カナタ様は部活動にのめりこんでいった。
これまで我慢してきた反動で過激になっている。
俺は毎日のように殴られた。
「おら、逃げろ逃げろ♡」
ニヤニヤしたカナタ様からリングの中で追われる。
巨大なボクシンググローブを装着したカナタ様が迫ってくる。
露出が大目で、ホットパンツにヘソ出しタンクトップという舐めた格好に身を包んだ長身女性様。その太ももの筋肉が躍動し、割れた腹筋が下半身の力を上半身に伝え、爆乳を揺らして俺をタコ殴りにしていく。
ぼっごおおっ♡
ベッギイイッ♡
ばぎいいいッ♡
俺はなすすべもなかった。
カナタ様のパンチは洗練されながらも野性味を感じさせるもので、逃げることもガードすることもできない。カナタ様の拳が俺の体を貫いていく。顔面は腫れあがり、視界が狭くなる。頭がグラグラし、足腰がガクガクする。俺にできるのは、ただ、
「ひゃめでえッ♡ もう殴らないでええッ♡」
必死に命乞いすることだけだ。
これはボクシングのスパーなのに。
戦わなければいけないのに。
勝利を目指して挑まなければならない対戦相手に対して、必死に命乞いをすることしかできなかった。
「あはっ、サイコー♡」
しかし俺の命乞いは逆効果でしかない。
生粋のサディストであるカナタ様は俺の命乞いを鑑賞し、楽しみ、ますます俺のことを殴っていく。猫がネズミをいたぶるみたいに。妹が兄である俺をボコって楽しんでいった。
(怖い・・・・・カナタ様が怖い・・・・・)
嗤っている妹。
こんなにも残酷なことをしているのに楽しんでいるカナタ様。
さらには俺よりも数倍は巨大な肉体の迫力。
それをまじまじと味わい、その強烈なパンチで脳みそを揺らされ、ズタボロにされていく。勝てない。妹に勝てない。同じ両親から生まれた年下の妹に完敗する。それが屈辱的で、それなのに俺は勃起してしまっていた。
「んふっ♡ 順調順調♡」
カナタ様が俺の股間を見下ろしつぶやく。
「しっかり調教してやるからな?」
ぼごおおッ♡
めっしいッ♡
手加減パンチが俺を貫く。
ニヤニヤと余裕そうに笑いながら、何度も何度もパンチを放ってくる。俺は防戦一方となって、防戦だって満足にできずに体を痛めつけられていく。両腕を持ちあげガードもできなくなる。限界だった。
(倒れる・・・・・もう、倒れて・・・・・)
楽になれる。
リングに倒れてしまえば少しの間は休める。
そんな希望にすがってしまった俺の体から力がなくなる。
ゆっくりと俺の体が倒れて、
「あーしの許可なく何ダウンしようとしてんの?」
がっしいいいいッ♡
「ひいいいいいいいいいいいッ♡」
カナタ様が両拳で俺の頭部を左右から挟みこんでしまった。
返り血まみれのボクシンググローブが俺の両頬に食い込んでくる。あまりにも巨大なグローブのせいで、俺の頭部が左右からすっぽりと埋まってしまうような格好だ。拳と拳で俺の頭部がサンドイッチにされてしまった。
「持ちあげるぞ?」
「あああああッ♡」
そして簡単に持ちあげられてしまう。
拳と拳で頭部を挟まれたまま、浮遊感と共に俺の足がリングから離れる。宙づりにされる。それだけの身長差が俺たちの間にはあった。堂々と仁王立ちしたカナタ様と同じ視線になる。はるか高みに持ちあげられて高所恐怖症になりそう。怯える俺のことをカナタ様がニンマリと鑑賞していた。
「あはっ、マジでチビだよね、にーにって」
「ひいん♡」
「妹に持ちあげられて宙づりにされちゃった」
「あひん♡」
「チビ過ぎて足ブラブラさせちゃってる。妹のボクシンググローブで挟まれて軽い荷物みたいに扱われちゃってるな?」
言葉で責められる。
俺がどんなに劣っているかを教えられる。
身長が違いすぎる。
体の分厚さだって段違いだった。
絶対上位人種。
女の子様には勝てない。
それを分からされて、ますます勃起した。
カナタ様がニンマリと嗤って、俺の耳元で、
「チ~~~~~~~ビ♡」
「ひいいいいいいんん♡」
ねっとりと囁かれて体が「びくんっ♡」と跳ねる。
宙づりにされながら体が痙攣していく。
脳みそがイき、絶頂しているのが分かる。
なぜそんな反応をしてしまうのか自分でも分からず、俺は混乱してしまった。
「ふっ♡ 順調順調♡」
カナタ様がニンマリと嗤う。
その目力たっぷりな視線に貫かれて、体がまた痙攣する。
妹の拳と拳で側頭部を挟み潰されながら鑑賞物にされている。
そう思えば思うほどにますます「ぴくぴくっ♡」と痙攣が激しくなってしまった。
「とりあえず、これで終わりにしてやんよ」
どさっ♡
解放されて俺の体がリングに落ちる。
尻もちをつくように倒れて一歩も動けない。
ハアハアと荒く肩で息をして呼吸を整えようと、
「忠誠」
「ひいんッ♡」
カナタ様の命令に俺の体が悦んで従ってしまう。
仁王立ちになったカナタ様の足下に正座となり、頭を下げる。
そしてその大きな足の甲に口づけするのだ。
妹の足に忠誠を誓う。
唇を恭しく押しつけ、そのまま姿勢を維持する。
正座で頭を下げて口づけする姿は、妹にむかって土下座するのと同じだった。
「次、掃除♡」
「ふぁい♡」
顔をあげて、カナタ様の足首を両手でつかむ。
その「ずっしり♡」と重い片足を持ちあげて、大きな足裏に顔を近づける。ボクシングブーツを着用もしていない生足。俺の顔面を覆い隠してしまえるほどの足裏に顔を近づけ、そして、
「ぺろ♡ ぺろぺろ♡」
舐め始めた。
舌を出して妹の足裏を舐める。
