「はい、みんな立派なマゾ奴隷になったね」


 千鶴が言った。

 調教は終わり、あとは仕上げの時間だった。

 女子部員たちは全員千鶴を支点として輪をつくっていた。その円の中には、全裸に剥かれた野球部員全員が、土下座をしている。


「うんうん。ちゃんと土下座できてるね。なまいきな態度だったら、また一から調教しようと思ってたんだけどね。ぷるぷる震えちゃって、そんなに私たちのことが怖いのかな」


 千鶴が楽しそうに言った。

 その言葉のとおり、男たちは全員、女子ソフト部員たちへの恐怖で生まれたての子鹿のようにぷるぷると震えているのだった。


「これで分かったよね? この前の試合に負けたのは弘樹くんのせいじゃなくて、自分たちが弱かったからだって。あんなぼろ負けしたのは、人のせいじゃなくて自分たちのせいなんだって、これで分かったかな」


 仁王立ちの千鶴が笑顔で男たちを見下ろしながら言った。

 その言葉に、男たちはただただ怯えて、言葉を発することすらできなかった。

 男たちにできることは、顔面を地面にこすりつけるほど必死に土下座をし、全裸でぷるぷると震えることだけ。

 しかし、そんな男たちを許す千鶴ではなかった。


「返事」


 どっすうううんん!!


「ひいいいいいいい!!」


 冷徹な女王と変わった千鶴が、粗相をした奴隷を痛めつける。

 彼女はなんの躊躇もなく、目の前で土下座をしている男の後頭部を踏みつけた。そのまま容赦することなく、ぐりぐりと男の顔面を地面ですり潰していく。

 千鶴に踏まれている男は、野球部のエース投手の佐藤だった。

 かつて町田とバッテリーを組んでいた男だ。

 自信過剰で、いつも強気だった男が、今では同学年の女子の前で全裸となり、土下座をして、その頭を足で踏み潰されている。

 そんなことをされているというのに、佐藤はいっさいの抵抗を見せなかった。逃げ出すこともせず、千鶴の踏み潰しに悲鳴をあげながらも必死に耐えている。

 逃げ出せばどうなるか、既に身と心に叩きこまれているのだった。

 さきほどまでの続き。彼女たちの発達した体になすすべもなく蹂躙され、何度も蹴られ、何度も絞め墜とされる。

 その恐怖感によって、男としてのプライドも人間としての尊厳も全て根こそぎ奪い取られてしまっていた。


「ねえ、私はお前に聞いてるんだけど、分かったのかな?」


 冷たく言い放った千鶴が、さらに追い打ちをする。

 彼女は佐藤を踏むのをやめると、そのまま男の髪の毛を片手で掴み、持ち上げてしまった。

 髪の毛がちぎれる音と、男の悲鳴。

 そんなものには無頓着に、千鶴は自分の視線の高さまで片手だけで佐藤を持ち上げ、宙づりにする。

 恐怖から男の足は生まれたての子鹿のようにプルプル震えていて、自分で立つことすらできなかった。


「おい、どうなの?」


 冷たい視線が同級生の男子に突き刺さる。

 同じ学年の男の子を見る目つきではない。
 
 下等生物を見下ろすような冷たい瞳で、じっと恐怖と痛みで暴れている男の目を見つめている。

 まさに支配者の視線だった。

 吐息すら感じられるほどの至近距離から睨みつけられ、男は蛇に睨まれたカエルとなって、ますます体を震わせた。

 顔面はひきつって、眉は八の字になり、怯えすぎて顔面が真っ青になっている。命乞いをしたくても言葉すら出てこない。それほどの恐怖。同学年の女の子に対して、野球部のエース投手は心の底から屈服していた。


「あ、ああああああ!!」


 じょろじょろじょろじょろおおお!!


