにされる。
完全に捕食され、全身の骨を砕かれ、食べられやすくされてしまう。
「・・・・ひい・・・・あひ・・・・ひぎ・・・・・」
レッドの悲鳴が弱くなっていく。
ぴくぴくと痙攣するだけになっていく。
下ごしらえが終わったことを確認して、ティファが宣言した。
「吸収開始♪」
ドッグンッ!
抵抗しなくなった獲物に対して尻尾の動きが変わった。
同時にキュイイインッと甲高い音が響く。
大量の赤い魔力が「ドグンッ! ドグンッ!」と脈動しながらティファの体に吸収されていった。尻尾による消化と吸収が始まってしまったのだ。
「ん♡ けっこうおいしい♡」
ティファがうっとりした顔で笑う。
「お前の魔力けっこう上質だね。父親面してたアイツよりうまいよ」
「あひいいッ! ひいんんんッ!」
「よかったね、お前はマゾ家畜としては優秀みたい」
「あひいんッ! ひぎゃああッ!」
「どんどん搾りとる。ほら、ぎゅううううッ」
尻尾が脈動する。
不自然に膨らんだ尻尾が緩急をつけて獲物の体を絞っていく。圧迫と弛緩が繰り返されるとレッドの体から魔力があふれ、それがティファの体に吸収されていった。
(食べられちゃってる♡ 消化、されちゃってる♡)
圧迫されて苦しいはずなのにレッドの頭は快感で麻痺していた。
魔力を奪われて気持ちよくなってしまっている。
食べられる恐怖よりも性的快感が上回ってしまう。
暴れて抵抗することもしないで、尻尾の肉襞に包まれながら、レッドが従順に消化されていく。
「あはっ、どんどん搾りとられていくね~」
ティファがニンマリと笑いながら言う。
「3歳児のサキュバスに大事な魔力を吸収されちゃってる」
「あひいん♡・・・・・ひいいいん♡・・・・」
「またティファとお前の差がひらいちゃうね」
「かひゅうう・・・・かひゅうう・・・・・」
「ん、ちょっと出荷量落ちてきたかな。でも大丈夫。そういう時はこうしてっと」
ぎゅうううううううううッ!
ベギバギベッギイイイイッ!
「ぎゃあああああああああああああああッ!」
尻尾の締めつけが強くなった。
獲物の肉と骨が砕かれ搾りとられる。
レッドの顔面だけでなく両手両足の形までが尻尾の分厚い皮膚に浮き出てくる。それと同時に少なくなっていた魔力が強制的に溢れてきて、ティファの体に吸収されていった。
「は~い、搾りとれました~」
ニンマリ笑ってティファが言う。
「絞りかすになるまでお前の魔力を搾りとってやるからな。こうやって尻尾で限界まで締めつければ、お前の体から魔力が絞り出てくる。あはっ、ティファこれ得意だから、お前の魔力がなくなるまで効率的に搾りつくしてやるよ」
ぎゅうううううううッ!
バギバギバギベギイッ!
搾りとりが続く。
悲鳴すらあげられなくなったレッドがティファの尻尾の中で魔力を搾りとられていく。
そんな哀れな獲物のことを3歳児の長身爆乳サキュバスがニンマリと鑑賞していった。
*
どれくらい時間が経過したのだろう。
いつの間にか体の圧迫感がなくなっていることにレッドは気づいた。
指が動く。
手が動く。
腕が動く。
足が動く。
そこまでピクピク体が動いて、ようやく自分の体が尻尾から解放されていることにレッドが気づいた。
「あ、レッドさん、ようやく起きたんですね」
その声にレッドがビクンと震える。
詩織とティファがニンマリとこちらを見下ろしていた。
「うわっ、レッドさんの体、まじまじと見るとすごいですね。ティファちゃんの粘膜で、生まれたての羊みたい」
詩織の指摘。
ちらっとレッドが自分の体を見つめて、驚愕した。。
「う、わ」
透明な膜みたいなものが体中を包み込むようについている。それはかなり粘着質な粘膜で、とろうとしても手にまとわりついてきて、少しもとれなかった。
「ちょっと詩織お姉ちゃん、ティファの粘膜って、なんか恥ずかしいからやめてよ」
「え~、だって粘膜じゃない。効率的な吸収のために尻尾内で獲物を包み込むんでしょ?」
「まあ、それはそうだけど」
「恥ずかしがることないって、だってそのおかげで、短時間でこんなに吸収できちゃうんだから」
ニンマリと笑った詩織がレッドを見下ろす。
レッドが「ひい」と悲鳴を漏らして―――気づいてしまった。
「あ、あ、あ、あ」
自分の体。
それが見る影もなく変貌していた。干からびて細くなってしまっている。骨にはかろうじて肉がついているだけだった。その肉だって土色に変形していた。老人みたいな皮膚。絡みついている粘膜をとりのぞけなかったのは、筋肉がなくなって自分の体が弱くなっていたからなのだ。
(吸収されちゃったんだ・・・・・俺の魔力・・・・・生命力も、ティファに)
自分のことを見下ろしてくるティファの姿が恐ろしい。
幼いサキュバスだからと舐めていた相手に完膚なきまでに敗北して、吸収されてしまった。そのせいで目の前の敵はますます強くなっている。生命力に溢れたティファのことを絶望して見上げるしかない。
(勝てない・・・・・俺じゃ・・・・詩織だけでなく、ティファにも勝てない・・・・・)
青ざめる。
それを見下ろした詩織が一言、
「レッドさんだけじゃありませんよ」
「え?」
「ほら、もう終わったみたいです」
ちらっとティファの尻尾を見つめながらの言葉。そちらに視線をやったレッドが次の瞬間には驚愕することになった。
「ほいっ、吸収完了っと」
どばああっ!