ぺろぺろと。
アイスクリームでも舐めるみたいに。
素足で歩いて汚れた妹の足裏に舌を這わせていった。
「ん♡ きもち♡」
仁王立ちになったカナタ様が妖艶に嗤う。
「すっかり足舐めがうまくなったな、にーに」
「じゅぱあッ♡ じゅるるるッ♡」
「あはっ、もうすっかり夢中じゃん。そんなにあーしの足好きか?」
「ジュルジュルッ♡ れろれろ♡」
「ふっ、マジで才能あるよ、にーに。足舐めの才能にあふれてる。これなら女尊男卑なこの社会でも十分やってける。女の子様に気に入られて、立身出世も夢じゃない」
まあでも、と。
カナタ様がニンマリ嗤って、
「にーにはずっと、あーしのモンだけどな♡」
ぐじゃあああッ♡
足舐めしている俺をカナタ様が踏み潰す。
正座の格好を維持できなくなって、そのままあおむけに倒され、顔面を踏み潰される。「ぐりぐりっ♡」とねちっこい踏み潰し。大きな足裏に体重がこもって俺の顔面が潰される。柔らかい足裏の肉が俺の頭部を軋ませていく。俺よりも巨大で強い妹の足裏で踏み潰されていると、やはりなぜか俺の体が「びくんっ♡」と跳ねてしまった。
*
カナタ様はますますボクシングにのめりこんでいく。
彼女が指名する練習相手はいつも俺だった。
ほかの男には目もくれずに、俺のことをボコボコにしては嬉しそうに嗤っている。試合で殴り、練習で殴る。今日は俺のことをサンドバックにしてパンチの練習を始めてしまった。
「あはっ♡ にーにってばサンドバックも似合ってるな♡」
変わり果てた俺の姿を見てカナタ様が言う。
俺はサンドバックにくくりつけられてしまっていた。
両手両足を直立不動の格好にさせられながら、本物の黒いサンドバックにくくりつけられ、宙づりにされている。さきほどからちょっとの衝撃でサンドバックが「ぶらぶら♡」と揺れ、それにあわせて俺の体も揺れてしまっていた。
「カナタ様♡ ひゃめでください♡」
文字どおりサンドバックと化した俺には命乞いしかできない。
俺の体をサンドバックにくくりつけているのは女の子様の能力だった。
観測したことを現実化してしまう恐ろしい能力。
奈津実ちゃんが体育館で見せた能力を、カナタ様も当然に使える。どんなに暴れても俺の体がサンドバックから解放されることはない。透明な何か得体の知れないもので俺の体が締めつけられ、サンドバックにくくりつけられてしまっている。俺は直立不動の格好のまま、目の前の妹に許しを乞うしかなかった。
「おらっ、サンドバックが喋んな!」
めっっしいいいいッ♡
カナタ様の拳が俺の胴体にめりこんだ。
しかもカナタ様はボクシンググローブを装着していなかった。
裸拳だ。
本来ならば拳を痛めるために厳禁とされている裸の拳。「ぎゅううッ♡」と握りしめられた巨大な拳で直に腹を殴られ、俺は嗚咽まじりの絶叫を「ぎゃあああああッ♡」と漏らしてのたうちまわった。
「すごいだろ、あーしの拳♡」
「ひいんッ♡」
「能力で拳を強化してっからなー。これなら全力で殴れる♡」
「ひゃめで♡」
「女の子様が全力で殴ったら男なんてひとたまりもないらしいぞ? 肉がそげ落ちてすぐ骨だけになる。おまえもそれくらいに殴りまくってやろうか?」
ギュウウウッ♡
握りしめられた拳骨を突きつけられる。
大きな拳だ♡
指の関節が凶器になってる♡
女の子様が持つ大量破壊兵器♡
そんなものを目の前に突きつけられたら怯えるしかない。
俺は「ひいひい♡」悶えて、自分からサンドバックであることを受け入れてしまった。
「うし♡ じゃ、殴るな?」
どっすうんッ♡
ベッギイイッ♡
バギイイイッ♡
そしてカナタ様がサンドバックを殴り始める。
俺の体に妹の裸拳が突き刺さっていく。
大きめのボクシンググローブでダメージが相殺されることもない。
ごく単純な物理兵器が俺の体を壊していく。明らかに手加減されているのに俺の体では耐えられない。顔面からつま先まで、まんべんなく殴られる。目の前にはニンマリ嗤った楽しそうな妹の巨体がある。ムチムチ女体様が躍動感たっぷりに跳ねて、爆乳が「ぶるんっ♡」と揺れ、皮下脂肪たっぷりの太ももが「むちっ♡」とふんばり、殴られる。生きた心地がしなかった。
「あはっ♡ すげえー、にーにの体、あーしの拳の痕で埋め尽くされちったな?」
久しぶりにカナタ様がパンチを止めてくれた。
俺は元の3倍には腫れ上がった顔面をさらして、痛みと無力感で心を完全に折られてしまっていた。
「ゆ・・・る・・・じで・・・・ゆる・・じ・・・で・・・・・」
かぼそい声で命乞いするしかない。
カナタ様の言葉どおり、俺の体には妹の拳の痕が刻み込まれてしまっていた。裸拳の形がそのままに俺の体を埋め尽くしている。まるで名前を刻むかのように、カナタ様は自分の拳を刻み、俺が誰のものなのか、周囲にアピールしてしまったのだ。
「すっごくエロい♡ 腕とかコレ折れてるよね?」
「・・・たじゅ・・・げ・・で・・・・・・・」
「うわっ、足の大腿骨も折れてる♡ これもう二度と歩けないっしょ」
「ひゃ・・めで・・・・も・・・う・・・殴・・・らな・・いで・・・・・」
「満身創痍ってこのことだね~♡ あはっ、すっげえ興奮してきた。もっと殴ろう♡」
カナタ様がサディストとして興奮している。
俺のことを再起不能に殴りまくったというのにまだ殴り足りないというのだ。俺は折られた腕と脚の感覚がないまま、全身の激痛で悲鳴をあげ、「たじゅげでえええッ♡」と絶叫する。しかしそれも無駄だった。ニンマリとカナタ様が嗤って、
