毎日搾り取られる。

 精液が空っぽになるまで射精を繰り返し、巳雪さんの体に溺れるだけの毎日。夜は気絶するように眠りにつき、出勤前にはマーキングとディープキスを施される。仕事中も巳雪さんからの責めを妄想しては一人興奮する。そして家に帰ればまた搾り取られる。それがずっと、毎日のように続いた。

「ごちそうさまでした、旦那様」

 夜。

 何度目になるか分からない射精のあとで巳雪さんが言った。

 片手でお腹をさすりながら、巳雪さんが幸せそうにほほえんでいる。いつものように私の放出した大量の子種を丸飲みし、胃の中におさめ、今まさに消化しているのだ。

「それではマッサージをしていきますね」

 しかも最近は空っぽになっても許してもらえなかった。

 首を左右に振って訴えかける私を無視して、巳雪さんが私にのしかかってくる。ずっしりと重い極上肉布団の下敷きにされて、私の体が身動き一つとれなくなる。彼女の生乳が私の横隔膜あたりで潰れて、その感触だけで体が震える。目の前にはねっとりとした瞳。彼女がそのまま、最近の恒例行事となった乳首責めを始めてしまった。

「アアンッ!」

 彼女の手が私の乳首をこねくりまわす。

 完全密着のまま私の胸板に10本の魔性の指が這い回っていく。

 乳首をカリカリと人差し指だけで蹂躙される。かと思えば乳輪に沿って永遠と円運動が繰り返され、焦れたところでぷっくり膨れた突起が襲われる。その技巧はあまりにも卓越していて、一瞬たりとも喘ぎ声を我慢することができない。

「お声、とってもかわいいです」

 巳雪さんが私の顔を見下ろしながら、

「もっと喘いでいいんですからね」

「あひん……ひいん……」

「わたしの前では我慢しないでください。どんなに情けない姿になっても幻滅なんてしませんから」

 カリカリカリッ!

 すべてを受容する聖母のような笑顔で見下ろされながら、熟練した娼婦のような手つきで乳首を責められる。我慢なんてできるわけもなく、私の口から「あ、あ、あ」と甘い声が漏れる。それを聞き、まるですばらしい音楽を堪能するかのように巳雪さんが恍惚とした表情を浮かべた。

「乳首、かなり敏感になってきましたね」

「ひいん……あ、だめえええ」

「人差し指だけでカリカリしてあげます」

 カリカリカリッ!

 単調な上下運動が乳首の突起を何往復もして蹂躙してくる。私の体はその2本の指の動きにあわせて痙攣し、「あ、あ、あ」と声をあげるだけの機械に変わった。

「きもちいですか、旦那様」

 巳雪さんが問いかけてくる。

 答えを聞かなくても分かっているはずだ。こんなにも喘ぎ声を漏らし、メスになっている男を見れば、答えなんて分かっているはず。それなのに巳雪さんは私の口から答えを聞きたがる。私は頭を真っ白にしながら言うしかなかった。

「ぎ、ぎもじいいいいッ!」

「どうされるのがきもちいですか?」

「ち、乳首こねこねされるのがぎもじいいいッ! み、巳雪さんの手で乳首めちゃくちゃにされると、頭おかしくなりますうう」

 絶叫する。

 それを聞いて巳雪さんがうっとりと恍惚とした表情を浮かべ、さらに過激に乳首をいじめてくる。威圧感のある美貌によって見下ろされて、被虐の快感でビクンと震えながら甘い声を漏らす。それがずっと続いた。

