調教が続く。

 彼女に犯されるだけの毎日。

 幸せな日々。

 朝起きると何度か犯される。

 日中だって、ホテルで何度も泣き叫ばされる。

 夜は当然、彼女の時間だ。僕はさんざんに彼女に犯され、調教されて、自分の体を改造されていった。



 ちょっと面白いものがあるから、はやめに帰ってこれる?



 彼女からメッセージが送られてきて、僕はすぐさま帰宅することにした。

 授業中だったが、そんなことは関係ない。呆れたように顔をしかめている友人にあいさつをして、すぐに家に帰ることにした。そこで、とんでもない光景を目にすることになった。



 *



「え?」

 佑梨ちゃんの家に行くと、そこで彼女が男をボコボコにしていた。

 男には見覚えがあった。

 サークルの部長・・・・・・佑梨ちゃんの元彼がチョークスリーパーで締めつけられていた。

「あははっ、じたばた暴れてるね~」

 佑梨ちゃんが、本当に楽しそうに部長の首を締めている。

 男の背後から、その首にがっちりと両腕をまわして、締め上げている。身長差から、部長の足は地面についていなかった。足をぶらぶらさせて、必死に暴れてなんとか拘束から逃れようとしている。顔を真っ赤にさせて、全力で暴れているのに、佑梨ちゃんはビクともしないのだ。よろめくこともなく、彼女はチョークスリーパーで男を締め続ける。

「また墜ちちゃうね。かわいそ~」

「カギュウウッ! ぎゅうううッ!」

「ふふっ、墜ちろ」

 ぎゅううううッ!

 佑梨ちゃんの両腕が力を増す。

 瞬間に部長は気絶した。

 佑梨ちゃんの腕の中で脱力して、ビクンビクンと痙攣するだけの人形にかわってしまった。

(な、なんだこれ)

 僕はその光景を前にして呆然としてしまった。

 家の中に部長がいるということも信じられなければ、抵抗する男をいとも簡単に締め落としてしまう佑梨ちゃんの姿も信じられなかった。

「あ、翔太くん、おかえり」

 佑梨ちゃんが、気絶した部長を締め上げながら、にっこりとした笑顔を僕に向けてきた。

「驚いた?」

 笑って、問いかけてくる。

 僕は返事をすることもできなかった。

 ただただ、今も彼女の腕の中で首を締められ、ブラブラと揺れている部長の姿に目がくぎ付けになってしまっていた。

「こいつ、ストーカーになってたみたいなんだよね」

「え?」

「ほら、最近、よくわたしの物がなくなるって相談してたでしょ。あれ、こいつがわたしの私物を盗んでたみたいなの。盗撮もかなりされてた」

 佑梨ちゃんから部長のスマフォを渡される。

 そのフォルダの中には、何十枚もの佑梨ちゃんが写っていた。そのすべてがカメラ目線のものではなく、盗撮されたことが明らかなアングルで撮影されていた。

「こいつの仕業ってことが分かったから、呼び出して、ボコボコにすることにしたの」

 笑いながら、佑梨ちゃんが言う。

「まだまだこれからだからさ、翔太くんは、ゆっくりしててよ」

 そう言って、佑梨ちゃんが部長の頭を拳骨で殴り始めた。

 情け容赦のない、力強い一撃。何度も殴られた男が覚醒する。それを確認した佑梨ちゃんがようやく部長を解放してあげた。

「ひいいいッ!」

 怯えきった部長が叫ぶ。

 地面に倒れ込み、立ち上がることもできずに消耗している部長が、怯えきった表情でもって、佑梨ちゃんのことを見上げていた。眉がさがり、恐怖でひきつった表情を浮かべている男の姿はあまりにも惨めだった。

「ふふっ、怯えてる怯えてる」

 そんな部長のことを、佑梨ちゃんはニンマリと見下ろすのだ。

 サディスト全開な獰猛な笑顔。そんな視線で見下ろされて、無事ですむ男なんていないだろう。

「ほら、はやく立ちなよ。続きするから」

「ゆ、ゆるじで・・・・もう、もうやめてくださいいい」

「なに言ってるの? ほら、早く立て」

 バゴンッ!

