貞操帯をはめられた翌日。

 外はすっかり暗闇に包み込まれ、宵も深まった時間帯。

 優子の部屋の中からは、男の甘ったるいうめき声が響いていた。


「先輩、きもちいですか?」

「むううう、あはあああん」

「ふふっ、あと20秒、息は我慢してくださいね」


 優子の爆乳が、町田の顔面を優しく溶かしていた。

 町田はその顔面を、優子の胸の中に押し込められ、その柔らかい肉の中で拘束されてしまっている。

 優子の両手で、町田の後頭部にからまり、ぎゅううっとその顔面を胸の中に押し込んでいる。

 優しく、それでいて力強いその拘束は、町田に呼吸を許さないほどだった。

 そして、これが優子の練習でもある。


「はい、あと10秒です。がんばってください、先輩」


 二人は立ったままだ。

 しかし、町田の体からは力が抜けきっており、さきほどから足腰がガクガクと震え、満足に自分の力だけでは立つこともできない有様だった。

 優子のおっぱいで、町田の心と体は甘く犯されてしまっているのだった。


「はい、0。よくがんばりましたね、先輩」

「むううう、むううう」

「それでは、深呼吸してください。鼻からですよ?」


 満面の笑み。

 優子が町田の後頭部にやった手の力を緩めた。

 胸の中で町田の顔面を埋もれさせるのはそのまま、息ができる程度に力を緩める。


「すうううはあああ、すううはああ!」


 町田が、優子の胸の中で必死に息を吸い始めた。

 酸欠ギリギリまで、優子の胸によって呼吸が許されていなかったのだ。

 何よりも求めていた酸素を、町田は必死に求めた。

 しかし、口元だけはぎゅううっと胸に押しつけられたまま。

 結果として、町田は鼻だけで息をしなければならない。

 一呼吸しただけで、変化はたちどころに起こった。


(しゅ、しゅごいいいい! 頭が溶けちゃうううう!)


 優子の甘い、甘い匂い。

 彼女の爆乳の谷間の中。

 そこにたまった優子の匂いを、肺いっぱいに吸い込めばどうなるか。

 町田は、頭にチカチカと電流が走ったような恍惚感を感じていた。

 頭が麻痺して、なにも考えられなくなる。

 ただひたすら、この匂いを感じていたい。ずっとずっと、このまま、優子の胸の中に顔を埋めていたい。

 町田に、正常な判断能力はなくなりつつあった。


「ふふっ、先輩。体がビクビク痙攣してきましたよ」


 優子が、町田の顔面を優しく抱えこみ、自身の爆乳に男を拘束しながら言った。


「先輩の息が私の胸にあたって少しくすぐったいです」

「すううはああああ!」

「がっつくように私の匂い嗅いでしまってますね。ふふっ。私の匂いって、そんなにすごいんですか? いつも不思議に思ってるんです。どんなに生意気な男の子も、胸を押しつけて私の匂いを嗅がせると従順になってしまうんですよね。とろけた顔で、女の子みたいな裏がえった声で」