ティファの尻尾から物体が吐き出されてきた。それはレッドと同じように白いネバネバした粘膜に包まれていた。レッドの足下に転がってきた物体―――それは変わり果てた姿になったイエローだった。
「ああああッ! ああああッ!」
自分と同じようにボコボコにされて、骨と皮になるまで搾り尽くされてしまった後輩の姿にレッドが戦慄する。
なんとか助けだそうとイエローの体から粘膜をとり除こうするのだが、手にとっても粘膜は形を変えてこべりついてくるばかりだった。エイリアンに吸収されてしまった犠牲者みたい。サキュバスから魔力吸収を受けた後輩が生死の境をさまよっている。
「この短時間で、二人まとめて吸収したんだよ」
種明かしするようにティファが言った。
「お前が気絶してる間にこいつのこともボコしてマゾ調教してから丸呑みしてやった。こいつの魔力はおいしくなくてさ~。量で補おうと思って絞りかすになっても吸収してたら、死にそうになっちゃって、焦ったよね~」
ニヤニヤと笑いながらの言葉。
レッドはガクガクと震えるしかなかった。
「ティファお姉ちゃんばかりずるいよ」
そんな二人の輪にエイファが入ってくる。
ピンク色の垂れ目がちな瞳を浮かべた女性。ティファに比べれば身長が若干低いが2メートル近い身長と爆乳であることに変わりなかった。
「エイファもこいつら食べたかったのに」
「ごめんって。明日はエイファに譲るからさ」
「本当?」
「ほんとほんと。だから機嫌なおしてよ」
姉妹のかわいらしい会話。
しかしその実態は目の前の獲物を優先的に食べるのはどちらなのかという食事の話し合いに他ならなかった。獲物であるレッドは「ひい♡」と悲鳴を漏らして、ガクガクと震えるしかない。
「それじゃあ、明日に備えて下ごしらえしよっか」
詩織が姉妹にむかって言う。
幼いサキュバスたちが「は~い」と元気よく返事をして、勢いよくレッドとイエローの顔面を踏み潰した。
「「舐めろ」」
「「ひいいいんんッ!」」
命令されて男たちが従う。
気絶していたイエローも踏み潰しの激痛ですぐに目覚めてしまい、サキュバスの足をぺろぺろと舐め始めた。
「かわりばんこに舐めさせるからな?」
「ちゃんと舐めないとお仕置きですよ?」
「年下のサキュバスの足を永遠に舐めさせる」
「ぺろぺろ一生懸命舐め続けてくださいね」
ぎゅうううううううッ!
ベギバギベッギイイッ!
ティファがレッドの顔面を。
エイファがイエローの顔面を。
容赦なく踏み潰して足裏を舐めさせていく。
その狙いは明らかだった。
レッドたちの体が輝いて魔力を生み出していく。
詩織たちがニンマリと笑った。
「マゾ家畜のみなさん、がんばってくださいね」
長身女性様たちが男たちを見下ろす。
その壁みたいに大きな体に気圧された男たちが「あひあひ♡」言いながら必死に舐めていく。十分な魔力が回復し、明日のための下ごしらえが完了するまで、それはずっと続いた。
つづく