 佑梨ちゃんが右足を振り上げて、容赦なく男を踏み潰す。男の悲鳴が「ひいいッ」と滑稽にあがった。

「立てよ、ほら」

 バッゴッ!

 グシャアッ!

「や、やめでええ! 踏まないでええ!」

「立~て」

 グッシャアッ!

 ボッゴオンッ!

「ひいいいいいいッ!」

 踏み潰しの雨あられが部長の体に降り注ぐ。

 佑梨ちゃんのムチムチの太ももから放たれる踏み潰しが、情け容赦なく男の体を踏んでいく。佑梨ちゃんの大きな足裏が男をぺちゃんこにしてしまって、バッギッ! グッシャアッと大きな音が響いていた。

「ひいいいっ! ひいいいッ!」

 怯えきった男がなんとか立ち上がろうとする。

 その体を踏みつぶしによって地面に縫いつけにしてしまう佑梨ちゃん。結果として、部長は地面に亀のように丸くなって、ひたすらに佑梨ちゃんによって踏み潰されていった。

「あはっ、惨め~」

 亀になった男の後頭部を踏み潰しながら佑梨ちゃんが言う。

「踏み潰されて動けなくなっちゃったね」

 ぐりぐり。

 佑梨ちゃんが高身長で仁王立ちになりながら、男の頭を踏み潰して、ニヤニヤと笑っている。

「ほら、この状態から立てよ」

「うむううううッ!」

「必死にやれ。潰すよ?」

 ぎゅうううううッ!

 佑梨ちゃんの右足が力を増す。部長の後頭部を踏み潰し、その顔面を地面に強制接吻させて、ぐりぐりと蹂躙していく。彼女の太ももにうっすらと筋肉の筋が浮かび上がってきて、その踏み潰しの力強さが見ているだけで分かった。

「むううううううッ!

 顔面を地面におしつけられているので、くぐもった悲鳴しかあげられない。部長は両手を地面について、両腕と首の力を総動員して、必死に立ち上がろうとしている。しかし、

「あはっ、ぜんぜんダメだね」

 佑梨ちゃんの踏み潰しの前に、男はまったくの無力だった。

 両腕と首をぷるぷるとさせるだけで、佑梨ちゃんの足を1ミリだって動かすことができない。男は両腕を地面について、まるで佑梨ちゃんに土下座するみたいにして、頭部を踏み潰されていた。

「おまえ、今日からわたしのペットにするから」

 ニヤニヤ笑いながら、佑梨ちゃんが言う。

「おまえみたいなストーカーに、拒否権とかないからね。ふふっ、毎日、ボコボコのサンドバックにしてやるよ」

 そう言って、佑梨ちゃんが、大きく右足を振り上げる。ニヤリと笑って、そのまま、力強く男の後頭部を踏み潰した。すごい音がして、部長がびくりとも動かなくなってしまった。

「あ~、ちょ~楽しみ」

 ぐりぐり。

 男の後頭部を踏み潰しながら、佑梨ちゃんが妖艶な笑顔を浮かべる。彼女はそのまま、いつまでも、男のことを踏み潰しては、遊んでいた。



 ●●●



 佑梨ちゃんの日課にペット遊びが加わった。

 今日も彼女は元部長の男をペットにして、暴虐の限りを尽くしていた。

「ほら、もっと舐めろよ」

 乱暴な口調で佑梨ちゃんが言う。

 彼女はペットに三角締めをかけていた。床に仰向けで寝転がりながら、その長くてムチムチな太ももの間にペットの頭部をはさみこみながら、ぎゅううっと力強く締め付けている。

「カヒュウーー」

 ペットは早くも虫の息となって悶えていた。

 佑梨ちゃんのムチムチの太ももに埋もれるようにして、顔面を彼女の秘所に押しつけられている。そして、彼女の命令どおりに、ぺろぺろと彼女の秘所を舐めていくのだった。

「へたくそ」

 辛辣な声が響く。

 いつもの上品そうな優しい女の子はいない。

 いるのは残酷でサディストな、自分の性欲を優先する女の子だけだった。ぎゅうううっと、さらに太ももによる締め付けが強くなる。

「クウウンッ! くんんッ!」

 締め付けられたペットが必死の形相で媚びを売り始めた。

 捨てられた犬みたいな声で、必死の命乞い。自分の頭部を潰し、首を情け容赦なく締め付けてくる太ももの力を緩めてくださいと、全身全霊をかけて懇願している。

「ふふっ」

 そんな命乞いを見ても、佑梨ちゃんは一切同情するつもりはないみたいだった。むしろ情けない姿がツボに入ったみたいで、さらに惨めにしてやろうと、ペットの顔面を無理矢理秘所に押しつけてしまった。

