有料版2023年6月中販売予定です!

 よろしくお願いします!

 -------------------



 続いていく。

 1週間、2週間。

 ずっとずっと射精管理が続き、悶々とした時間を過ごしていく。その間も、巳雪さんの肉体は成長を続けているように思えてならなかった。雄のことを一瞬で魅了してしまう恐ろしい女体。おっぱいも、お尻も、太ももだって、男を籠絡させるために成長している。私は完全に屈服してしまった。

「射精……射精させてくださいッ!」

 土下座。

 帰宅して玄関で巳雪さんに出迎えられて、私は土下座した。

 それほどまでに彼女の存在感は圧倒的だった。優しげにほほえんだ彼女の笑顔も意味深でエロく見える。さらには巳雪さんの禍々しいほど妖艶な肉体によって、私の意識は簡単にノックアウトされてしまった。

 海外モデルよりも高い身長。

 私よりも圧倒的に高い位置にある彼女の怜悧な視線に見下ろされていると思うだけで体がふるえる。体のラインがぴったりと出るワンピース姿の巳雪さんは女神みたいだった。胸元からこぼれそうになっている大きなおっぱい。腰紐によって強調された彼女の細い腰。それとは対照的な巨大な臀部。その高い腰の位置を可能にする長く、たくましく、ムチムチとした両足。私の短い足の2倍ほどはありそうな巳雪さんの足が視界に入ってくるだけで、私はマゾイキしてしまった。口から出るのは射精懇願。ただ、いくら射精を懇願しても今の巳雪さんがそのとおりにしてくれるわけがない。それでも、私は命乞いをするみたいに、射精を懇願していくことしかできなかった。

「射精……お願いします……射精させて」

「土下座姿の旦那様、とてもステキです」

「お願いですから……射精させてえ……」

「……かわいい。旦那様、かわいいです」

 ねっとりとした声で巳雪さんが繰り返し言う。

 高身長のスタイル抜群の美魔女が、全裸で土下座した私のことを見下ろしている。

「旦那様、顔をあげてください」

「う」

 見上げた先には巳雪さんの姿がある。

 彼女の肉体の周りにピンク色の蒸気がたちこめて見えた。圧倒的な生命力を感じさせる肉体をこちらに見せつけながら、彼女が怪しく笑う。

「お漏らししなくて偉いですよ、旦那様」

 巳雪さんがムシケラみたいな私を愛情たっぷりに鑑賞しながら言う。

「わたしの体、すごいですよね」

 彼女が両腕を上にあげて、上体をそらした。

 ただでさえ体のラインが浮き出ているワンピースの布地が暴力的に隆起し、巳雪さんの大きすぎるおっぱいとお尻が強調された。それを見ただけで思わず射精しそうになり、けれども必死に耐えた。巳雪さんが、「んふっ」と笑う。

「耐性のない殿方は、わたしの姿を見るだけで射精するようになってしまいました。ふふっ、本当に惨めですよね」

「う、ううううッ!」

「自分の体が変化していくのが分かります。子づくりをするため、殿方の子種を搾り取るために進化しています。今後もますます育っていくでしょうね」

 んふっと妖艶に笑う巳雪さん。

 男の子種を奪いとってしまう恐ろしいサキュバス。ピンク色の蒸気が増して、さきほどからただよってくる甘いフェロモンの匂いも強くなっていた。

「でも、旦那様の準備はまだまだこれからですね」

 巳雪さんが笑う。

「今日も、たあっぷり、躾てさしあげます」

 巳雪さんが自分の胸元に手をつっこむ。

 ワンピースごしに自分の爆乳の谷間をまさぐって、その奥深くで厳重に保管していた大事な物をつかんだ。そして、それを引き抜くと、私に見せつけてきた。

「旦那様、これがなんだか分かりますか?」

 彼女の手には小さな鍵が握られていた。それがなんであるか、私にはすぐに分かった。

「鍵いいいいッ! 貞操帯の鍵ですうううッ!」

 私の自由を奪っている拘束具を解き放つための鍵。

 自分の分身である肉棒を助けるために絶対必要な大切な物。それを目にした瞬間、私の肉棒が歓喜のために、ブルンブルンと動いてしまった。その姿はまるで、

「ふふっ、犬がしっぽを振るみたいですね、旦那様」

「くううんんッ! くうううんッ!」

「あはっ、わたしの言葉にあわせて犬言葉を喋るなんて、旦那様は本当にわたしのことを悦ばせる天才ですね」

 巳雪さんが「んふっ」と笑う。

 彼女の手のひらの中で貞操帯の鍵がもて遊ばれる。くるくると鍵をまわして遊び、ねっとりとした手つきでもって鍵本体を愛撫していく。まるで私の肉棒をかわいがるみたいだ。巳雪さんが魔性の指使いによって貞操帯の鍵を責めていく。