「その前に回復させとかなきゃな♡」
カナタ様が両手を前に突き出す。
その手のひらから聖なる光の粒子が放出されて、俺の体を包み込んだ。
癒やしの光だ。
心地良い。目がトロンとしてしまう。まるで母胎にかえったみたいな安心感。光の粒子が消えてなくなった時、傷だらけだったはずの俺の体が元に戻っていた。驚きで声も出せないでいると、カナタ様が、
「女の子様の能力つかって回復させといたぞ♡」
「ひ♡」
「折れてた骨とかもぜんぶ繋げといた♡」
「あ♡」
「きゃはっ♡ これでまたもう一回、死ぬ寸前まで殴れるな?」
その言葉で天国から地獄に落とされる。
俺を回復させてくれたのは優しさではないのだ。
また心おきなく殴るため。
そのためだけにカナタ様は俺のことを回復させたのだった。
「ゆ」
俺の口から絶叫がほとばしった。
「ゆるじでええええええええええええッ♡」
泣き叫ぶ。
サンドバックにくくりつけられた体を必死に暴れさせながら許しを乞う。暴れているのは逃げるためではない。俺がどんなに本気で命乞いしているのか分かってもらうために暴れているのだ。涙をボロボロ流しながら、眉を八の字にして、全身全霊をこめて命乞いを続けた。
「あはっ♡ サイコー♡」
そんな俺のことを仁王立ちで鑑賞するカナタ様が続ける。
「にーにの命乞いは何度聞いてもいい♡ マジで興奮する♡」
「たじゅげでええええッ♡ カナタ様あああああッ♡」
「あはっ♡ ギャン泣きしてんな?」
「ゆるじでえええええッ♡ もう殴らないでええッ♡」
「そうか♡ そんなに殴られたくないか♡」
「はひいいいいいいいッ♡ 殴らないでええええッ♡ 強すぎますううううッ♡ カナタ様のパンチ強すぎるのおおおッ♡ だからもう殴るの止めてくだしゃいいいッ♡」
妹にむかっての命乞い。
本来なら情けない状況。
俺よりも身長が高くて強い妹に命乞いする。
それなのになぜか興奮した。
絶叫すればするほど俺の肉棒がバギバギに勃起していくのが分かる。本当に俺の体はどうなってしまったのだろうか。
「よし、なら舐めろ♡」
ぶううんっ♡
寸止めのパンチが俺の眼前に炸裂する。
俺ごときでは視認すらできなかった強烈なパンチが俺の顔面スレスレで止まっている。パンチの風圧で鼻が折れそう。俺の目の前には「ぎゅうううっ♡」と握られたカナタ様の拳骨があり、その力強さと禍々しさで俺の体が「びくんっ♡」と跳ねた。
「本気で殴られたくなかったら舐めろ♡」
「ひいん♡」
「手加減してもらいたかったら、あーしの拳を舐めて媚び売りしろ♡」
「ああん♡」
「ほら、はやく、」
カナタ様がニンマリ嗤って、
「舐・め・ろ♡」
「ひいいいいいいいんッ♡」
ぺろぺろッ♡
舐めた。
俺の返り血まみれの拳を舐める。
舌を這わせて、その堅さと強さを感じ、体が跳ねる。
舐めれば舐めるほどに俺の体の痙攣は強くなっていった。
俺よりも強い妹の拳骨。
その禍々しい骨の形にあわせてご奉仕していく。
涙をボロボロ流しながら必死に舐めていった。
「あはっ♡ 舐めてる舐めてる♡」
「ぺろぺろっ♡ じゅぱあああ♡」
「妹の拳骨、必死に舐めてるな♡」
「じゅるじゅるッ♡ れろれろ♡」
「言っとくけど、あーしは手加減してやるとしか言ってないからな? これからまた、にーにをブン殴る♡ ぷぷっ、にーには今これから自分のこと殴ってくる拳骨にご奉仕してるんだよ♡ 「たじゅげでええッ♡」「手加減してくだちゃーい♡」って必死に媚び売ってる。惨めだな?」
煽られる。
それでも俺は舐めるのを止めない。
俺よりも強い妹の拳にご奉仕する。
舌を這わせれば這わせるほどに、俺の体が快感で跳ね、何か大きなものに守られているというような、そんな気持ちにさせられるのだった。
*
部活動は続く。
女の子様が男子を指導する。
それがどの部活でも基本的な役割分担だった。
新入生である女の子様も例外なく、男子の指導にあたっていた。
「おら、にーに、腹筋鍛えっぞ♡」
基礎体力の向上。
その指導のために、カナタ様が近づいてくる。
爆乳を揺らし、長い美脚を躍動させて、極上の女体が迫ってくる。野性味あふれる長身女性様の肉体。鍛えあげられた妹の体を見ていると、自分との格差を思い知らされるようだった。
「しっかり耐えろよ?」
ぼっごおおおん♡
ニンマリ嗤ったカナタ様が俺の腹を殴る。
アッパー気味に放たれたパンチが俺の腹を串刺しにする。
そのまま吹き飛んで解放されたいのだが、カナタ様の左手によってがっちりと俺の両手首が掴まれ、拘束されているためそれも叶わない。強引に立たされたまま腹を殴られ、俺は悶絶した。
「おええええええええええええッ♡」
胃の中身が逆流しそうになる。
カナタ様の右拳が俺の腹を貫通してしまったのではないか。
そう思うほどの一撃でのたうちまわる。
倒れたいのに両腕がつかまれ宙づりにされているからそれも無理だ。痛みと苦しみでジタバタと足踏みして、なんとか腹パンの衝撃を逃がそうとするのだが、
「ほい、二発目♡」
「ぐえええええええええええッ♡」
カナタ様の二発目のパンチが情け容赦なく炸裂する。
べっこり♡
俺の腹にめりこんだ右拳が致命的なダメージを俺の内蔵に与えてくる。カナタ様のパンチにかかれば俺の腹筋なんて紙切れみたいなものだった。妹の拳で腹筋を破壊され、内臓を痛めつけられる。涙がボロボロと流れて仕方なかった。
