徹底的な射精管理が続いた。

 巳雪さんは、宣言どおり一滴たりとも私が精液を外に漏らすことを許さなかった。拷問じみた寸止め調教。絶対に射精を許さない状態で、執拗なまでに私の体へ快楽を与え続けていく。今日も私は、永遠と巳雪さんから調教を受けていた。

「ゆるじでえええッ! ゆるじでくださいいいッ!」

 泣き叫ぶ。

 私はちんぐり返しの格好になりながら喉をからすほど絶叫していた。

 しかしどれだけ叫んでも無駄だった。にっこりと笑った巳雪さんが、ちんぐり返しにした私のアナルを舐め続けていく。

「じゅぱああッ! ジュルルウッ!」

「ひいいいいいいいいいいいいッ!」

 彼女の長い舌が私の尻穴に突き入れられ、ぐねぐねと蠢き続けていた。

 巳雪さんの舌の先っぽから根本までがすべて尻穴に挿入されているのだ。あの長くて肉厚な舌が、私の体内で暴れているのが分かる。体の内から犯されている。私はどんどん壊れていった。

「あっひいいいいんんッ!」

 声が漏れる。

 我慢なんてできない。

 こんなにも大きな声をあげたら間違いなく隣の住人にバレてしまっている。それどころか、アパートの住人全員に聞かれてしまっているかもしれない。

(ダメなのに……聞こえちゃうのに……こんなの我慢できなひいッ)

 射精管理が始まる前まで巳雪さんは手加減をしてくれていた。あまり私が大きな声をあげないように配慮をしてくれていたのだ。それなのに今の巳雪さんにそんな配慮はみじんもなかった。それどころか、まるで私に絶叫をあげさせ、それをアパート中に響かせようとしているみたいに、過激な責めを繰り出してくる。彼女の長い舌が、ぐいぐいっと、私の前立腺のまわりを突っつき始めた。

「オッホッ! オッホオオンッ!」

 獣の声が漏れる。

 白目になって体をビクンビクンと痙攣させる。

 前立腺を直接潰すのではない。その周辺だけをねっとりとした舌使いでなぞっている。まるで、おまえの弱点はここにあるんだと教え込むみたいな動き。あと少し舌先がズレて前立腺を刺激されるだけで射精できる。けれど巳雪さんがそんなミスをするはずがなかった。彼女は舌先を器用に動かし、卓越した舌使いでもって、私の前立腺のまわりだけを舐めていった。

「ゆるじで……ひゃめ……たしゅけで」

「じゅるうう……ジュパッ……じゅる」

「たじゅげで……巳雪様、死んじゃう」

「ジュパッ…ジュっるじゅ……じゅぱ」

「ひゃだあああッ。ゆるじでえええッ」

 泣く。

 ちんぐり返しの状態に固定化されたままでアナルを犯されて、ぼろぼろと涙を流す。それでも巳雪様はやめてくれない。それどころか、うっとりとした視線でほほえみながら、私のことを見下ろしてくる。

「んふっ」

 楽しんでいる。

 それが分かった。

 優しい女性はどこかに消えてしまっていた。今の巳雪様は本能のまま男を快楽地獄に落としこむ悪魔そのものだ。少しづつその舌使いが過激になっていく。

「ゆるじでえええええッ!」

「ジュッパアアッ! じゅるっじゅるるっ!」

「ひゃめでえええッ! たじゅげでええッ!」

「ジュッパジュッパッ! ジュルジュルッ!」

「おっほおおおんんんッ!」

 泣き叫ぶ。

 白目をむいて体を暴れさせようとする。しかし無駄だ。私の胴体をがっちり挟み込んだ巳雪様の太ももが、完全に私の体を固定化してしまっている。さらにはちんぐり返しにした私の両足をがっちりと掴んだ彼女の両手にも力がこもり、私に動かせるのは首から上だけになった。

「ゆるじでええええッ! 射精ざぜでえええッ!」

「ジュっルウウうッ! ジュパッじゅぱああっ!」

「ひゃだあああ! 射精ざぜでくださいいいッ!」

「じゅるううッうッ! ジュバッズボオオォッ!」

「射精じだいよおおおおおおおおおおおおおッ!」

 私の絶叫を引き出すために巳雪様の舌使いがさらに過激になっていく。

 ニンマリと笑った巳雪様の笑顔が、どこまでも恐ろしく、美しかった。

「旦那様、よろしいのですか?」

 ようやくアナルから舌を引き抜いてくれた巳雪様が言う。

 にっこりとした笑顔のままで、ちんぐり返しに固定化した私を見下ろしてくる。

「そんなに大きな声を出したら、まわりに聞かれてしまいますよ?」

「あひいいッ……ひいいん……」

「旦那様の悲鳴すごく大きかったですから、さすがにバレてしまったと思います」

「じゃじぇい……じゃじぇいじゃぜで……」

「あらあら、もう言葉を喋ることもできなくなってしまったんですね」

 くすりと笑って、巳雪様の長い足が伸びてくる。

 太ももで私の胴体を固定化しながら、そのカモシカのような下腿がこちらに迫り―――美しい足指が私の乳首をひっかいてきた。

「あひいいいんんッ!」

 ビクンッ! ビクビクッ!