「むううううッ!」

 くぐもった悲鳴しかあげられない。

 顔面には女性の秘所が押しつけられ、首と頭部にはムチムチの太ももがまきついて、命乞いすら許されなくなってしまったのだ。男が、ガクガクと全身を痙攣させていく。

「墜ちろ」

 ぎゅううううッ!

 ビクンンッ! ビクビクッ!

 男の全身が脱力して、気絶した。

「ふふっ、ほんとうにザコだよね、こいつ」

 立ち上がった佑梨ちゃんが、今もびくびく痙攣している男を見下ろしながら言う。

 そのサディスト全開な笑顔で僕の体がビクンと痙攣する。怖い。それなのに美しい。男のことを簡単に締め落とせてしまう彼女のことが恐ろしいはずなのに、なぜかとてつもなく彼女に惹かれている自分に戸惑ってしまった。



 *



「おまたせ、翔太くん」

 にっこりと優しく笑った佑梨ちゃんが言う。

 僕のことを慈愛のこもった笑顔で見下ろしながら、彼女が僕に近づく。その大きな体やおっぱい、むきだしの密壷に圧倒されていると、彼女は笑いながら僕の体を押した。なすすべもなく僕は尻餅をついて倒れてしまう。

「ああああ」

 絶望に声をあげる。

 僕の体には大きな影がおちていた。それは手を腰にやって仁王立ちとなり、こちらを見下ろしてくる佑梨ちゃんの巨大な肉体による影だった。その大きな体を前にして圧倒されてしまう。

「それじゃあ、クンニしてよ」

 仁王立ちのまま、腰をぐいっと僕につきだしてくる。

 膝立ちになりローアングルから佑梨ちゃんを見上げると、本当にその肉体は規格外の一言につきた。ムチムチの太もも。その柔らかそうな太ももの下には凶悪な筋肉が眠っていることが分かる。さきほど男を簡単に締め落としてしまった佑梨ちゃんの強い下半身を前すれば、彼女の命令どおりに動く以外に選択肢なんてなかった。

「ううううッ」

 ぷるぷると震えながら、自分の顔面を彼女の太ももの間にセットする。

 膝まづいたままで、仁王立ちのまま僕を見下ろす佑梨ちゃんの股間に顔を埋める。そして、ぺろぺろと、彼女の女性の象徴を舐めていくのだ。

「ふふっ、えらいよ」

 佑梨ちゃんが立ったまま、僕のご奉仕を点検していく。僕はただひたすらに、彼女を舐めていく。

 僕の頭部は彼女のむちむちの太ももで挟まれている。今はまだ柔らかくて心地よい足。けれども、粗相があればすぐにこの足は凶悪な筋肉が浮き出てきて、僕の頭なんて粉々にしてしまうのだ。そんな恐怖感を覚えて彼女の秘所を舐めていると、なぜかとてつもなく興奮した。自分よりも強い生物にご奉仕させてもらっているという陶酔感で、僕はこれ以上ないほど勃起してしまったのだ。

「あ~あ、勃起しちゃった」

 ビクンッ!