「あはっ♡ にーに、すっげえ苦しそうだな♡」
「おえええッ♡ んぼおおッ♡」
「えづいてるえづいてる♡ エッロ♡」
「かぎゅう―――カヒュウッ―――♡」
「腹パンされて息できないな? それもこれも、にーにの腹筋が貧弱過ぎるのが悪いんだよ。あーしのパンチで腹筋に刺激を与えて、しっかり筋肥大しような♡」
ぎゅううううッ♡
カナタ様の右拳が握られる。
その音を聞かされて条件反射的に怯える。
俺の腹をひたすらパンチして、俺の腹筋を鍛えようとしているカナタ様。確かにそういう練習はあるが、しかしカナタ様のパンチは規格外過ぎた。こんなのくらったらトレーニングどころか致命傷になりかねない。
(ゆるじで♡ カナタ様♡ ゆるじで♡)
必死に命乞いしようする。
けれども腹パンの影響で呼吸ができず、息を吐くこともできなかった。言葉を発することもできない。口をパクパク動かすだけ。陸揚げされた魚みたいに口を動かし命乞いしようとして、腹パンの苦しみで悶える。俺にできることは涙をボロボロ流しながら媚び売りの視線を妹に向けることだけ。許してもらおうと「くううん♡」と捨てられた犬みたいな瞳を浮かべる。妹に命乞いする。もう殴られたくなくて、自分のプライドなんてかなぐり捨てて、必死に妹の慈悲を乞おうと、
「おらっ♡」
どっっすううんんんッ♡
「おぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼッ♡」
致命的な腹パンが炸裂し、俺は吐いた。
腹筋が破壊され、胃袋そのものを殴られて、そのまま吐瀉物をまき散らす。神聖なリングの上に吐きまくる。胃がひっくりかえったみたいに逆流して、ゲボが止まらなかった。断続的にそれが続き、最後に胃液だけになって、それもようやく終わった。
「あはっ♡ すげえ吐いたな、にーに♡」
「あひん♡ ひいん♡」
「ほら見ろよ♡ にーにの腹、まだべっこりへこんでる♡」
言葉どおりだった。
俺の腹が不自然なまでに陥没してしまっている。
内臓があるべきところが「べっこり♡」とへこんだまま元に戻ってくれない。
自分の体が致命的なダメージを受けている。
その光景に恐怖した俺は、心の底から、
「ひゃめで♡」
「ん?」
「殴らないで♡ もう殴らないでください♡」
「そうか♡ そんなに殴られたくないか♡」
「はひいいいいッ♡ もう殴らないでくださいいいッ♡」
ゲボまみれの口で絶叫する。
胃液が喉にからみついて痛い。
涙がボロボロ流れてくる。
けれどもカナタ様のほうが恐ろしかった。
彼女はニンマリと笑って、
「うし♡ じゃあ吐き出したもの舐めてキレイにしろ♡」
徹底的な加虐趣味。
妹が兄である俺を虐めて興奮している。
「リングにまき散ったゲボを食って胃袋に戻せ」
「ひいいいいッ♡」
「できるよな?」
「あああああッ♡」
「で・き・る・よ・な?」
凄まれる。
それだけで、
「はひいいいいッ♡ できましゅうううッ♡」
俺はリングにたまったゲボに顔を突っ込んだ。
四つん這いになって顔をゲボに突っ込み、「ずぼぼぼぼッ♡」とすすった。形容しがたいすっぱい匂いが脳みそを侵食してくる。飲めない。こんなの飲めない。そんな脳みその判断が、恐怖で狂った俺の肉体によって拒否される。
「ゴキュンッ♡ ごきゅごきゅッ♡」
飲み込む。
ゲボをすすって口にためて飲む。
喉にからみついて異臭が鼻から脳みそに達する。
それでも止めない。
カナタ様が怖すぎるから。
これ以上殴られたくないから。
俺は必死にゲボを食べていった。
「うわっ♡ ほんとにゲボ食い始めた♡」
カナタ様がその巨体をかがみこませて、俺のゲボ食いを鑑賞し始める。
「うまい? にーに♡」
「あひい♡」
「ねえ、自分のゲボ、うまいの?」
「ひいん♡」
「妹に腹パンされて吐き出したゲボ、妹に命令されただけで舐め食わされて、おいしい?」
煽られる。
それだけで体が跳ねた。
肉棒がこれ以上ないほど勃起している。
カナタ様の壮絶な笑顔を見れば見るほど興奮してしまった。
(なんで・・・・こんなことされてるのに・・・・・俺、悦んじゃってる♡・・・・・)
自分の感覚が分からない。
けっきょく俺は「はいいいいッ♡ おいしいですうう♡」と言わされて、ますます興奮してしまう。そんな俺の髪の毛をつかんだカナタ様が、俺の顔面をゲボ山に叩きつけてさらに食わせていく。自分のゲボで溺れながら虐められていく。勃起した肉棒だけが萎えることなく、ずっと固いままだった。
「にーにの顔、マジでエロい♡」
カナタ様がニンマリ嗤って、
「ぜってえ逃がさねえからな♡ 覚悟しろよ、にーに♡」
# 12
部活動が終わっても解放されない。
俺とカナタは女子寮で生活しているのだ。
衣食住すべてが一緒。
すぐ隣に俺とは比べものにならないほど長身で強い女の子様が同居している。
カナタがただ歩くだけで俺は恐れおののく。
爆乳と爆尻。さらにはムチムチして逞しい美脚様が視界に入り「ひいっ♡」と悲鳴をあげてしまう。露出が多い服装で家の中を歩くカナタの肉体は脅威でしかなかった。ボクシング部で毎日のようにタコ殴りにされている俺にとっては恐怖の対象でしかない。
―――しかし、
―――家で二人きりでいる時と、学校にいる時とでは、俺たちの関係は違ったものになっていた。
「二人でいる時には「カナタ様」って禁止な?」