 メスイキする。

 巳雪様の足の指が繊細な動きで乳首をこねくりまわしてきた。足の指一つ一つに神経がはりめぐされているのが分かる。手でされる乳首責めと変わらない動き。巳雪様の足の親指がカリカリと乳首の突起をいじくりまわし、私がメスイキする最適な力加減を実現する。

「ゆるじでええええええッ!」

 泣き叫ぶ。

 周囲に聞かれてしまうとか、恥ずかしいとか、そんなことを考える余裕は残されていなかった。部屋が反響でビリビリとふるえる。くすりと、巳雪様が笑った。

「じゅっぱああッ! じゅるうッ!」

「あぎッギいいいいいいいいいッ!」

 再びアナルに舌が挿入された。

 めちゃくちゃにされる。ちんぐり返しで固定化され、アナルをその凶悪な舌でもって犯され、さらには乳首を足の指で蹂躙される。アナルと乳首の二重苦によって、私は悲鳴を漏らすだけの肉人形に変えられてしまった。

「ふふっ」

 アナルだけではない。

 ちんぐり返しをされて無防備になった金玉も舐めあげられる。舌の感触でヒュウッと股間が縮こまって悶絶していると、アナルに舌が突き入れられる。その間も巳雪様の大きな足による乳首責めが続いていく。発狂寸前の快感で脳みそが壊されていった。

「だいぶ子種がたまってきましたね、旦那様」

 金玉をベロベロと舐めながら、

「マゾもだいぶ深まってきました。これなら、さらに過激なことができそうです」

 やめてください。

 涙を流しながら懇願しようとする。

 そんな私の口を、巳雪様の大きな足裏が踏み潰した。

「んっむううううッ!」

 顔面を踏まれてしまった。

 巳雪様が長い足をさらに伸ばし、新たな獲物として私の顔面を選んだのだ。

「いっぎいいいいいッ!」

 私はマゾイキした。

 巳雪様に踏まれている。

 生足となった彼女の足裏。その感触を顔面全体で感じる。私は彼女の足下にも及ばない存在なのだ。それを自覚すればするほどにマゾイキして、ビクンビクンと肉棒を痙攣させた。陶酔と崇拝が一度に襲ってきて、彼女の足の下でトロンとした瞳を浮かべてしまう。

「ふふっ」

 すべてお見通しの巳雪様が笑った。

 ぎゅううっと、さらに私の顔面を踏み潰しながら、確信をこめて、

「舐めろ」

 ビクンッ!

 その命令に体が歓喜にふるえた。それほどまでに私は追いつめられてしまっていた。マゾ中毒。巳雪様を崇拝する奴隷。そんな立場を自覚してマゾイキした私は、ついにぺろぺろと、自分の妻の生足に舌を這わせてしまった。

「ふふっ、マゾ調教、成功です」

 巳雪様がにっこりと笑って言う。

「旦那様のこと、さらに完全なマゾにしてしまいました。私からの命令がなによりの快楽になってしまうマゾ奴隷。汚い足裏に踏み潰されて、命令されただけで悦んで足を舐めるようなマゾ奴隷に、旦那様のことを調教してしまったんです」

 ぎゅううううううッ!

 さらに踏み潰される。

 彼女の大きな足裏が惨めで矮小な私の顔面を覆い隠し、踏み潰して、蹂躙していく。私は息苦しさと、自分の頭蓋骨が軋む音を感じながらも陶酔して、巳雪様の足裏を舐めていった。

「ここまで重度のマゾになれば、子種をつくるスピードもはやくなるはずです。やはり旦那様は優秀な殿方です。わたしのために精液を提供するために生まれてきたような、理想的な旦那様」

 ぎゅううううッ!

 踏まれる。

 興奮する。

 笑われて、再びアナルに舌を挿入された。

「むううううううッ!」

 悲鳴さえ奪われて、私は顔面を踏み潰されながらアナルをレイプされる。どんなに私が興奮しても、ぜったいに射精はさせてもらえない。この日も、夜通し、巳雪様に犯されていった。



つづく