「解放されたいですか?」

「くうんんんッ! くううんんッ!」

「どうしましょうか」

「くううんんッ! くんんんッ!」

「やはり止めておきましょうか」

 そう言って巳雪さんが鍵をおっぱいにしまおうとする。イタズラたっぷりの見せつけるような仕草。私は狂ってしまった。

「くううううんんッ!」

 巳雪さんの足にすがりつく。

 彼女の長くてたくましいふくらはぎに顔を埋もれさせて、ぺろぺろと舐め始めた。

「くうううんんッ!」

 人間の言葉は喋らない。

 私はもう巳雪さんに管理されている犬なのだから。射精という名のご褒美をもらうためだったらなんでもする下等生物。支配者であり飼い主である巳雪さんのお慈悲にすがるために、私は負け犬の声で鳴きながら、ご主人様の足をぺろぺろと舐め続けた。

「仕方ありませんね」

 立ってください。

 巳雪さんの言葉に私の体が無条件に従う。

 玄関のドアを背中にしてそこにもたれるような形で立ち上がる。反対に巳雪さんはかがんだ。私の股間に顔を近づけ、貞操帯に拘束された私の肉棒をじいいっと観察し始める。

「ふふっ」

 おっぱいから取り出した鍵を近づけてくる。

 貞操帯にむけて、ゆっくりと。

 その間も巳雪さんは私を上目遣いでじっくりと見つめてきていた。彼女の美しい瞳に吸い込まれてしまう。私は期待にふるえて射精欲求丸出しの犬の顔で、貞操帯に近づけられていく鍵を見つめるしかなかった。

「はい、解放です」

 ガチャン。

 南京錠に鍵が差し込まれ、まわされる。肉棒をずっと拘束していた金属の貞操帯がはずされ、すぐにフル勃起した肉棒がブルブルとふるえ始めた。

「あああああッ!」

 開放感。

 自分の分身の拘束がとかれ、私の下半身が自由になる。その途端に、射精欲求がさらに増すのを感じた。これまでは射精したくてもできなかった。けれど、今は違う。貞操帯がはずされ、いつでも射精できるのだ。その実感が、狂ったような射精欲求になって、それ以外に何も考えられなくなってしまった。

「射精ざぜでえええッ! 巳雪しゃまあああッ!」

 懇願する。

 その間も巳雪さんはしゃがみこんだまま、私の痴態を上目遣いで見つめるだけだ。彼女が「くすり」と笑った。

「その場から動かないでくださいね」

 ニッコリと笑った巳雪さんが言う。

「一歩でも動いたり、膝から崩れおちてしまったら、そこでおしまいです。またすぐに貞操帯をはめることになります」

「ひゃだあああッ! 射精ざぜでえええッ!」

「がんばりましょうね、旦那様」

 悪魔だ―――目の前の女性が、悪魔に見えた。

「ふふっ、見えますか? わたしの舌」

 べろん、と。

 巳雪さんの長い舌が口から垂れ下がった。

 その舌の存在感を前にして私の体がふるえる。

 明らかに舌の長さや禍々しさが増している。男の精液を搾り取るために成長していることが分かる巳雪さんの舌。それがうねうねと蠢き、獲物である私の肉棒に迫っていた。

「ふふっ」

 ぺろっ。

「ひいいいいッ!」

 触れられていない。

 舌が肉棒にむけて動かされたが、その凶悪な舌は一瞬たりとも肉棒に触れることはなく、虚空を舐めあげただけだった。

「み、巳雪様あああああッ!」

 懇願。

 それに対してこちらを見上げてくる彼女は、にっこりとした笑顔を返してくるだけだ。



 ペロッ!

 ぺろっ!