俺とカナタ様の関係が一変した直後のことだ。
家に戻って二人っきりになった時に、カナタ様は言った。
顔を赤らめてそっぽを向きながらの言葉。
長年の付き合いがある俺は、それがカナタ様の照れ隠しであることがすぐに分かった。
「二人っきりの時には、今までどおり、あーしのこと妹として扱え」
「え、いや、でも、」
「扱え」
「は、はい」
「敬語も禁止」
そんなことを言ってどこかに行ってしまう。
おそらく照れくさくて耐えられなくなったのだろう。
ナマイキだが妙に甘えん坊でもあったカナタの姿は、女の子様として成長する前のカナタを思わせるもので、俺は妙に嬉しくなった。だから妹の希望をかなえてやろうとそう思った。
―――学校では支配者と服従者。
―――家の中では妹と兄。
それが俺たちの新しい関係性だった。
*
「うまいか? カナタ」
食事の準備はもちろん俺の役割だった。
学校に入学する前から料理はしてきたので慣れている。
カナタが好きな料理ばかりを並べてやる。
男の俺では食べられないすごい量だ。
それをカナタは凄まじい食欲で捕食していた。
「うん、うまい! やっぱ、にーにのご飯が一番だよね」
満面の笑みで言う。
学校での支配者の顔ではない。
少しナマイキなところのある甘えん坊の表情だ。
家の中でのカナタはことあるごとに俺に甘えるようになっていた。
「ほら、野菜も食え」
「えー、野菜きらーい」
「好き嫌いはよくないぞ、カナタ」
「はーい」
なんだかんだで俺の言うことを聞いてくれる。
山盛りのサラダをムシャムシャとあっという間に食べていく。
その無尽蔵の食欲に、やはり格差を感じて、なぜか股間が反応してしまう。それを必死に隠しながら俺も食べていく。カナタの5分の1くらいのご飯を食べてお腹いっぱいになって、ますます妹の肉体と差がひらいていくのを感じ、半勃起してしまった。
*
「ふう、こんなもんか」
食後の洗い物をすませる。
面倒くさい作業だったが、これもカナタのためなんだと思うと何故か興奮した。日常生活でもご奉仕していく。俺よりも優秀な女の子様の役にたっていると思うと、それだけで幸福な気分になってしまった。
(ダメだ。家の中では兄と妹なんだ・・・・・学校でのことは忘れないと・・・・・・)
頭を振って雑念を遮る。
キッチンからリビングへ移動する。ソファーに腰かけテレビを見ていたカナタの姿が視界に入り、「う♡」と呻いてしまった。
(で、でけええええええッ♡)
カナタはタンクトップ姿で爆乳の谷間をさらしていた。
ヘソ出しの格好なので「バギバギ♡」に割れた腹筋がさらされている。ホットパンツからもりあがった爆尻がソファーに接着してあふれかえっている。それよりも何よりも、丈の短いホットパンツから伸びる脚線美にすべてを持っていかれてしまった。
(脚組んだカナタの太もも、やばすぎいいいいッ♡)
長い脚だ。
ムチムチしている。
妖艶で淫乱で男の性欲を刺激する兵器みたいな美脚。それなのに、カナタの脚は俺なんて簡単に殺してしまえるほどの力をもっているのだ。それが怖くて―――なぜか興奮してしまった。
「見すぎじゃね、にーに♡」
「あ♡」
いつの間にかカナタが俺のことを見つめていた。
ニヤニヤとした猫みたいな視線が俺のことを貫いている。
「妹の脚、そんなに好きなん?」
「う♡」
「いっつも、あーしの脚見てるよねー」
「あ♡」
「ふっ♡ こんな太い脚に欲情してんの、バカ丸出しなんだけど♡」
がばあっ♡
カナタが脚を組み直した。
豪快な旋回を描くようにして上になる太ももが変わる。むっちりとしていながら凶悪な筋肉が浮かびあがってきて、またしても思わず凝視してしまった。
「ほら、また見てる♡」
「う♡」
「まあいいや。にーに、ここ座れよ」
「ひ♡」
「あーしの足下で正座しろ♡ ほら、間近で見せてやんよ♡」
俺の体が「ふらふら♡」と歩き出す。
言われたとおりに妹の足下で正座する。
ソファーに座った長身女性様の足下でひざまづく。
そして見上げるのだ。
巨大な山みたいになって蛍光灯の光すら遮って見えるカナタの巨体を見上げ、「ひいん♡」と声が漏れてしまった。
「ほい♡」
その瞬間、カナタが俺の肩に脚を乗せた。
ちょうど、ふくらはぎが俺の肩に乗っている。ソファーに座ったままの妹がその長い脚を無造作に伸ばして、俺の肩を足置きにしてしまった。
「ん♡ チビの肩は足置きにぴったり♡」
「ひいん♡」
「にーにの両肩、妹の足置きとして優秀だな♡」
「ああん♡」
「ほーれ、にーにの大好きな妹の脚だぞー」
ぐにゃあッ♡
俺の両肩に乗ったふくらはぎが閉じられる。
カモシカみたいなふくらはぎが、俺の頭部を左右から挟みこんでしまった。柔らかいながらも弾力のあるふくらはぎが俺の両頬に優しく食いこんできて、それだけで「ひいいいいんんッ♡」と声が漏れてしまった。
「ふっ♡ これならもうヤっちゃっていいかな♡」
カナタがニンマリと笑う。
「最後に試してみるか」
独り言のようにつぶやかれた妹の声。
それも俺の耳には届かず、至近距離から見る妹の太ももの力強さと、ふくらはぎの弾力で悶絶していく。当然のように勃起した俺の股間を見下ろすと、カナタがイタズラでもするかのように、
「ほれ♡ でっかい足裏♡」
「あああああああんんッ♡」
俺の両肩に乗っていた脚が離れる。
すぐに大きな足裏が俺の眼前に突きつけられた。
長身女性様の巨大な足裏。