 彼女の声で体が震える。

 佑梨ちゃんが片足を振り上げて、僕の肉棒を踏んだ。その感触だけでイきそうになってしまった。

「さっきも、わたしがペットをボコボコするの見て、翔太くん興奮してたよね」

 ニヤニヤと。

 佑梨ちゃんが続ける。

「今、翔太くんが顔を埋めている場所で、さっきまでほかの男が締め付けられて、気絶させられちゃったんだよ? 普通だったら、こわくて勃起なんてしないはずだよね」

「う、うううううッ!」

「あ~あ、泣いちゃった。なさけな~い」

 佑梨ちゃんが容赦なく僕を責める。

 それなのに僕の勃起はおさまるどころかさらに強くなってしまった。興奮で体が震える。

「それにしても翔太くん、ちっともクンニうまくならないよね」

 佑梨ちゃんが片手で僕の髪の毛をつかむ。

 乱暴に上下左右にゆさぶって、僕のことを叱責し始める。

「ぜんぜん気持ちよくないよ。ちゃんとやってる?」

「ご、ごふぇんなひゃい」

「ほら、もっとちゃんと舐めないと・・・・・・翔太くんも、潰されちゃうかもよ?」

 ぎゅっ。

 少しだけ、やんわりと。

 彼女の太ももが僕の頭部を潰す。

「ひいいいいい」

 恐怖で体がひきつる。

 ぺろぺろと必死に舐める。

 暴力で脅されて、性のご奉仕を続けていく。髪の毛を乱暴に捕まれて逃げることも許されずに、女性の密壷を舐めていく。自分にできる一生懸命なご奉仕。それなのに、

「あ~あ、ぜんぜんダメ」

 辛辣な声が聞こえて、体が震える。

「じゃ、今日は乱暴に犯すからね」

「あ、あ、あ、ゆ、ゆるして」

「ほら、ベット行こうよ。優しくなんてしないから。せいぜいがんばってね」

 佑梨ちゃんが僕の髪の毛をつかんだまま歩き出す。

 僕は引きずられるようにして運ばれる。

 美しい高身長の女性が、彼氏の髪の毛をつかんでひきずったまま、寝室に移動していくのだ。僕は髪の毛につたわる痛みに耐えて運搬されるだけ。気づいたときには、寝室のベットの上にぽいっと放り投げられ、佑梨ちゃんから馬乗りにされる。

「ここまでされたのに、勃起したままだね」

 僕の頭上。

 そこでニヤニヤ笑いながら僕を見下ろした佑梨ちゃんが言う。

「顔は怖がってるのに体は正直。ふふっ、だいぶ仕上がってきたね」

「あひん・・・・ひいい・・・・」

「それじゃあ、開始♪」

 勢いよく挿入される。

 始まるのは乱暴な腰振りだ。

 彼女の巨尻が僕の下半身に打ち付けられる。

「ひいいいいいいいッ!」

 僕の悲鳴と肉の殴打音。

 それが寝室中に響きわたる。

 それを聞いた佑梨ちゃんが嬉しそうにニンマリと笑って、さらに興奮していく。僕は彼女のされるがままになって、その性欲が解消されるまで、ずっとずっと、性の玩具にさせられていった。



 ●●●



 ここまで乱暴にされているのに、僕の体はますます佑梨ちゃんにはまっていった。

 乱暴にされればされるほど、いじめられればいじめられるほどに、僕の体は興奮した。彼女のニンマリとした笑顔が脳裏から離れず、悶々とした毎日を過ごしていく。

 僕は、どこにいても彼女の優しさと残酷さを思い返してしまった。一番ダメなのは彼女がペットで遊ぶ時だ。僕はその光景を見ながら、これ以上ないほど勃起してしまうのだった。

「あははっ、すごい顔になったね」

 家のリビングで佑梨ちゃんは言った。

 テーブルなどをすべて脇にどかして、広い空間をつくったそこでは、佑梨ちゃんと男が相対していた。二人の手には赤色のグローブが装着されていた。総合格闘技のためのグローブ。佑梨ちゃんの通っているジムには格闘技コースもあるようで、彼女はそこで毎日のように強くなっていった。

「ほら、いくよ?」

 ドゴンッ!

 殴る。

 彼女の大きな体が目にも止まらない速さで動き、男の顔面を真正面から殴った。

「ほらほら、逃げなよ」

 ボゴオッ!

 ベギイッ!

 殴り続ける。

 男はめった打ちにあって防戦一方だ。ずるずると後退していき、すぐに背中が壁についてしまった。逃げ場はもうどこにもなかった。

「蹴っちゃいま~す」

 ドゴオオンッ!