「あひいんんッ!」

 またしても虚空が舐めあげられた。

 肉棒の近くで巳雪さんの凶悪な舌が淫らに動かされ、ぺろぺろと虚空を舐めていく。

(あ、あと少しなのに)

 あと少し。

 もう少しだけあの舌が伸びれば、私の肉棒を舐めてくれる。そうすれば射精できる。それなのに巳雪さんは絶対に肉棒を舐めてくれなかった。射精したくてもできない欲求不満が頂点に達し、発狂しそうになる。

「動いてはダメですよ?」

 巳雪さんが言う。

「一歩でも動いたら止めにしますからね」

「み、巳雪様あああああッ!」

「がんばって耐えてください。わたしは何もない空間を舐めているだけですからね」

 ニッコリとした笑顔。

 その天使の笑顔は今では悪魔の笑顔にしか見えなかった。

「ふふっ」

 ぺろんッ!

 ベロッ!

「あひいいんッ!」

 ぺろぺろぺろッ!

 ぺろっ!

「ひいいいんッ!」

 続いていく。

 巳雪さんの凶悪な舌が私の肉棒の近くでぺろぺろと蠢かされる。それでも触れてくれない。その妖艶な舌の様子を見せつけられ、永遠と性感を高められてしまう。

「イがぜでえええッ! 射精させでえええッ!」

 どんなに懇願しても無駄だ。

 巳雪さんはけっして私の肉棒に触れないで、ずっとぺろぺろと虚空を舐めていく。この舌で舐めてもらえたらどんなにきもちいか。それを骨の髄まで教え込まれている私はダメになる。射精したくて仕方なくて、私は巳雪さんの舌めがけて腰を振るってしまった。

「ふふっ」

 でもダメだ。

 私が腰を振って巳雪さんの舌に肉棒を押しつけようとした瞬間、さっと彼女の舌が避けてしまった。

 スコッ! スコッ!

 私がどんなに腰を振っても虚空を切り裂くだけ。

 巳雪さんの舌の動きは機敏で、それ自体が独立して生きているようにしか見えなかった。焦燥感にかられた私は、何度も何度も腰をふるって、巳雪さんの舌に肉棒を押しつけようとする。しかし、

「ふふっ、なにをしているんですか、旦那様」

「ううううッ!」

「虚空にむけてセックスの真似事ですか? ふふっ、お上手ですね」

 まったくの無駄。

 巳雪さんの舌は簡単に私の肉棒をあしらって、避けてしまう。タイミングを変えてもダメだった。諦めたふりをして「ううう」とうなだれ、巳雪さんの舌がぺろぺろと肉棒近くで虚空を舐めあげているところに腰を振っても、ひらりとかわされてしまう。

(把握されてる……私の動き、全部巳雪さんに……)

 まるで彼女の手のひらの上で転がされているような感覚。

 どんなに私ががんばっても、巳雪さんにはかなわない。それだけの優劣差が私と巳雪さんとの間にはある。私の思考をすべて把握し、私がどのように行動するのかなんて、彼女には簡単に分かってしまうのだろう。そう自覚した瞬間、私はマゾイキしてしまった。

「巳雪様あああああッ!」

 すべてを支配されている感覚が全身を貫く。

 目の前の美しい女性に射精だけでなく、人格や行動すら支配されているのだ。こうして虚空に向けた腰振りセックスをしてしまうのも彼女の想定内だ。私が何をしても巳雪さんの優秀な頭脳で予想された範囲内におさまってしまう。支配されている。巳雪様にぜんぶ支配されてしまっている。

「ふふっ」

 私の思考なんてすべてお見通しであることが分かる巳雪様の強い目力によって、私の全身が貫かれる。

 とどめをさします。

 その強い瞳が、私にそう宣告していることが分かった。弱い生物である私は、強い生物の命令にあらがうことなどできない。

 ベロンッッ!

「あひいいいいいッ!」

 大きく、巳雪様の舌が下から上に動かされた。

 私の金玉から亀頭までを一瞬で舐めあげてしまうことができる動き。しかし、彼女の舌が私の肉棒に触れることはなかった。またしても虚空を舐められただけ。それなのに、私は直接彼女から舐められた以上の快感を確かに感じ、そのまま膝から崩れ落ちて、マゾイキしてしまった。

「ふふっ、膝をついてしまいましたね、旦那様」

 そのように私の体をコントロールした女性が、私のことを見下ろしながら言う。

「約束どおり、これでおしまいです。残念でしたね」

「ひゃだああッ! ひゃだよおおおッ!」

「わたしは何もないところを舐めていただけなのに、旦那様はそれだけでマゾイキしてしまいました。ふふっ、自分の思考も行動もすべてコントロールされてマゾイキするの、きもちよかったですか?」