むわっとした匂いが鼻につくほど至近距離で迫力満点の足裏を見せつけられてしまう。
(潰されちゃう♡ この大きな足裏で潰されちゃうよおおッ♡)
まだ俺の顔面に触れてもいない。
それなのに視覚情報だけでノックアウトだった。
この巨大な足裏が少しでも動けば俺は潰される。
ぺっちゃんこ♡
ミジンコみたいに潰されちゃう。
そう思えば思うほどに、なぜか―――、
(な、舐めたい♡)
そんな気持ちが俺の本能を占領した。
口の中に唾があふれてくる。
妹の足裏を舐めたくて舐めたくて仕方ないのだ。
いつも部活動で「お掃除」させられてきた足裏を舐めたい。
舐めて媚びを売りたい。
自分よりも強い絶対上位存在者様に気に入られたい。
そんな本能じみた足舐め欲求が俺の全身を貫き、肉棒が「ばぎばぎ♡」に勃起してしまった。
「ん♡」
「あひいいいいいいッ♡」
たった一言。
カナタの「ん♡」という声で我慢が決壊した。
足舐めの許可を得られたと思った俺は自分から顔面を足裏に埋めた。そして「ぺろぺろ♡」と舐め始める。自宅のリビングで、ゆったりとくつろぐ妹の脚を、悦び勇んで一生懸命に舐めていく。
(しゅごいいいッ♡ おっきいいいッ♡ カナタの足裏、おっきいよおおおおッ♡)
チビな俺とは比べものにならないほどの長身女性様の足裏だ。
俺は夢中になって舐めていった。
部屋中に唾液音だけが響き渡る。
妹の脚を兄が舐める。
その惨めな姿を、カナタはニンマリと見下ろしていた。
「あーあ、舐めちゃった♡」
頬を赤らめて嬉しそうな笑顔。
「妹の脚、嬉しそうに舐めてるな♡」
「くううん♡ ジュパジュパアッ♡」
「あーし「ん♡」ってつぶやいただけなのに、別に「舐めろ」って命令したわけじゃないのに、にーには自分から舐め始めた♡」
「れろれろれろっ♡ じゅぱあッ♡」
「うわっ♡ もうあーしの声も聞こえてないじゃん。犬だってこんなに夢中で舐めないよ。ウケる♡」
カナタが何か言っている。
そんなものは聞こえない。
俺の脳裏にあるのは妹の巨大な足裏だけ。
絶対上位存在者である長身女性様の足裏。
それだけが意識に残り、俺は夢中になって舐めていった。
「ん♡ これならもう十分か♡」
カナタが頬を赤らめて笑っている。
「明日♡ 追い込む♡」
●●●
自分から妹の足裏を舐めてしまった翌日。
俺はいつものように早起きしていた。
まだ太陽も出ておらず、少しだけ薄明かりが差し込み始めたばかりの早朝だ。シーンと静まりかえった部屋の中で俺はうなだれていた。
(妹の脚を自分から舐めるなんて・・・・・そんなの変態だ)
自分はいったいどうしてしまったのか。
それが分からず途方にくれる。
俺にできるのは、ただ、
「日課のジョギングだ。とにかく体力だ。母さんに言われたことを守ってがんばっていれば、きっといいことがある」
基礎体力をつけなさい。
そう母さんに言われてから欠かすことのなかった早朝のジョギング。走っていれば悩みも忘れられた。だから俺は今日も一人で走り込もうと、そう思っていたのだが、
「おっはー、今日はあーしも一緒に走っからね」
カナタだ。
玄関で運動靴を履いていると、珍しく早起きをした妹が声をかけてきた。ホットパンツから伸びる野性味あふれる美脚が目に飛び込んできて「う♡」と呻いてしまった。
「な、なんでだよ。なんで急に」
「えー、だってあーしもボクサーじゃん? 体力大事じゃん? だから走るべって感じ?」
まるで真剣そうな感じはなかった。
けれどカナタの要求は絶対だった。
「わかったよ」
「よろしくー」
「けど、けっこうなスピードで走るからな。ついてこれなきゃ置いてくぞ」
「ぷぷっ♡ はいはい♡ わかったわかった♡」
二人で家を出る。
バカデカい女子寮から外に出ると、朝の清潔な空気が肺を満たしてくれた。誰ともすれ違ったりしない。いつもの自分だけの時間でストレッチする。けれど今日は妹も一緒なのだった。まだ眠いのかアクビをして棒立ちしている。準備運動もしない妹にイライラしながら、俺は走り出すことにした。
「じゃあ、いくぞ?」
「ヨロっ♡」
走り出す。
最初はゆっくりめ。
後ろからカナタがついてくる。
走るたびにタンクトップからこぼれそうな爆乳が「ぶるんぶるんっ♡」と揺れている。ふんばるたびに太もものカモシカのような筋肉が浮きでてくる。そちらを見ないようにしながら、俺は速度をあげることにした。
(こちとら毎日ジョギングしてるんだ。いくら力で勝てないからって持久力じゃ負けない。こればっかりは毎日の積み重ねだからな)
自信をもって走る。
すぐにカナタはついてこれなくなる。
俺は一人で走り続け、息も絶え絶えなカナタを周回遅れにして一人で家に帰るのだ―――そう思っていた。
「ねえ、にーに。いつまでジョグやってんの?」
カナタだ。
俺がかなりのスピードで走り出したのに、息も切らさずに真後ろをついてくる。俺は驚愕するしかなかった。驚く俺の顔を見て、カナタがニンマリと笑った。
「ひょっとしてこれが全力だった?」
「う♡」
「あはっ♡ にーにってば持久力もないんだ♡」
「ひ♡」
「はいはい♡ ノロマのにーにが先頭じゃダメっしょ。あーしが引っ張ってあげる♡」
そう言ってカナタがかろやかに走り出す。
あっという間に俺を追い抜いて、前後が入れ替わる。
そしてさらにカナタがスピードをあげた。
慌てて俺もカナタの後を追う。
けれど、
(は、速すぎる!)