 限界はすぐに訪れた。

 返事すらできなかった男は、恐怖に耐えられなかったのか、お漏らしをしてしまった。

 部室の床に黄色の液体がこぼれていく。

 ガチガチと震えながら、自分の意思による放尿ではなく、恐怖心に支配された強制放尿。

 それほどまでにエース投手は千鶴のことを恐れているのだった。


「うわっ、漏らしたよこいつ」

「情けないかなー」

「くすくす、年上の男のくせに、おしっこも我慢できないんでちゅかー」


 周囲の女子ソフト部員たちが侮蔑の視線でもってエース投手を見下ろす。

 彼女たちの豊満な体に取り囲まれながら、無様に放尿を続けるエース投手。次第に放尿の勢いは弱くなり、びゅっびゅっと断続的に尿が飛び出て、終わった。

 その一部始終を観察していた女子部員は、負け犬の敗北お漏らしを見て、さらなる爆笑をあげた。


「ふふっ、そんなに私のこと怖かったんだね、佐藤くん」


 放尿が全て終わった後、嗜虐的な笑みを浮かべた千鶴が言った。


「そうだよねえ。太ももの中で何度も気絶させられて、許してくださいって命乞いしても絶対に許してもらえなくて、関節という関節を悲鳴で喉がかれるまで虐め抜かれたら、そうなっちゃうよねえ」

「ゆ、許してください。お、お願いです、お願いしますからああ」

「うんうん。涙まで流して情けないねー。ま、体は分かっているようだし、もういいかな。優ちゃん、準備できてる?」


 千鶴はエース投手に興味を失ったようで、かたわらの優子に向かって声をかけた。

 男のことをぽいっと投げ捨てて、優子と会話を始める千鶴。

 宙づりにされて恐怖のあまり腰が抜けてしまっていたエース投手はそのまま黄色の液体の上に落下して、「うううッ」とうめき声と泣き声を漏らし続けていた。


「それじゃあ、最後の仕上げをしまーす」


 千鶴が笑って言った。

 天真爛漫の笑顔を浮かべているのが、男たちにとって何よりも恐ろしかった。


「わたし、野球部のみんなって髪の毛伸ばし過ぎだと思ってたんだよねー。みんな普通に髪長いよね? やっぱり、野球部員は五分刈りじゃないと」


 くすくす笑いながらの言葉。

 これから始まるレクリエーションに、周囲の長身女子ソフト部員たちも、嘲笑をあげて男たちを見下ろしている。


「だから、わたしたちがみんなの髪の毛を刈ってあげるよ。バリカンもたくさん準備したからさ。断髪式をこれから始めるね」


 そう言って千鶴はバリカンを取り出した。

 周囲の女子部員たちもニヤニヤ笑いながら、バリカンを手にとって男たちを見下ろしている。

 そして、千鶴を筆頭にした女子部員たちは、地面にはいつくばっている男たちの腕をとって正座の体制にしていく。

 美しい少女たちは、正座となった男たちの後ろに陣取って、バリカンのスイッチを入れていった。

 それは、ギロチンの刑を受ける罪人と、その執行者のような圧倒的な立場の差を感じさせるものだった。


「開始♪」


 千鶴の宣告で、バリカンが男たちの髪の毛を刈り取り始めた。

 ウイイインンという機械音が部室に響きわたる。

 野球部員全員が、少女たちに髪の毛を強制的に刈り取られ、坊主にさせられていく。

 まるで落ち武者のちょんまげを切り落とすような象徴的な行為は、女の子と男たちの立場の差を如実に現していた。

 男たちはその屈辱にすすり泣きながらも、逃げ出すことはできなかった。男たちは拘束されていなかったものの、心は完全に屈服していた。

 逃げ出すなんて選択肢を思い浮かべることすらできずに、男たちは少女たちに強制的に断髪させられていく。

 パラパラと、男たちの体の一部だった髪の毛が刈り取られ、宙に待って、地べたに墜ちていった。その光景はあまりにもみすぼらしく、滑稽で、少女たちは楽しそうにその行為を続けていく。


「見て見て、もひかーん」

「きゃはは、受けるんだけど」


 中には男の髪型で遊び始める少女たちもいた。

 真ん中の髪の毛だけを残して、それ以外の髪を全て刈り取ってモヒカン頭にして遊んでいる。残った髪の毛をつかんでグリグリ動かし、そのまま持ち上げて頭皮が伸びる様を真正面から観察して爆笑をあげる。