 佑梨ちゃんの長い足が、男の体を壊すための凶器に変わった。

 美しい軌道を描いて旋回し、大迫力で男の体に着弾していく。男の体は背後に吹っ飛び、壁にあたってはねかえってくる。そこをさらに佑梨ちゃんの蹴りが襲って、痛めつけられていく。

「ふふっ」

 佑梨ちゃんは笑顔だった。

 激しい運動をしているというのに、息すら切らすことなく、一方的に男を蹴りなぶっていく。相手からの反撃も許可している模擬試合において、男は一度も佑梨ちゃんに攻撃する余裕もないほど追いつめられ、ただただ一方的に殴られ、蹴られていった。

「ウッブウウウッ!」

 血しぶきを吐きながら、男が倒れる。

 その体はアザだらけで、見るも無惨な姿になっていた。顔はぷっくりと腫れて、膨張してしまっている。倒れた男はハアハアと息をして、涙をぽろぽろと流していた。

「ゆ、ゆるじでください」

 力のない命乞いがたどたどしく発せられる。

「もう、もう勘弁してください。ストーカーしてたことは謝ります。警察に自首して罪をつぐないますから、だから、だからもう、許してください」

 土下座。

 佑梨ちゃんの足下に額をこすりつけて、必死の懇願をしている。心が完全に折れている。それが見るだけで分かった。どんなに残酷な人間だって、この光景を見たら相手に同情するだろう。痛めつけるのもやめるはずだ。しかし、佑梨ちゃんは別だった。

「なんでペットが人間の言葉しゃべってるの?」

 冷ややかな声。

 佑梨ちゃんが生ゴミでも見下ろすみたいな冷たい表情で、男を見下ろしていた。

「人間の言葉しゃべったらダメって、あれだけ言ってわからないのかな?」

「ひ、ひいいいいい」

「躾しなおすね」

 ボゴオオッ!

 蹴る。

 四つん這いになった男の体をサッカーボールみたいにけっ飛ばして、すぐに襲いかかる。地面に倒れた男の体にからみついて、背後から男の首を締める。チョークスリーパー。佑梨ちゃんの長い足は男の胴体を挟み込んで、同時にぎゅううっと締め付けを開始した。

「気道だけ潰す。簡単に気絶できないよ?」

「カッギュウウッ! オボオオッ!」

「今度こそ死んじゃうかもだね。かわいそう」

 ぎゅううううううッ!

 さらに強く締める。

 ガクガクと男が暴れているのに、佑梨ちゃんはそれを羽交い締めにして封殺してしまう。いつもは男をいじめてニヤニヤ笑っている笑顔が今はない。あるのは冷酷なサディストの顔だけ。本気で怒っている。それがなによりも怖くて、僕は盛大に勃起していた。



 *



 ずっと続いていた締め付けがようやく終わる。

 最後は宙づりだ。

 高身長の佑梨ちゃんが男の首を両手でわしつかみにして持ち上げ、吊してしまう。

「カギュウ・・・んっごおお・・・・・」

 すでに白目をむいてガクガク震えている男が最後に悶える。そんな男のことをじいっと冷徹な表情で見上げているのは佑梨ちゃんの美しい顔だった。美人が残酷になると本当に冷たく恐ろしく見える。僕はハアハアと息を荒くした。

「ふっ、ザ~コ」

 男を放り投げる。

 仰向けになった男の顔面を踏む。

 ぐりぐりと容赦なく踏み潰したまま佑梨ちゃんが言った。

「あ~あ、こいつで遊ぶのも飽きてきちゃったな」

 独り言をつぶやくように、

「捨てるか、こいつ」

 ぐりぐり。

 体重をかけて気絶した男の顔面を踏み潰しながら、

「うん、そうしよう」

 頭のいい人間は決断がはやい。

 見切りに躊躇がなく、一度決めれば即座に実行にうつす。

「ばいばい」

 ベッギイイッ!

 最後に男の顔面を力強く踏み潰した。

 とどめ。

 男がぴくぴくと震え、虫の息となる。

(すごすぎる)

 そんな光景を前にして僕はなにも言えなかった。

 ただただ美しくて残酷な佑梨ちゃんを前にして、僕は興奮していた。



つづく