 ビクンビクンとふるえる。

 私のことを見下ろしてくる女性が恐ろしくて仕方ない。彼女がその気ならば私をどのように操ることも可能だろう。発狂させることも、どのような行動をさせることも自由自在。雄を操ってしまう恐ろしい女性。そんな人を前にして、私の体が恐怖と歓喜でマゾイキする。

「貞操帯、つけますね」

 巳雪さんが貞操帯を近づけてくる。

 私は上体だけ起こし、尻もちをついたまま後退する。恐ろしい化け物から逃げようとするみたいに、私の体が巳雪さんから遠ざかろうとして、すぐに背中が玄関のドアにあたってしまった。逃げ場のない場所に追い込まれてしまい、ガクガクとふるえる。

「や、やめて、巳雪様」

「ふふっ」

「ゆるして……貞操帯ひゃだあ……射精……射精させてください」

 涙をぽろぽろ流して懇願する。

 しかしそれは目の前の女性を喜ばせることにしかならなかった

「勃起した状態でははめられないので、また睾丸を握り潰しますね?」

「ひいいいッ!」

「今度こそ潰れてしまうかもしれませんね」

 笑っている。

 恐ろしい女性が笑いながら、片手を私の金玉めがけて伸ばしてくる。ゆっくりと、見せつけるみたいに、一匹の白い蛇が私の急所に這い寄ってきて、ぱくっと丸飲みしてしまった。

「あひいいいいいッ!」

 激痛。

 睾丸に伝わってくるあまりの痛みに悶絶する。私の二つの睾丸が巳雪様の手の中で潰されている。簡単には潰れないはずの金玉が、彼女にかかればすぐに破壊されてしまうことが分かる。私の命が文字どおり握り潰されているという事実。私という生命体が完全に支配されている。そう実感しただけで、私はマゾイキした。

「あー、睾丸潰されそうになってマゾイキしてしまいましたね」

 ぐりぐりと睾丸をねちっこく潰しながら巳雪様が言う。

「だいぶマゾが進んでしまったみたいです。もう、わたしなしでは生きていけないくらい、旦那様のマゾは重傷になってしまいました」

 んふっと嬉しそうに笑う。

 ちらっと私の肉棒を見下ろし、恐怖で縮みあがって小さくなった私の分身をほほえましいものでも見たように笑う。すぐに貞操帯がはめられ、南京錠がつけられて、ガチャンと錠がおろされてしまった。

「あああああッ!」

 私の肉棒につけられた金属の拘束帯。

 射精の権利も、生殖の自由も、すべて奪われてしまった事実が全身を包み込む。支配されている。私という存在は巳雪様に支配されるために存在している。そのことを自覚して、巳雪様に心の底から心酔し、敬虔な信者のように彼女のことを崇拝している自分を発見した。

「ふふっ」

 巳雪さんが立ち上がって、私のことを見下ろしながら笑う。

 私は尻もちをついた状態で「アヒアヒ」言いながら、女神様を見上げるしかない。はるか高みにある巳雪様の美しい相貌。さらに成長して禍々しさを通り越して神々しさを感じるほどの巳雪様の肉体。そんな絶対上位存在者から、ねっとりとした笑顔で見下ろされるだけで、私の体が歓喜にふるえた。

(勝てない……この方には……勝てない……)

 体が負けを認めている。

 自然と。

 あまりにも自然に。

 私は巳雪様の足下で土下座をした。彼女のつま先の間近に額をこすりつけ全身全霊をかけて服従を誓う。射精懇願もできない。声をかけるなんて恐れ多い。神様を前にした信者のように、私は巳雪様に心酔し、静かに土下座をしていた。

「ふふっ、きもちいですよね?」

 すべてをお見通しな巳雪様が笑っている。

「わたしのことを崇拝して、身も心も投げ出して土下座するの、気持ちがいいんですよね? マゾが最後までいきつく場所が崇拝です。自分の妻のことを神様みたいにあがめ奉って、一つになる。自分を捨てて、わたしと一つになる。それが気持ちがいいんですよね?」

 図星だった。

 私は人間であることを辞め、彼女に服従を誓うという屈辱的なことをしているはずなのに、ただただ多幸感だけが全身を支配していた。ぷるぷるとふるえながら、さらに深く土下座をしようと必死に額を地面にこすりつけていく。歓喜のあまり涙がこぼれてきた。

「ごほうびです」

 ドスンッ!