 少女たちを止めるものはいなかった。

 強者が弱者をどう扱おうが、どこまでも自由だった。

 少女たちは持ち前の残酷さを発揮して、男たちを蹂躙していった。


「あ、そうだ」


 千鶴が言った。

 彼女は早々にエース投手を坊主にして、そのつるぴかになった頭をグリグリと撫でまわして遊んでいた。


「せっかくだからさ、下の毛も刈り取っちゃおうか」


 思いつきを語る千鶴。

 すぐに周囲の女子部員たちが賛同し、そのとおりにした。


「や、やめてくださいいいい」

「ゆるしてえええ、それはやだあああ」

「お願いですからあああ」


 抵抗を見せる男たち。

 そんな男たちの様子を見下ろして、嗜虐的な笑みを浮かべた少女たちが男たちに迫っていく。

 バリカンを見せつけるようにスイッチを入れたり消したりしながら男たちに近づく。

 体を暴れさせる男を簡単に拘束してしまうと、少女たちはそのまま男たちの一物にバリカンをあてがった。


「あああああああ」


 男たちの悲鳴がこだました。

 少女たちは容赦なく、男たちの下の毛も刈り取っていった。

 アンダーヘアが全くなくなるまでその行為は続いた。

 バリカンのたてる機械音がどこまでも事務的で、それが男たちの屈辱感をさらに増させることになった。


「あははッ、子供ち○ぽになっちゃったね」


 全てを完了させて千鶴が言った。

 千鶴はエース投手の両腕を掴み、万歳をさせるような格好で男を立ち上がらせ、その全身をジっと観察していた。

 エース投手の面影はほとんど残っていなかった。

 野球部の中でも長髪だった頭はごましおが残るくらいに完膚なきまでに刈り取られてしまっている。

 そして、下半身もまた、生え揃った陰毛が全て刈られ、一物が丸裸のまま滑稽に鎮座していた。

 大人としての象徴であるアンダーヘアを強制的に刈り取られてしまったのはどこまでも象徴的だった。

 当然、彼女たちのアンダーヘアは生え揃っているはずだった。年相応の当然の生理現象。体が大人へと変貌するための一つの必然の過程が陰部に毛が生え揃うということである。

 しかし、男たちは陰毛を全て刈られ、子供のようなツルピカの一物をさらすだけ。

 女性たちは生え揃っているのに、男たちは子供のまま。

 男たちは彼女たちに勝てない。

 大人と子供。

 強者と弱者。

 支配者と服従者。

 その身分の差が如実に現れる結果となった。


「ふふっ、みんな涙目になっちゃってるね。びくびく震えて情けないんだー」


 鑑賞をしながら千鶴が言う。

 ほかの女子部員たちも作業を終えており、男たちは一カ所にまとめられて立たされていた。

 全裸の男たち。

 千鶴たちの命令で、男たちは両手を頭の後ろで組まされた状態で立たされていた。自分の手で陰部を隠すこともできない。

 自分の全てをさらけだしたまま、抵抗することもできずに、強制的に立たされている。

 それを千鶴たち女子部員がくすくすと笑いながら鑑賞していた。

 負け犬の展覧会だった。

 彼女たちは自分たちの力で男をボコボコにして服従させ、最後の仕上げに男たちの様子をじっくりと鑑賞しているのだった。


「うううッ」


 うめき声をあげる男たち。

 顔を真っ赤にして、目を赤くはらせて、屈辱に耐えている。

 ぼろぼろと泣きじゃくる男もいて、それがさらに女子部員たちの爆笑を誘っていた。

 年下の少女に力で負けて、頭を丸坊主にされ、陰毛も刈り取られて、何もかも奪われた男たちが、さらに少女たちの冷徹な観察の瞳に貫かれて、尊厳をいっさい奪われてしまっていた。


「はい、土下座」


 千鶴が言った。

 反応は瞬間だった。

 男たちはいっさいの躊躇を見せずに、地面にはいつくばって土下座をした。

 その無駄に俊敏な動きが、ゴキブリのようで滑稽で、女子部員たちが指をさして笑っている。

 土下座という命令に瞬時に反応するほどに、野球部員たちの心はバキバキに折られて、服従してしまっているのだった。


「うん、それじゃあ野球部は解体するからね」


 千鶴が言った。


「みんなには、女子ソフト部の備品になってもらいます。とりあえず、女子部員一人一人の専属マネージャーになって、身のお世話をしてもらうね」


 どこまでも残酷に千鶴が続ける。


「粗相があったら、担当の女の子が容赦なく絞め墜とすからね。何度も何度も墜として、殴って蹴って、ボコボコにします。今日のコレが子供だましに思えるくらいに徹底的にやるから覚悟してね」