「ふふっ、トロトロになりましたね」

 どれくらい時間が経ったのだろう。

 床に倒れて悶絶する私のことを見下ろしながら、巳雪さんが嬉しそうに笑っている。

「焦点があわない瞳で体中脱力させて、びくんびくん震えている姿、とっても素敵です。もっともっと、旦那様のことをかわいがってあげたくなります」

 だから、と。

 献身的に狂信的な愛情をそそいでくる巳雪さんが、にっこりと笑って、

「次はお尻をかわいがってあげますね」

 その言葉で弛緩していた体が恐怖で震えた。

 ダメだ。それだけは絶対にダメだった。

「ら、らめえええ……み、巳雪さん、それ、だめええええ」

「大丈夫ですよ。わたしに任せてください」

「らめだからあああ……巳雪さんに任せたら、おかじぐなっちゃうからあああ」

 泣き叫ぶ。

 これまでされてきたアナル責めの記憶がよみがえり、はやくも快感で頭がおかしくなりそうだった。

「ダメですか? 旦那様」

 哀しそうにしながら巳雪さんが問いかけてくる。

「旦那様が嫌がっていることをわたしはしたくありません。本当にダメならお尻は止めにしないといけません」

 うるうるとその瞳に涙がたまっていく。

 そんな超絶美貌で哀しそうな表情を浮かべないでほしい。こんな顔して哀願されたらどんな雄だって断れないだろう。

「必ずきもちよくしますから」

 巳雪さんが誘惑してくる。

 その手が私のお尻をなでなでと撫で回していく。変態中年男性が豊満なJKのお尻を執拗に撫で回すみたいに、巳雪さんが私のお尻を撫でていく。

「ぜったいに後悔させません。旦那様の体の中を丁寧に丁寧に責めて、前立腺のまわりを重点的にマッサージしてさしあげます。ほら、この舌ですよ」

 べろんと。

 私の目の前で長い舌を伸ばし、見せつけてくる。

「この舌を旦那様のアナルに挿入して、トロントロンにしてさしあげます」

「あ、ああああ」

「理性なんてひとかけらも残させません。旦那様には獣みたいな悲鳴をあげてもらいます。そんなすごい快感を旦那様には堪能してほしいです」

 ダメですか?

 哀しそうな表情で再度問いかけてくる。

 お尻の撫で回しは継続。

 私は本能を優先してしまった。

「犯してくださいいいッ!」

 涙を流しながら哀願する。

「巳雪さんの舌でめちゃくちゃにしてえええええ」

 喉がかれるほどの絶叫。

 巳雪さんがにっこりと笑った。

「よくできました」

 巳雪さんが私の背後にまわる。

 強引にではなく、自然な流れで私の体が四つん這いにさせられる。腰ががっちりとつかまれ、完全に拘束されたことが分かる。ねっとりと長くて肉厚な舌が尻穴に進入してきた。

「いっぎいいいいいッ!」

 その感触だけでダメになる。

 巳雪さんの舌が力強いドリルみたいに私の体内に進入してくる。奥深くまで挿入され、無防備な尻穴がめちゃくちゃにされる。彼女の長い舌が私の弱点を重点的に責めまくっていく。

「いっぎいいいいッ!」

 断末魔の悲鳴が口から漏れる。

 強制的に泣き叫ばされる。

 絶叫していなければ明らかに気が狂う。それほどまでのアナル責め。私の体の中で、強くて長い異物が這い回っていく。

「んふっ」

 そんな私の絶叫が気に入ったのか、巳雪さんがさらに私のことを追いつめようと舌を伸ばしてきた。前立腺。その周囲だけをぐねぐねと舌先で刺激された。

「ひいいいいいいいッ!」

 ビクンンッ!

 ビクビクンンッ!

 目の前に電流が走る。

 四つん這いの体勢を保つこともできずに、床に顔面を突っ伏して悶え苦しむ。その間も巳雪さんは前立腺の周囲を舐めあげることに余念がない。彼女が、じっくりと、執拗に、前立腺の周囲だけを舐めていく。

「ちぬうううッ! 死んじゃううううッ!」

 痙攣が終わらない。

 射精もできない生殺し状態。

 巳雪さんが前立腺を舌先で刺激してくれればメスイキとトコロテンで昇天できる。けれど彼女は絶対に前立腺への刺激を与えてくれなかった。その輪郭にあわせて舌先を蠢かせるだけ。その舌の動きによって前立腺の形を覚え込まされてしまう。

「ゆるじでえええええッ!」

「じゅぱああッ! じゅるうううッ!」

「ひゃだああああッ! 巳雪さんんんッ!」

「ジュルウウッ! じゅぱあああッ!」

「ひゃあああああんんッ!」

 やめてくれない。

 彼女の長い舌が私の尻穴内で永遠と蠢いていく。さきほどから何度もメスイキしているのが分かる。それでも手加減されているから生殺しが続く。ずっとずっと、巳雪さんがマッサージと称した快楽拷問を続けていく。