「ひいいいいいッ!」

 踏み潰された。

 後頭部に容赦なく巳雪様の片足が乗っかって、そのままグリグリと蹂躙される。額だけでなく顔面全体が地面に押しつけられ、踏み潰される。

「巳雪様あああああッ!」

 激痛のはずなのに性的な快感がそれを上回った。

 踏み潰されたままマゾイキする。貞操帯にはめられた肉棒が限界まで勃起してギリギリと痛む。ぽたぽたと先走りのカウパーが涙みたいにこぼれ落ち、玄関の床に溜まっていった。

「わたしが旦那様のことすべて支配してあげます」

「あひいい……ひいん……」

「旦那様はわたしの所有物です」

「ひいいい……ひいい……」

「ふふっ、今日もたあっぷり、かわいがってあげますからね、旦那様」

 いじめられる。

 今日も夜通し、巳雪様に。

 彼女の嬉しそうな笑顔を見て、私も心底、幸せだった。

 しかし、今から思うとやはり不自然だったのだ。幸せ過ぎたのがいけなかったのかもしれない。彼女の変化を見逃してしまっていた。巳雪さんのことをもっとよく見ていれば、彼女の言動に注意を払っていれば、気づけたはずだった。幸せ過ぎて、彼女のことを崇拝し過ぎて、私の瞳は曇ってしまっていた。



 ●●●



 続いていく。

 ずっとずっと。

 彼女は私のことを日常的にも支配し始めた。

 夜ご飯を食べ終わった後、彼女がおもむろにプレゼント袋を取り出して、言った。

「あけてみてください、旦那様」

「は、はい」

 彼女に言われるがまま包装をひらく。

 豪華な包装を一つ一つ開封してようやくソレにたどりついた。

「旦那様にプレゼントです」

 巳雪さんがにっこりと笑って言う。

 私が手にとったそれがプレゼントであるとそう語るのだ。信じられなかった。私の手元には、大きな首輪があった。

「家にいる時はそれを装着してください」

「な、なんで」

「これからは、旦那様のおち●ちんだけでなく、旦那様の人格も、わたしが管理してさしあげます」

 ねっとりと。

 サキュバスの本能である支配欲に目覚めたみたいな巳雪さんが続ける。

「旦那様はわたしの所有物なんです。旦那様もそれを望んでいますよね?」

「う」

「だからわたしが旦那様の人格も管理してさしあげます。そのための首輪です。ふふっ、誰がご主人様なのか、これで一目瞭然ですからね」

 笑っている。

 巳雪さんが……巳雪様が笑って、私のことを見下ろしていた。人格を管理される。その屈辱的な事実になぜか私の全身が悦んでいた。普通だったら拒絶する。自分の自由意志もすべて管理すると言われて悦ぶバカはいない。しかし、巳雪様は別だった。この優れた優秀な存在に管理してもらえる。それを思っただけで、私はマゾイキしてしまった。