ランニングではない。
俺にとってはほとんど100メートルの全力疾走だ。
それなのにカナタは平然として走っていく。
肩で息を始めた俺とは違って、息を荒げることもない。長い脚のストロークをいかして、美しいフォームで走っていった。
(じ、持久力でもダメなんだ・・・・・今まで必死に走ってきたのに、ランニングなんてしたことない妹に体力でも負けてる)
絶望する。
けれどなぜか快感が走った。
妹に負けたのに、
負けたことで興奮してしまっている。
ダメだと必死に我慢したのに、俺の肉棒が勃起してしまった。
「ほれほれ♡ 遅いぞ~♡」
カナタが走りながら後ろを振り返ってきた。
「ついてこれなかったお仕置きだかんな♡」
「ひいん♡」
「朝から胃がひっくりかえるまで腹パンする」
「あひん♡」
「ぷぷっ♡ 家の中、にーにのゲボまみれにしたくなかったら速く走れ。あーしの後、必死についてこい♡」
走る。
勃起した肉棒が邪魔で走りにくい。
それでも俺は走った。
カナタの後ろ姿を必死に追う。
ホットパンツから浮きでる爆尻様が視界に飛び込む。
そこから伸びる下半身の充実具合に「う♡」と呻いてしまう。
ブっとい太ももが力強い躍動感を妹に与えている。
柔らかそうな筋肉が浮きあがってきて夢中になる。
「おら、遅れてるぞ? もっとキビキビ走れ♡」
「ひいいいん♡」
叱責され、ますます勃起する。
カナタの後ろ姿を見つめ、俺とは違う優秀な女体を見せつけられ、持久力でも完敗して、「あひあひ♡」悶えながら必死に走る。勃起がいつまでたっても納まらなかった。
「うし、今日のランニング終わり♡」
女子寮の前まで帰ってきた。
10㎞は走っただろうか。
かなりのスピードだったので、さすがのカナタも汗ばんでいた。ホットパンツから伸びる太ももにも汗が垂れていて、めちゃくちゃエロい。熱がこもったカナタの女体は迫力満点で、運動直後の生命力に満ちあふれていた。それとは反対に、
「かひゅう―――カヒュウッ♡―――」
俺は息も絶え絶えだった。
女子寮前に到着した瞬間に倒れこみ、横向けに体を丸めて呼吸をしようとする。
死ぬ寸前の犬だってこんなに息を荒げないだろうと思う。
心臓はバグバグとうるさくて今にも破裂しそう。
カナタとは比べものにならないほど大量の汗をかき、俺の全身がズブ濡れだった。酸欠からか視界が暗くツブツブが見える。明らかにオーバーワークだった。もう一歩も動けない。
「にーにってば、体力なさすぎー」
汗はかいているが余裕そうなカナタにバカにされる。
妹の太ももに汗が垂れ落ちていくのが野性味にあふれて見えた。身体能力でも持久力でも完敗した俺は「ううっ♡」と呻いて、ますます勃起するしかない。
「ほら、立ってよ」
「あ♡」
強引に立たされる。
片手をつかまれ持ちあげられる。
そして俺のズボンにテントができる。
勃起した肉棒が妹にむけて突き出ていた。
その光景をカナタがニヤニヤしながら見下ろしていた。
「ぷぷっ♡ 勃起してるな♡」
「あ♡」
「あーしに負けて興奮したんっしょ?」
「ひ♡」
「ふふっ♡ 確定だな♡ これなら大丈夫そう♡」
何かを確信しているようなカナタの表情。
目力たっぷりの獰猛な笑顔で見下ろされて、さらに勃起する。
俺よりも大きくて強い妹の女体を見上げ、蛇ににらまれたカエルみたいになって、「びくびくっ♡」と震えていた。
「ほれ♡ いくぞ♡」
「あひん♡」
唐突にカナタが俺の肉棒を握った。
ズボンの上から「がっしり♡」と肉棒をわし掴みにして、そのまま歩き出す。俺は必死に妹のあとを追った。
「カナタ♡ ひゃめで♡」
肉棒を握られて快感が全身を走る。
カナタが歩くたびに肉棒が擦れ、気持ちよさが全身を支配するようだった。
勃起した肉棒を握られているので歩きにくい。
なかば引きずられるようにして女子寮に入り、自分たちの家へと戻っていく。
その間、通りがかった早起きの女の子様たちに見つめられて「くすくす♡」と笑われた。勃起した肉棒を握られて引きずられるように連行されている。その惨めさでますます勃起した。
*
「ただいまー」
けっきょくカナタは俺の肉棒を握りしめたまま帰宅した。
家の中に入っても妹の歩みは止まらなかった。
そのまま風呂場に直行する。
俺は引きずられるまま脱衣所に連行され、すぐに衣服を剥ぎとられてしまった。そこでようやく肉棒を解放され、俺は「あひあひ♡」悶えながら尻もちをついて倒れた。
「あーしも脱ぐね?」
妹が服を脱ぎ始める。
俺の前でタンクトップの上着を脱ぎ捨て、ホットパンツを脱ぎ、すぐにブラジャーとパンツも脱いだ。
そこにためらいも恥ずかしさも何もなかった。俺のことを一人の異性として意識すらしていないことが分かる。ペットの前で着替えをするみたいな気さくさで全裸になった妹―――その肉体が俺の目の前に降臨していた。
「しゅ、しゅごいいいいいいッ♡」
思わず声が漏れてしまった。
それほどまでにカナタの肉体は圧倒的だった。
柔らかそうな爆乳がブラなしで垂れることなく突き出ている。ピンク色の乳首が輝いて見えた。そんな柔らかそうなおっぱいの下には割れた腹筋がある。圧巻は下半身で、極太の美脚が「どっしり♡」と仁王立ちになっていた。
そして、
当然のように、
―――生まれたままの密壺がさらされていた。
しっかりと生えそろった陰毛が目に飛び込んでくる。
大人だ。
年上のはずの俺なんかよりも大人の体。
運動直後の充実した肉体。
汗まみれになったカナタの野性味あふれる女体を前にして、尻もちをついた俺は圧倒されっぱなしだった。
「さすがに汗かいたよね♡」
カナタが全裸をさらしながら、なんでもないように言う。
「キレイにしなきゃね♡」
「ひ♡」
「汗、ちゃんとキレイにしなきゃ♡」
「あ♡」
「どうすればいいか、わかるよな?」
両手を腰にやって仁王立ちする。
カナタが俺に何をさせようとしているのか分かってしまう。
ニンマリと妹が笑った。
「舐めろ♡」
びくんっ♡
「汗だくのあーしの体、舐めてキレイにしろ♡」
「ああん♡」
「ほら、やれ」
どすんっ♡
カナタが足踏みする。
床が踏み潰されて地響きが鳴る。