「すううはああ! すうはあああ!」

「先輩も夢中になってしまいましたよね。かれこれ1時間も、ずっと私のおっぱいの中に顔面埋もれさせて、ずっと私の匂いを嗅いでしまいましたから」


 優子はふふっと笑って、


「先輩、お顔を見せてください」


 言うと、優子はゆっくりと町田の顔をぐいっと上にあげた。

 優子の爆乳の中に完全に埋もれてしまっていた町田の顔。

 それが上にむけさせられ、谷間の上あたりに、町田の顔半分がようやくぽっかりと出てくる。

 町田の瞳と、鼻だけが優子の谷間から1時間ぶりに解放された。

 その町田の顔を、優子はじっくりと、満面の笑みで見下ろした。


「すごい顔になってしまいましたね、先輩」

「う、あああ」

「涙と鼻水が垂れ流しで、それだけだとすごく苦しい思いをしたのかと思いますけど、そうじゃないですよね。だって、先輩の顔、とろとろに溶けちゃってますもん」


 優子は満足そうに笑うと、


「おっぱいの感触がきもちよすぎて、私の匂いにビクビク体ふるわせて、全身の力が完全に抜けちゃう。私に匂い責めされた男の子は、みんな先輩みたいになってしまうんです」

「うう、うううう」

「ふふっ、もう言葉もしゃべれなくなってしまったようですね。でも先輩、最初からそんなことで大丈夫なんですか? 私の練習は、まだまだこれからですよ」


 優子が、町田の頭を撫で始める。

 年下の子供をあやすように、片手でじっくり頭を撫で、そして、


「次は、もっときもちよくしてあげます」


 *


 優子の声を聞いた町田は、びくんと体を震わせた。

 すでに、優子の匂い責めで、自分の体は快感に麻痺したようになっている。

 顔面に伝わる優子の爆乳の感触と、その甘い甘い匂い。

 それだけ頭が溶けてしまい、さきほどから体にまったく力がはいっていなかった。

 これほどまでの快楽がまだ序の口だという優子。


(いったい、なにを)


 町田は期待と共に、若干の不安を感じていた。


「それじゃあ、次の練習いきますね」


 優子が言った。

 町田の返事を聞かず、優子がいきなり、町田の顔をその谷間から解放した。

 両手でもって町田の頭をがっしりと掴み、そして真正面から凝視する。

 町田は目の前の優子の顔が、妖しくも極上に微笑むのを間近で見た。

 そして、


「手加減しますから、気絶しないでくださいね」


 ぶっちゅうううう!!


「んんんん!!???」


 勢いよく、優子の唇が町田の唇を奪った。

 優子のふくよかな唇が、町田の矮小な唇を覆い尽くし、吸いついていく。

 しかも、彼女の柔らかな舌が、当然のごとく町田の口の中に進入してきた。


 じゅばああ! じゅるるる

 ジュじゅつうう!


「むううううう!!!???」


 自分の口の中で暴れ回る舌の感触に、町田の自由は奪われた。

 けっして乱暴というわけではない。

 優しく、ねっとりとした舌の動きが、町田の舌を優しく包み込み、愛撫していく。

 その動きは、口内すみずみまで続き、さらに過激なものになっていく。


(しゅ、しゅごすぎるううう!!)


 町田の快感で頭を溶かされていた。

 唇と舌の感触が、全身にまで伝わっているような気がする。

 腰は最初から溶けてどろどろになり、足腰はガクガクいって、もう自分では立っていられない。

 ずり落ちそうになる体を優子に抱き止められ、大きな胸が体に密着してぐにゃりと歪み、さらに自分の体がビクンと快感でふるえた。

 千鶴のキスとはまた違う、相手に快楽を与えるだけに専念されたディープキス。

 優しくトロケされてしまうような、優子の口使いに、町田の心は奪われていった。


 じゅぱあぱあああ!

 ジュルジュルジュジュウ!!

 じゅじゅじゅるるう!!


(息ができないいいいい!!)