「……つけ…………」

「旦那様?」

「つけてください。巳雪様に、つけて欲しいです」

 首輪を差しだしながら言う。

 一瞬目を見ひらいて驚いた巳雪様が、にっこりと笑って首輪を受け取ってくれた。

「本当に、旦那様はわたしを幸せにする天才ですね」

 首輪をいじくってひろげる。

 ご主人様が飼い犬に首輪をつけるみたいに。

 彼女の手におさまった首輪が私の首に伸びてくる。そのまま優雅な手慣れた手つきで、巳雪様が私の首にがっちりと首輪を装着した。

「あああああッ!」

 すべてを奪われて歓喜する。

 貞操帯と首輪。

 それによって自分が拘束され、支配される。目の前の巳雪様に―――自分よりも生物として格上の存在に管理してもらえる悦びに、私の全身がふるえた。

「安心してください。旦那様」

 にっこりと人の心を安心させる笑顔で巳雪様が言う。

「旦那様にひどいことはしませんから。ほかの男ならいざ知らず、旦那様のことを家畜にして、ただの種馬として扱うなんてこと、ぜったいにしませんからね」

 巳雪様が言う。

 その言葉に含まれている違和感に、私は気づけなかった。全身が支配されているという被虐の快感で頭が麻痺して、その違和感にきづけなかったのだ。

「わんちゃんにはご褒美をあげますね」

 巳雪様が笑う。

 すぐに彼女の存在以外、どうでもよくなってしまった。

「晩酌にしましょう。旦那様」



 *



 巳雪様が冷蔵庫から日本酒の瓶を持ってくる。

 彼女が東北から取り寄せた最上級のお酒。そのふたをあけた彼女が、おもむろにブラウスのボタンをはずして、その存在感たっぷりの胸元をさらした。

「う」

 張りのある生乳の瑞々しさに心が奪われる。胸元が露出しただけなのに破壊力がすごすぎる。さらにはブラウスによって軽減されていた巳雪様のフェロモンが部屋中に拡散され、私の肉棒がビクンビクンとふるえてしまった。

「ふふっ」

 巳雪様が日本酒の瓶を手にとり、胸元めがけて酒をこぼしていった。

 透明な液体がこぼれおち、巳雪様のおっぱいにそそがれていく。信じられないくらいに大きなおっぱいの大渓谷は、そそがれていく日本酒を一滴たりともこぼさなかった。巳雪様の胸元に日本酒が溜まって、そして、

「飲んでください、旦那様」

 おっぱいを私の顔に近づけ、巳雪様が言った。

 身長差があるので彼女は両手を膝について前かがみの格好になってくれていた。そのせいで谷間がさらにぐんにゃりと潰れてしまっている。上乳だけがあらわになって日本酒をため、下乳はぎっちりとブラウスの中にとじこもって布地を妖艶に押し上げている。そんな光景を前にして、私が我慢できるはずがなかった。

「はあはあはあ」

 目を血ばらせて、おっぱいに近づく。

 そしてゆっくりと口を胸元におしつけ、そこにたまったお酒をすすって、飲んだ。

「ひいいいいいいッ!」

 その瞬間、脳がイった。

 体がビクンビクンと痙攣して、肉棒が貞操帯の中で暴れている。

「ふふっ、媚薬入りの日本酒はおいしいですか?」

 巳雪様が言う。

「わたしのおっぱいにためこまれたフェロモンが日本酒にまざっているんです。そうすると男性はもうダメですね。これを飲むためだったら人殺しだって簡単にしてしまうほど、夢中になってしまいます」

 言葉どおりだった。

 私は頭が危険なほどイき狂うのを感じながら、その液体を勢いよくすすった。「ジュルウウッ!」と音をたて、巳雪様の胸元にたまった禁断の泉をすする。次第に日本酒がなくなってしまう。まるで命よりも大事なものがなくなってしまったようで、喪失感がすごかった。

「舐めていいですよ」

 巳雪様が言う。

「日本酒の残り、舐めとってください」

「巳雪様あああああッ!」

 許可がおりてそのとおりにする。

 その爆乳に顔を埋めて、ぺろぺろと舐める。巳雪様の露出した上乳だけで私の顔面全体が埋もれてしまう。その谷間の奥深くに舌を伸ばして、ぺろぺろと舐めていく。かがんでもらっている長身女性の胸元に顔をつっこみ、その奥深くまで探検して、男には禁断のフェロモン入りの日本酒で人格を壊されていく。

「ふふっ、くすぐったいです」

 巳雪様が嬉しそうに笑って、私の顔を両腕で抱きかかえてきた。さらにおっぱいの谷間に吸収された私は、その乳肉と乳肉の間で、樹液に群がる昆虫のように、ただひたすらに彼女のおっぱいを舐めていった。

「おかわりあげますね」

 私の顔面を片手でおっぱいに押し込めながら、彼女が日本酒の瓶を手にとり、そそいだ。おっぱいという聖杯に日本酒がそそがれていく。私の頭にも顔面にも日本酒がふりかかっていく。新しい樹液に歓喜して、私はゴクゴクと飲み、さらに人格を破壊されていった。