「んふっ。すごい、旦那様の……回復しました」

 巳雪さんが私の尻穴から舌を引き抜いてから言った。

 四つん這いになった私の背後から、彼女の手が伸ばされ、その長い指が私の肉棒に絡みついてきた。

「たくましい……旦那様のすごくたくましいです」

「あ、あ、あ、だ、ダメ。撫で回さないでええ」

「ふつうだったら、あれだけ射精すれば回復なんてできないんです。それなのに旦那様はすごいです。さきほど空っぽになるまで搾り取ったのに、もう回復しています」

 卓越した手コキ。

 ねちっこく、男の弱点という弱点を知り尽くした手つきで、巳雪さんが私の肉棒を愛撫していく。四つん這いになった私の体に覆い被さるようにして、両手でしこしこと肉棒を手込めにしていく。彼女の大きなおっぱいが私の背中でぐんにゃりと潰れている。上から押し潰されながら、くちゃくちゃと肉棒をいじられていく。まるで子分である猿にマウンティングをするボス猿のような格好で、巳雪さんが私の肉棒をもて遊ぶのをやめてくれなかった。

「私のために子種をつくってくれたんですね」

 ねっとりとした声で巳雪さんが言う。

「旦那様のおいしい精液なら、いくらでも食べれます」

 我を忘れていることが分かる声色。

 欲情した巳雪さんを止めることなどできない。

「いただきます、旦那様」

 じゅぼおおおッ!

「ひいいいいいいいッ!」

 再び、私の尻穴に巳雪さんの凶悪ベロが挿入された。

 ぐねぐねと舌が蠢く。前立腺マッサージ。生殺しのような責め。

 それと同時に巳雪さんの両手が私の竿と玉袋を虐殺してきた。右手が過激な上下運動で竿をしこっていく。単純な動きに見えて緩急と繊細なタッチがすごい。私の弱点を知り尽くしている巳雪さんが、私のきもちが良いところばかりを狙って愛撫してくる。さらに左手は玉袋をこねこねと揉んでいた。その中身をはやくぶちまけろと、執拗に、ねっとりとした手つきが続いていく。

「ひゃあああああッ! あああああッ!」

 我慢できる男なんていない。

 私はあっという間に体を痙攣させ、己の命を精液に変えて、射精を、

「んふっ」

 ぐりいいいいいッ!

「ぎゃああっあああああッ!」

 どっびゅううううううッ!

 びゅっびゅうううううッ!

 射精する。

 最後のタイミングで、前立腺が舌先でぐいっと潰された。それはまるで私の急所を舌で串刺しにするみたいな動きだった。腰が跳ね上がり、終わらない射精で体をビクンビクンと痙攣させる。

「ふふっ、すごい勢いです」

 巳雪さんが熱に浮かされたように言う。

「ぜんぶ搾り取ってあげますからね」

 ぎゅううううッ!

 しこっ、しこっ。

 舌を離して手コキだけに集中し始める。

 射精中の肉棒に容赦のない追い打ちをかけていく。射精の脈動にあわせて右手が上下運動をしていく。もっと出せと。一滴残らず搾り取ってやると決意していることが分かる執拗な手コキ。彼女の左手は、ずっと私の射精を受け止めて、その手のひらに精液を溜め続けていた。

「あひいん……ひいん……」

 悶え苦しむしかない。

 射精の勢いが弱まる。

 それでも巳雪さんは手コキをやめてくれない。

 ゆっくりと、執拗に、肉棒をしこっていく。しつこい。ハイエナだってここまで貪欲ではないだろう。彼女の握力も強くなり、ゴムチューブの中身を根こそぎ搾り取るみたいにして、尿道に残った精液もすべて搾り取られてしまった。

「すごい……子種がたくさん……」

 何度もシコシコされた後、ようやく巳雪さんが私の肉棒を解放してくれた。

 精も根も尽き果てて、私の体が床に突っ伏してうつ伏せで倒れる。ハアハアと息が荒く、射精とメスイキの余韻で体がピクピクと痙攣しっぱなしだ。

「旦那様、見てください」

 巳雪さんがうれしそうに笑っている。

 体に力が入らなかったので、顔だけ巳雪さんのほうに向けると、彼女がこちらにむかって両手に溜まった精液を見せつけてきていた。

「こんなに搾り取りました」

「あひ……ひいん……」

「いただきますね」

 じゅぼおおおおおッ!