 くすくすと少女たちが笑っている。


「ま、一緒に練習はさせてあげるからさ。そのほうが、君たちにとっても良いかもよ? ついてこれないとは思うけどさ」


 全裸の男たちは下をむいて嗚咽をこらえることしかできない。


「たまに練習試合もしようね。今度は100点とるまでやめないから。万が一、きみたちが勝ったら、とうぜん解放してあげるよ。ふふっ、まあ、マゾ奴隷には一生無理だろうけど」


 そう言うと千鶴は周囲の女子部員にむかって言った。


「それじゃあ、みんなで好きなの選んでいいよ。自分の専属マネージャーにする奴隷、喧嘩しないで決めてね」

「え、千鶴先輩はいいんですか?」

「うん。わたしにはコレがあるし」


 そう言って、それまで呆然とことの成り行きを見守っていた町田を指さす。

 それを見た女子部員たちは一瞬哀れむような視線で町田を見ると、すぐに全裸で陳列されている野球部員たちのほうへと向かっていった。

 始まったのは選評会だった。

 自分の奴隷としてドレが一番あっているか。

 どの奴隷が健康で体が頑丈か。

 中には悲鳴の心地よさを選考基準にしている女子部員もいて、その少女はさっそく全裸の男の首を太ももで挟み込んで、絞めたり緩めたりを繰り返し、男の悲鳴を下調べしている。

 ほかにも往復ビンタをして遊ぶ少女や、陰毛を全て刈り取られた一物をもて遊んで反応を楽しむ少女たちの姿も見てとれた。

 男たちを自由にする権利が彼女たちには与えられているのだった。

 壊すも自由、生かすも自由。

 どのように使っても許される所有物としての存在。完膚なきまでに敗北した野球部員たちは、今後、女子ソフト部の備品として、表向きは彼女たちの専属マネージャーとして取り扱われることになる。

 またしても男たちの悲鳴が鳴り響くことになり、必死の命乞いの大合唱が始まる。クラスメイトの同級生の名前を様付けで呼び、どうか助けてくださいと少女の慈悲を乞い続ける。

 そんなマゾ奴隷たちの滑稽な姿を見て、少女たちの嗜虐性はますます燃え上がり、奴隷選評会のボルテージもあがっていった。


「弘樹くん」


 そんな様子を呆然と見ていた町田は、自分の名前が呼ばれたことに気づいた。

 そちらを振り向くと、そこには満面の笑みを浮かべた千鶴がいた。


「君は私の専属奴隷だからね。ほかの女の子には使われないようにしておくけど、弘樹くんも私の許可なくほかの女の子に使われないでね」

「は、はい」

「うん。まあ、私の物を粗末に扱ってくれちゃった野球部はボコボコにしたから、ちょっと気がすんだかな。本当は自分たちから自殺するくらい追い込もうと思ってたんだけど、そうしちゃうと弘樹くんと野球する人がいなくなっちゃうもんね」


 純粋無垢な天使の笑顔。

 それを浮かべながら、千鶴はどこまでも残酷な言葉を語っていた。

 彼女は本気だった。

 奴隷となった町田にはそのことが肌感覚として分かった。


「それじゃあ、次は弘樹くんの番だよ」


 千鶴が言った。

 その声のねっとりとした具合に町田の背筋がビクンと反応した。

 彼女の目を見ると、そこにはトロンととろけたいつもの様子があった。


「ほかの野球部員と一緒にしてあげる」


 そう言うと、千鶴が町田のワイシャツをつかみ、そのまま力任せに左右にひっぱった。ボタンが千切れ、町田の肌着が露出する。

 さらに千鶴は町田の目を見つめながら、ワイシャツをビリビリに破ってしまった。肌着も同じ末路をたどった。


「ほら、次は下」

「あ、や、やめてええ」


 か弱い女のような声をあげて許しを乞う町田を無視して、千鶴が彼のベルトを取り外し、ズボンを脱がしにかかった。

 抵抗する町田をいともたやすく地面に倒して、いやいやをする町田の下半身の抵抗を奪うと、力づくでズボンをはぎ取る。さらに下着も千鶴が両手でわし掴みにして、怯える町田の表情をニンマリと堪能しながら、ビリビリに破いてしまった。