「おいしいですか? 旦那様」

「むうううッ! ジュバアアッ!」

「ふふっ、夢中になってますね。わたしも嬉しいです」

 後頭部を優しく撫でられる。

 その多幸感で頭がバカになり、私はますます彼女から与えられる液体に夢中になってしまう。巳雪様が、「ふふっ」と笑った。

「マゾの旦那様のこと、もっと悦ばせたい」

 すごみを感じさせる声で彼女が言う。

「旦那様には、こちらの飲み方のほうがいいかもしれません。少し失礼しますね」

 巳雪様が私の顔面を爆乳の谷間から引き抜く。

 ジュボンッという音がして天国みたいだった場所から追い出され、私の顔が絶望に染まる。そんな表情をニコリと笑って堪能した巳雪様が、着用していた黒色のロングスカートを脱いだ。

「あああああッ!」

 太ももの肌色暴力で頭が一色になる。

 長くて、太くて、ムチムチしている強そうな太もも。ふくらはぎにかけてのカーブが芸術的で、さらにはエロかった。巳雪様という大きな体を支える強靱な下半身。私の小さな足とは比べものにならないほど強そうな巳雪様の美脚を前にして、目がくぎづけになってしまう。

「正座してください、旦那様」

 言われて体がすぐに従う。

 それを確認した巳雪様がニッコリと笑って椅子に座った。全裸に剥かれて首輪をつけられ正座した男と、服を着用して椅子に座った女性。その客観的事実だけで私はマゾイキしてしまった。

「ふふっ」

 彼女が笑って、日本酒の瓶を手にとる。

 また飲ませてもらえる。おっぱいに帰れる。そう思っていた私の期待を上回る大胆さで、巳雪様が自分の太ももめがけて日本酒をそそいだ。

「あ」

 声が漏れる。

 巳雪様のしようとしていることが瞬時に分かって、それだけでマゾイキしそうになる。日本酒がそそがれていく。透明な液体が巳雪様の太ももをつたわってふくらはぎに垂れ、さらには足首を経由して、足の指にまで水滴がこぼれていった。

「はあはあはあ」

 息を荒くする。

 足の指まで到達した日本酒が床に垂れてしまう。もったいない。そんな考えが脳裏に浮かぶ。まるでエサのおあずけをくらった犬みたいだ。すべてお見通しな巳雪様が優しく笑った。

「舐めていいですよ」

 椅子に座った美しい女性様が、みすぼらしい私を見下ろしながら、

「それともマゾな旦那様にはこう言ったほうがいいですかね」

 笑って、

「舐めろ」

 びくん。

 その命令口調だけでマゾイキした。

「は・や・く」

「はひいいいいッ!」

 舐めた。

 ぺろぺろと。巳雪様の足を舐めて、垂れてくる日本酒を飲んでいく。それだけで、

「しゅ、しゅごおいいいいッ!」

 ビクンビクンッ!

 体がマゾイキで痙攣した。

 巳雪様の美しい足の指をぺろぺろと舐めるだけで全身に快感が走った。日本酒は次から次へと垂れてくる。それを彼女の足の指を舐めることによって飲む。巳雪様の太ももとふくらはぎを経由してきた透明な液体を飲ませていただく。ずっとずっと痙攣した。

「ふふっ、足の指、くわえてください」

「ふぁいいいいいッ!」

 言われたとおりに体が動く。

 両頬がパンパンになるまで巳雪様の足指をくわえこみ堪能する。息苦しさが快感になる。そんな私のことを巳雪様が見下ろして鑑賞している。笑った彼女が日本酒を大量にそそぐと、その透明な液体が太ももとふくらはぎを濁流のようにくだってきて、私の口の中へと殺到してきた。

「むうううううッ!」

 ゴクゴクと飲む。

 足指経由で飲ませていただく。夢心地になって飲んでいると、すぐにそそがれた日本酒はなくなってしまった。

「おかわり、いりますか?」

 日本酒の瓶をふりふりと振って巳雪様が言う。

 私は彼女の足の指を頬ばり、ぺろぺろと口の中で舐めながら、コクンコクンと首を大きく縦に振った。

「ふふっ、どうぞ」

 ドボッドボッ!

 そそがれる。幸せだった。

(巳雪様……しゅごい……)

 巳雪様という自分よりも格上の女性様に奉仕して、私は陶酔しきってしまった。

 椅子に座って私のことを鑑賞している巳雪様。そのご尊顔を見上げて、ぺろぺろと足を舐める。この足の指にだって私は勝てない。そう感じるほど巳雪様の体には生命力が満ちあふれていた。不自然なまでに成長している。そんな考えが頭を一瞬よこぎり、すぐに消え去る。巳雪様の神々しさを前に、私は屈服し、心酔していった。



つづく