 次から次へと繰り出される舌の動きがさらに動きを強めた。

 口内を縦横無尽に動きまわる粘着質なソレに、町田は口から息を吸うことはもちろんできず、鼻から吸うことすら満足にできなくなっていく。

 それほど苛烈な、ディープキス。

 次第に町田の頭は酸欠状態となる。

 目の前が砂嵐みたいになって、気絶する一歩手前。

 しかし苦しみはなく、今も送られてくる舌の快感で全身は身悶えていていた。

 そして、あと一瞬で意識を手放す。

 その瞬間、


「はい、今度はこっちですよ」


 優子が唇を唐突に離した。

 彼女と町田の唇に唾液の橋がいやらしくかかる。

 そんな余韻すら残さないほど素早く、優子が町田の顔面を自分の爆乳の中に押しつけた。


「む、むうううう!!??」


 またしても、優子の胸の中に顔面を埋もれされてしまった町田。

 頭部全体を彼女の大きくて柔らかい乳房に囲まれ、ぐにゅっと変形したその感触に心が奪われてしまう。

 しかし、その押しつけらた力は弱く、さきほどまでとは異なって、息を吸うことは十分にできた。


「すううはああああ! すううはあああああ!」


 ディープキスで酸欠状態だった町田は、条件反射で鼻孔いっぱいに空気を吸った。

 それが地獄の始まりだった。


(なにこれえええ! 脳が、脳が溶けちゃうううううう)


 優子の匂い。

 彼女のフェロモンを酸欠状態のまま力いっぱいに吸ってしまった町田は、頭がバカになっていくのを感じた。

 全身から完全に力が抜け、頭がチカチカと麻痺して正常な思考がまったくできない。

 鼻から彼女の匂いを嗅ぐ。

 それだけで快感が全身に広がって、従順なシモベになってしまった。

 町田は酸欠状態のままで、快感をもとめて、自動的に、優子のフェロモンを吸い続ける。


「ふふっ、どうですか、先輩」


 優子が、絶妙な加減で町田の顔面を自分の胸の中で潰しながら言った。


「酸欠状態から、わたしの匂いを肺いっぱいいに吸い込んで、すごく夢心地になってしまいますよね」

「すうはああ! すうはあああ!」

「ふふっ、もうすっかり夢中ですね。私の胸に先輩の鼻息がさっきよりあたってきます。そんなに私の匂いを嗅ぎたいんですか?」


 優子がぐいぐいと町田の顔面を自分の爆乳にこすりつけた。

 その際の町田のあえぎ声の様子を聞きとった優子は、頃合いとみて、


「はい、また酸欠失神ギリギリまで、ディープキスしますね」


 満面の笑みで宣言し、そのとおりにした。

 彼女のふくよかな唇が、男の矮小なそれを犯す。

 すぐさま彼女の長い舌が口内に進入し、熱烈な愛撫が始まった。


 じゅるうううう!!

 ジュパジュパッああああ!!

 ジュルジュルっ、じゅじゅじゅう!!


「あひいいいいいいんん!!」


 快楽に悶える町田。

 優子のフェロモンで脳を溶かされた男は、さらに感度を増して、彼女のデイープキスに身も心も奪われてしまう。

 激しい接吻はまたしても彼から呼吸を奪い、じわじわと酸欠の状態へと追いやっていく。

 その男の痴態を、優子は両目をしっかりと開けて、マジマジと観察しているのだった。

 その優しそうな笑みで。

 男を酸欠寸前までディープキスで追い込み、自分の胸の中だけで呼吸をさせ、そしてまた酸欠寸前までまた唇を奪う。

 繰り返し、繰り返し。

 けっきょく、この地獄の快楽責めは1時間ほど続いた。

 その間、優子は疲れた様子も見せず、たんたんと作業をこなしていった。


「はい、今日はこれで終わりです。といっても、もう聞こえてませんか」


 町田が優子の胸の中から解放された。

 どさっと、町田の体が床に倒れ込む。

 彼の意識はだいぶ前から失われており、人形のようになってしまっていた。


「うわ、すごい顔になってしまいましたね」


 優子が快楽で気絶した男の顔を見下ろす。

 町田の顔面は涙と涎でぐちょぐちょに汚れていた。

 快楽に緩みきった顔面。

 白目をむき、口からは致死性の快感を与えられて泡までふいていた。

 これが、優子に練習台にさせられた男の末路だった。


「ふふっ、明日は、もう少し過激な練習につきあってもらいますからね。覚悟してください」


 言うと、優子は町田をお姫様抱っこして抱え、ベットへと運んだ。

 それはまるで、遊び疲れた子供を抱えるような、慈愛に満ちたものだった。

 
つづく