それだけで俺の体は屈服してしまった。
「くううううんんッ♡」
膝立ちになってカナタの右脚に抱きつく。
お母さんコアラに抱きつく赤ちゃんコアラみたいにがっしりと抱きしめる。大きな脚。長い脚。ムチムチしていて弾力のある脚。夢にまで見た脚を抱きしめて、顔を埋めて、そして「ぺろぺろ♡」と太ももを舐め始めた。
「れろれろっ♡ じゅるるるッ♡」
汗ばんだ妹の太ももを舐める。
しょっぱい味覚が舌から伝わってくる。
カナタの太ももはあまりにも巨大で、俺のようなチビ人間の矮小な舌ではいつまで舐めても終わりそうになかった。だから舌をめいいっぱい口から出して、顔を動かして舌を太ももにこすりつける。自分の舌を道具にして妹の体を舐め清めていく。そんな惨めなことをしているのに、俺は、
(しゅごいいいいッ♡ カナタの脚、しゅごいいいッ♡)
抱きついているカナタの脚の感触で脳がイく。
屈辱的なことをされているという実感で快感が走る。
さきほどから勃起が痛いくらいに強度を増している。カナタのふくらはぎにちょうどあたる格好になった俺の肉棒からはカウパーが「だらだら♡」と垂れ落ちていた。
「あーあ、やっぱりな♡」
仁王立ちのカナタがバカにしたように続ける。
「にーに、なに興奮してるん?」
「ひいん♡」
「妹の体を舐めさせられてるのに、すっげえ勃起してるな」
「あひん♡」
「あーしの太ももに夢中になって、興奮しまくってる」
「ああん♡」
「なんでか分かるか?」
分からない。
自分のことが分からない。
太ももを舐めながら上目遣いで見上げると、こちらを見下ろしているカナタと目があった。妹がニンマリと笑って、
「おまえがマゾだからだよ」
「ひいん♡」
「虐められて悦ぶ変態マゾ」
「ああん♡」
「妹に虐められて興奮する惨めなマゾ」
「あああ♡」
「あーしにボコられて、あーしの肉体に屈服して、それでおまえはマゾになった。情けないな?」
ガクガクガクッ♡
罵倒されて興奮する。
勃起がますます固くなる。
けれど、
「ち、違う♡」
俺は否定するしかなかった。
マゾであることを受け入れることができない。
それだけは受け入れたらいけない。俺はなんとかカナタの太ももから離れ、膝立ちになった。快感でガクガク震える体を叱りつけ、目の前で仁王立ちになっている妹を見上げて、叫ぶ。
「お、俺はマゾじゃない!」
「・・・・・・・・・・・」
「虐められて興奮するなんてそんなことない!」
「・・・・・・・・・・・」
「い、今勃起してるのだって、たまたまだ。お、おまえの体がエロいのがいけないんだ! ただの生理現象だよ!」
必死に否定する。
カナタは無言だ。
ニヤニヤ笑いながら俺のことを見下ろしている。
それがとにかく不気味だった。
「じゃ、試してやるよ」
ん♡
カナタが右脚を振り上げた。
大迫力の太ももが躍動する。
膝が折り曲げられる。
俺の顔面にむかって、巨大な足裏が狙いを定めていた。
「ひいいいいいいいいんんッ♡」
大きな足裏だ。
俺の顔面を覆い尽くすほどの巨大さ。
それがゆっくりと近づいてくる。
見せつけるように、
脅すように、
妹の足裏が俺の顔面めがけて近づいてくる。「あ♡ あ♡ あ♡」そんな声しか口から漏れてこない。俺の体はけっして逃げようとしない。膝立ちのまま近づいてくる足裏を見つめるだけ。そして、
「潰れろ♡」
ぐじゃああああッ♡
足裏が俺の顔面に炸裂する。
妹の足裏に踏まれ、後ろに倒れ、あおむけになったところをそのまま踏み潰される。ぐんにゃりとした足裏の感触がカナタの体重によって凶器にかわる。頭蓋骨が軋むほどの踏み潰しを受けて、俺は、
「ひいいいいいんんんんんッ♡」
どおっびゅうううううううッ♡
びゅっびゅうううううううッ♡
射精してしまった。
肉棒には一切の刺激を受けていないのに。
俺は顔面を踏み潰されただけで射精してしまったのだ。
それは明らかな証拠だった。
「ほら、マゾじゃん♡」
妹が俺の顔面を踏み潰しながら言う。
「顔面踏み潰されただけで射精する奴が、マゾじゃないわけねえよな?」
「ひいん♡」
「あーしの足裏に生き埋めになっても勃起がおさまらない♡」
「ああん♡」
「とろけたマゾ顔さらして「あひんあひん」って悶えてる♡」
「くうん♡」
「おまえはマゾなんだよ♡ あーしがマゾに調教した♡ 虐めて興奮する変態にーに。それがおまえ」
マゾ宣告。
虐められて興奮してしまう。
妹に負けて射精してしまう。
そんな惨めな存在に俺はなってしまったのだ。
(うううッ♡ 俺は・・・・・俺は♡・・・・・)
涙がボロボロ流れてくる。
泣けば泣くほど惨めさがつのって興奮した。
妹の足裏の下敷きになって「びくんびくんッ♡」と震える。
俺の涙が妹の足裏を濡らしていく。
俺の顔面が足洗浄機にされちゃってる。
ひたすらに足裏をこすりつけられてから、ようやく俺は解放された。
「うわっ♡ にーにの泣き顔、マジでエロい♡」
あおむけたに倒れたままの俺を跨いで立つカナタ。
その長い脚で仁王立ちし、見事な肉体を全裸でさらしても堂々としたままの支配者が、「じいいいいいッ♡」と惨めな俺のことを見下ろしてくる。
「言っとくけど、マゾ調教したのはにーにのためなんだかんな?」
「へ?」
「これから先、マゾじゃなきゃやっていけない学校生活が待ってるってことだよ。卒業試験にむけて女の子様たちが徹底的に男子を指導していくんだから」
卒業試験?
ひょっとして中等部卒業時の試験のことを言っているのだろうか。
「で、でもまだ入学したばかりで、」
「あっという間だって・・・・・・卒業試験で合格できなかったらひどいことになるんだかんな。女の子様に心の底から忠誠を誓うようになれないと卒業できない」
「ひ♡」
「ま、あーしが調教するんだから、不合格になんかさせねえけどな。これから毎日、卒業試験にむけて徹底的に調教してやんよ」
ニヤニヤ見下ろされる。
けれどもそこには真剣さがあった。
カナタは俺のことを真面目に調教するつもりだ。
卒業試験にむけての苛烈な調教。
それを想像してしまった俺は恐怖と同時に興奮してしまった。
つづく