「うん、いい格好になったね♪」


 千鶴が満面の笑みで言った。

 彼女の視線の先には、地面に仰向けのまま倒れ込み、衣服を全てはぎ取られて全裸になった男が涙を浮かべていた。


「ほら、こっちきて」

「あ、や、やめてください。か、髪ひっぱらないでええ」


 千鶴は町田の髪の毛を片手でつかむと、そのまま強引に町田を立ち上がらせ、そのままスタスタと歩いていった。

 頭をおさえつけられた状態で、千鶴の早足についていかなければならなくなった町田は、髪の毛の痛みに耐えながらも、ドタゴタとご主人様のあとをついていくしかなかった。


「はい、正座」


 千鶴が言った。

 町田は言われるとおりにするしかなかった。

 ウイイイインという機械音が近くでして、それだけで町田は自分が何をされるのか分かった。


「弘樹くんの毛は私が刈るよ。これから、ぜーんぶ、丸裸にしちゃいます」


 千鶴が町田に宣告する。

 正座になった町田を見下ろす形で、千鶴が楽しそうに笑っている。その手にはバリカンがあって、そのスイッチを押したり消したりしながら、町田のビクついた様子を楽しんでいる。


「言っておくけど、ほかの野球部員より徹底的にやるからね。頭は丸坊主にする。バリカンで限界に剃った後で、カミソリをあてるから。丸禿状態になるまで刈り取る」


 千鶴が笑みを浮かべながら続ける。


「それはほかの体も同じ。下半身も、このちっちゃなち○ぽも、ぜーんぶ刈り取って、剃り上げる。ふふっ、体から毛という毛をぜ~んぶ奪ってあげる」


 うれしいでしょ?

 そう言って千鶴は町田の頭を撫でた。

 それは慈愛を感じさせるような優しげな手つきだった。

 町田はぽろぽろと涙を流し始めた。

 奪われる。

 大好きなご主人様に全てを奪われてしまう。

 男としてのプライドも。

 人間としての尊厳すら。

 この目の前の少女に全てを捧げなければならない。

 そう思うと、自分自身の存在が全てなくなっていくのを町田は感じていた。

 次第に身も心も彼女に捧げたいという気持ちが一人でに生まれていく。

 屈辱感が少しづつ快楽へと変わっていった。

 そんな町田の様子を見ていた千鶴は、全て分かっているような笑みを浮かべ、町田の頭を自分の胸に抱え込んで抱きしめた。


「楽しみだね、弘樹くん」


 そう言って、悶える町田のことをぎゅううッと力強く抱きしめ続けていく。

 顔面全体に伝わってくる柔らかな胸の感触と息苦しさに、町田はうっとりとしながら、千鶴の体に吸収されていくように感じられた。

 それでもいい。

 そう思えるほどには、町田は千鶴に心酔しきってしまっていた。


 *


 その後、千鶴は宣言どおりに町田の体毛という体毛を全て刈り取って支配を完了させた。

 頭も陰毛も他の毛も全てカミソリまでつかってツルツルに仕上げてしまう。

 もはや面影すらないところまで墜としこんだ町田の姿を、千鶴は時間をかけて鑑賞していた。

 その支配者の目にさらされた町田の下半身は、白旗をあげるように勃起して、ぱたぱたと動き続けている。

 まるで目の前のご主人様に白旗が見えるよう何度も白旗を振り続けるように、町田は勃起した一物を動かして、ご主人様に忠誠を誓っていた。

 それをさらに千鶴の支配者としての視線が嗜虐的な笑みと共に貫き、町田はますます勃起してしまう。

 会話を楽しむようにして、その行為は続けられた。

 千鶴と町田にとって、それは、何千もの言葉を介するよりも、心と心が繋がる儀式みたいなものだった。

 身も心も一体となった彼女と彼は、今後、いつまでも一緒に結ばれることになる。

つづく