 盛大に。

 美しい女性が私の精液をすすっていく。

 もはや我慢できないらしく、すするごとに飲み込んでいく。ゴキュゴキュと彼女の喉が鳴っているのが分かる。精液をすする姿はあまりにも妖艶だった。私の子種が捕食されている。

「あ、ああああ」

 恐怖と快感でダメになる。

 巳雪さんはあっという間にすすり飲んでしまった。あれだけ溜まっていた精液が彼女のお椀の形にした両手の中に一滴たりとも残っていない。

「んふ……ジュルウウッ! じゅぱあッ!」

 終わらない。

 巳雪さんが両手に付着した精液を舐めとり始めた。あの長くて肉厚な舌が蠢いて、自分の両手を舐めていく。最後の一滴までぜんぶ舐めとる執拗な様子に、私の肉棒がビクンと反応してしまった。

(な、なんで)

 勃起してしまった。

 限界まで射精したのにまた勃起してしまったのだ。

 さあああっと、背筋が凍った。

(だ、ダメだ。こんなの巳雪さんに見られたら)

 また搾り取られてしまう。

 時間をかけてマッサージをされて、強制的に子種をつくらされて、また巳雪さんに搾り取られてしまうのだ。そんなことになれば死んでしまう。私は焦って肉棒を隠そうとする。しかし、そんな私の考えなんてお見通しだと言わんばかりに、巳雪さんの瞳がキラリと光った。

「んふっ」

 巳雪さんの妖艶な瞳が私の勃起した肉棒を見下ろした。

 その口元がニンマリと笑った気がした。

 捕食者と獲物―――巳雪さんが襲い私が食べられる。そういう関係だ。

(に、逃げないと)

 このままだと食べられてしまう。

 食欲旺盛な肉食動物にまた捕食されてしまう。

「あっひ……ひい……」

 脱力した体にムチを打って、弱々しいほふく前進を始める。

 ナメクジみたいに床を這って必死に逃げる。体が脱力しきっていてその動きは遅々として進まない。まるで体中の骨を抜き取られたみたいだ。

「逃げちゃダメです」

「ああああああッ!」

 うつ伏せでなんとか這おうとする私の体が、巳雪さんの大きな体によって潰されてしまった。

 彼女のおっぱいがぐんにゃりと私の背中を押し潰す。極上の女体で生き埋めになる。こうなったらもうダメだ。私は一歩も動けなくなり、床に縫いつけにされてしまった。巳雪さんの柔らかい豊満な体に吸い込まれて消化されるみたいに、ただただ心地よい圧迫感に身を委ねてしまう。

「旦那様、またマッサージしましょう」

「あ、だ、だめえええ」

「旦那様ならまた回復できます。そうしたら、旦那様のこと、もっともっと気持ちよくできます」

 彼女の両手が私の体の前にまわされる。

 巳雪さんの指が私の小さな乳首に絡みつき、蹂躙を始める。

「アッ! アッ! アアッ!」

 声が漏れる。

 体が痙攣しようとするのだが、巳雪さんの体によって全身が押し潰されているせいでそれすらもかなわない。彼女の指だけがモゾモゾと動き、私の乳首を虐めまくっていく。

「すごく、いい声ですね。旦那様」

 私の耳元で、脳味噌が溶けるような声色で囁かれる。

「ずっと聞いていたい。旦那様の喘ぎ声、とってもかわいくて、癖になってしまいそうです」

「アアッ! アッ! アッ!」

「もっともっと、いい声で鳴かせてあげます。だからマッサージしましょ? 回復したら、また搾り取ってあげますから。旦那様の精液は一滴たりとも逃がしません。ぜんぶ搾り取ってあげます。これ以上ないくらいの射精体験で、旦那様のことかわいがってあげますから、ね? マッサージさせてください」

 片手が乳首をカリカリといじる。

 もう片方の手がわたしの尻穴を優しくノックし始める。

 甘い誘惑。あくまでも選択権は私にあると見せかけて、決まりきった回答を迫ってくる。我慢なんてできるはずがなかった。

「マッサージしてくださいいいいッ!」

 言った。

 言わされた。

 背後で巳雪さんが幸せそうな吐息をもらした。

「愛しています、旦那様」

 男殺しのマッサージが始まる。

 すぐに私は言葉を忘れて喘ぎ声を漏らすだけの猿に変わった。

 捕食者である巳雪さんが、せっせと神経毒を獲物に送り込むみたいに、私に快感を与え続けていった。




つづく